東京公演は8月28日に延期

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Fue agotado en Brasil ‘Iberoamericana.’ Es una buena noticia bajo esta circunstancia. El 16/3 nos daremos la decisión final de mi gira en Japón en abril.

‘Iberoamericana’ went sold out through the Amazon online, Brazil. It’s not bad news under this horrible worldwide circumstance. On March 16th, we will make final decision about my tour in Japan.

残念ながら、今回の東京公演(4・3銀座ヤマハホール)はパンデミック拡大防止のため8月28日(金)に延期決定をした。
同時にブラジルとペルーへの旅行もキャンセル、そしてアメリカ国内での仕事も次々に延期となっている。

グッドニュースは、ブラジルのオンライン・アマゾンで「イベロアメリカーナ」の売れ行きがよく、品切れ・再入荷がこのところずっと続いている。
この世界的な悪状況下、自分にとって悪くないことだ。南米はまだすぐに行けるようになるだろう。いまアメリカはまさに戦時下。ここしばらくはこの地に暮らし、恩恵を受けているもののひとりとして、強い精神力と体力をもって生き延びなければならない。

こういうときこそ必要なのは芸術であり文化だと信じる。
CDは世の中で最も音の良い音楽媒体だ。いまCDが売れなくなってきている状況は、本当に愚かで嘆かわしいことだ。過去の遺物であるレコードや、音楽産業を殺すMP3ファイルの音などというのは、CDのサウンドクオリティの一億分の一を下回る。

自分は1980年代のはじめ、幸運にも(当時非常に高額だった)CDプレイヤーを貰い受け、最初に聴いたのがビル・エヴァンスの傑作「ワルツ・フォー・デビー」だったが、その時の感動をおそらく生涯忘れることはないだろう。いまでもニューヨークの自宅には200枚ほどのLPコレクションがあり、もちろんCD化されていない音源、たとえばブラジルの女性ギタープレイヤー、マリア・リヴィア・サンマルコスの演奏や、盲目の天才ホセ・フェリシアーノのロンドンライヴなどを、いまでもレコードを聴いて楽しむこともあるが、その日以来、事実上レコードというものは、自分にとってなんの価値もなくなった。自分は翌日、当時700枚ほどあったLPのコレクションを、一部の希少盤のみ残して全て下北沢の中古盤屋に売り払い、それからはCDのみを聴くようになった。

こういうことをすると、世間からは”新し物好き”と言われたりするが、本当にクオリティの高いものを追い求めたら、それはきわめて自然なアクションだ。
デジタルとアナログの差は測り難い。
カメラの世界で、こうしてアナログ文化に対してなんの未練もなく引導を渡したのが、日本の名フォトグラファー、故富山治夫(とみやまはるお)さんで、彼は、デジタルカメラの発明と同時に、それまで愛用していたアナログカメラをあっさりすべて処分し(ご自宅の暗室も物置にし)、いままで撮ることのできなかった新しい映像世界を、大きな喜びとともにデジタル・テクノロジーで表現しようとした、本物の芸術家だ。
どこだったか忘れたが、かつて”ライカ”を収集して喜んでいる日本のおとっつあん衆の集まりにかつて居合わせたことがあり、それは本当に耐え難く無意味な時間だった。おそらく富山さんにとって”ライカ”のカメラなどというものは、ゴミ以外のなにものでもなかっただろう。
自分も富山さん同様、骨董集めの趣味は持たない。

今時レコードを聴いて喜んでいるような人間は、音楽愛好家でもなんでもなく、懐古主義者、もしくは能無し以外の何物でもない。確かにアナログ時代の録音は非常に優れていて、それゆえにデジタル化されたときに信じ難いような光を放ったことは確かだ。それはまさに美しいサウンドの洪水だった。しかし、それでも現在の録音技術と比較することはできない。もし40年前、デジタルの録音技術があったら、グレン・グールドはもっと長生きしただろう。いまの世の中でレコードを再発売して儲けようとするものは、憎むべき音楽の敵だ。
本当に音楽を理解し、そして愛する人は、これからもきっとCDを買うものと信じている。

最後に、富山さんが生前、東京オペラシティーでライヴ・パフォーマンスをしている自分を撮影してくださった写真をご紹介する。