Homenaje a Garcia Lorca ロルカに捧げる「 ソレダー・モントーヤの黒い哀しみ」

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Mis interpretaciones en vivo de “La Aurora,” y “Romance de la pena negra” que he compuesto después de ser inspirado de la gran poesía “Romance de la pena negra” por Federico Garcia Lorca.
Ambos fueron grabado en CLUB MANDALA TOKYO durante mi recital el 21 de noviembre, 2019.

My live interpretations of “La Aurora,” and “Romance de la pena negra” which I composed with the strong inspiration from “Ballad of Black Dread” by Federico Garcia Lorca.
Both were recorded live at CLUB MANDALA TOKYO during my recital in November 21st, 2019.

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サウンド・クリエイターのはしくれとしての、現在の自分を最も支えるもの、それはガルシア・ロルカの詩の世界だが、このところ、主にアメリカ人のギタープレイヤーたちから、一連のロルカ作品の楽譜を買いたいという問い合わせが非常に多い。

自分はクラシックギターを6年間、故鈴木巌先生から手ほどきを受けているので、もちろん楽譜を読むことはできるが、実は楽譜で音楽をおぼえることは殆どない。
さらに音符を書くのがとても苦痛なため、これまで幾度も出版の話はあったものの実現できずにいた。

自分の音楽を譜面にすると、プレイ中にオタマジャクシが目の前をちらつき、フィーリングが狂う。

そんな中、つい最近、あるアメリカの学校の先生をしている人物が、”今度、ロルカに捧げるコンサートを学校で行うので、そこでぜひあなたのロルカ曲を紹介させてください”と言って、楽譜購入を真摯に希望してきてくれたので、ついに楽譜を書く作業をはじめることにした。

それが、今回のリンクの曲。

ひとつめが、ロルカの傑作詩「Romance de la pena negra (黒い哀しみのバラード)」に霊感を受け、5曲組曲として昨年東京で初演した、「ソレダー・モントーヤの黒い哀しみ」の冒頭曲”オーロラの夜明け”というナンバーで、自分でもとても気に入っている。

ソレダー・モントーヤというのは、ロルカ自身が描いた、ビデオに使用してあるイラストの、同詩の主人公の魅惑的なジプシー娘の名前。

また、ふたつめは、やはり同組曲中のフィナーレを飾るもので、”黒い哀しみのバラード”というタイトル。
6分を超えるソロだが、ラスト、かなり激しいアレグロに展開する変化に富んだ曲想で、この作品は目下のところ、自分が最も気に入っているオリジナルナンバーだ。

どちらも昨年11月の東京公演中に録音されたもので、無修正の一発ライヴ録りの音源。
楽しんでいただければ嬉しい。

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蛇足だが、自分が現在、スペインのイグナシオ・ローサスと、やはりスペインのホアン・エルナンデスという楽器を使用していることは以前書いたけれど、実はこの動画のライヴでは、パコ・デ・ルシアが使用していた、コンデス・エルマノスの二万ドルのギターを使用している。

なーんちゃってウソだよー!!!

これは数年前、ニューヨークの自宅の近所の楽器屋でケース付きで700ドルで購入した、アメリカ国内の町の楽器屋ならどこでも廉価で売られている、ライムンドというスペインの大量生産品の音色。

鈴木巌先生は生前、「史朗くんは自分の音を持っているから、値段の高い楽器を使わなくていい。羨ましいよ。」といつもおっしゃっていた。

鈴木先生はいつも正しい。
先生は、自分にその”自分だけの音”をプレゼントしてくださった、今も変わらぬ素晴らしい恩師だ。

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黒い哀しみのバラード (大竹史朗訳)

”ニワトリたちが大地をつつきはじめる オーロラの夜明け
ソレダー・モントヤが 暗い山をおりてくる

銅色のからだ 馬の匂い 豊かな胸
そして嘆きの歌

ソレダー あんた なんだってこんな夜明けにたった一人で歩いているの
あんたには関係ないでしょ あたしはただ あたしが探すものを探しているんだから

木の葉がさざめく オリーブの大地が広がる

ああ ソレダー!あんたの哀しみはなんて深いんだろう!

あんたのからだと服には 黒い哀しみがしみこんでいる
糸で編んだブラウス そしてアマポーラのような脚にも
そして 台所からベッドの部屋までとどいてしまう あんたの地をはうような黒い長いおさげ髪 

まるで暴れ馬のように やがてソレダーは海にたどり着く
そして波が 彼女を呑みこんでしまう

私は狂った女のように 家へ走り帰る
レモン汁の酸っぱみのように 希望が泣きながら口を濡らす
もう私に 海を思い出させないでおくれ!

ソレダー・モントヤ アロンドラの水であんたのからだを洗ってしまうんだよ
そして あんたの心が安らかであるように
ソレダー・モントヤ!

空を舞う木の葉 川が歌う
カラバーサの花とともに 新たな光が燃え上がる

ああ ジプシーの哀しみは とってもきれいでいつもひとりぼっち
川底で泣いている 遠い夜明けのように