Homage to Niccolò Paganini, devil’s guitar player ニコロ・パガニーニ、悪魔のギタープレイヤーへのオマージュ

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¿Y si Paganini tocaria su guitarra en Londres solamente una noche?
Es mi obra homenajeada a Niccolò Paganini, grabada en vivo en la sala mayor de Yamaha Hall Tokio (8. XII 2021.)

What if Paganini would play his guitar in London for only one night?
This in my homage guitar solo dedicated to Niccolò Paganini, recorded live at Yamaha Hall in Tokyo (Dec. 8. 2021)

ギターの名手でもあった19世紀の悪魔のヴァイオリニスト、パガニーニが、もし一晩だけギターを抱えてロンドンで公演を行ったら?

これは、そんなアイディアから作曲した冒険的新作ギターソロ組曲、「パガニーニ ライヴ・アット・王立コヴェントガーデン劇場」のなかから、クライマックスの二曲を、昨年12月8日のヤマハホール公演の第一部のラストとして初演した際のライヴレコーディグ

1 ロマンス / ニコロ・パガニーニ(大竹史朗編曲)

2 悪魔の恋人 / 大竹史朗
  a)モデラート「エリーゼのために」による即興
  b)ラルゴ〜プレスト〜アンダンテ
  c)アレグロ  

パガニーニは、自作自演の優れたヴァイオリン曲で、今でいえばダフ屋が横行するような、ヘッドライナーの全欧ツアーを行い(当時の他の作曲家に比べて)経済的にかなりの成功を収めていた。
公演に訪れる観客も’オールスター’が多く、ショパンリスト、さらに家の家具を売ってまでチケットを入手したシューベルトの話はよく知られているが、デュマバルザック、そしてユーゴーなど、文学の世界にも多くのファンを持っていた。

超絶技巧と息を呑むような美しい音色の演奏については、誰もが唸るプレイをしたものの、それでもあまりにオールスター・オーディエンスがつめかけるときは、オープナーは自作曲ではなく、自身が尊敬したベートーヴェンの作品で”安全スタート”を切ったという。
僕はそういうところに、パガニーニの人間らしさと、ひとりのミュージシャンとしての美意識を強く感じる。

パガニーニは、スキャンダラスなゴシップに事欠かない、まさに1970年代初頭のブリティッシュ・ハードロッカーのような存在だったが、ギターを弾いた恋人のために、多くの、それは優しい曲調のロマンティックなギター曲を書き残した。
彼はもしかしたら、ギターを抱えるととても優しい人間になったのかもしれないが、怒涛のような工業化に伴い、人間がともすれば人間らしさを忘れてしまい、混沌として狂っていた近代の幕開けの時代において、もしかしたら誰よりも人間的に生きようとした真のロマンティストだったのではないだろうか。
当時、誰も理解できなかったベルリオーズの才能を誰よりも見抜き、世の中に出られるよう尽力したのは、ほかでもないパガニーニだった。

パガニーニが、公演でギターをプレイしたという記録は残っていないが、もし彼がライヴでギターを披露したら、きっとこんな感じだったのではないかな?

11分間弾きまくる完全ライヴ!
勢い余って、音をブッパズしているところもあるが、どうぞお楽しみください!