8.13 NY'バージミュージック'公演プログラム

8月13日に、ニューヨークの水上コンサートホール'バージミュージック'で行うソロコンサートは、私の演奏を聴いた、ご自身もエイブリー・フィッシャー・プライズに輝く名ヴァイオリニストである同会場のアーティスティック・ディレクター、マーク・ぺスカノフ氏からの公演オファーによって実現の運びとなったものです。

まずこの場をかりて、マークさんに感謝の意を表したいと思います。


'ヨーロッパから南米へ/エキサイティングなクラシックとフォルクローレ・ギターのクロスオーヴァー'と銘打たれたこの公演。
今回、選曲を完全に任された私は、かねてから一度トライしてみたかった、パラグアイが生んだ心優しき放浪のギターの名手、アグスティン・バリオス・マンゴレが生前行っていた3部構成によるプログラムを、自分流にアレンジして組むことにしました。


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I

<アタウアルパ・ユパンキへのオマージュ>

・ 栗毛の馬 (パブロ・デル・セーロ/アタウアルパ・ユパンキ)

・ ラ・サンティアゲーニャ (シロ・エル・アリエーロ)

・ ギターよ教えておくれ (アタウアルパ・ユパンキ)

・ 風が歌う地 ‐ユパンキに捧ぐ‐ (シロ・エル・アリエーロ)


II

<エイトル・ヴィラ=ロボスへのオマージュ>

・ 前奏曲第4番 (エイトル・ヴィラ=ロボス)

・ 前奏曲第1番 (エイトル・ヴィラ=ロボス)

・ 亜麻色の髪の乙女 (クロード・ドビュッシー/フランシスコ・タレガ編)


III

<'ヌエストラ・ギターラ・エスパニョーラ'へのオマージュ>

・ 前奏曲 BWV996 (J.S.バッハ/フランシスコ・タレガ編)

・ 兄弟たち (アタウアルパ・ユパンキ)

・ 組曲"ナンブ"より  (シロ・エル・アリエーロ)

   南部幻想曲
   サウダージ


・ 粉屋の踊り  (マヌエル・デ・ファリャ)

・ 入江のざわめき  (イサーク・アルベニス/フランシスコ・タレガ編)


  

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写真は、1939年7月25日、中米エル・サルバドルの首都サン・サルバドルで行われたバリオスのコンサート・ポスターとプログラム(クリックすると大きいサイズでごらんいただけます)。
第一部で自身のオリジナル作品とスペインもので幕をあけ、第二部でヘンデル、バッハ、ベートーヴェン、ショパンといったヨーロッパの大作曲家の作品をとりあげ、そしてラスト第三部、ふたたびスペインものとオリジナルワークで幕を閉じるという内容です。


まさにこれこそ'エキサイティングなヨーロッパと南米のクロスオーヴァー'といった感じですね。
この内容を参考にししつつ、クラシックをベースにもつ南米フォルクロ-レギターの奏者である私が、自分の持ち味を最大限に発揮できるよう作ってみたのが今回のプログラムです。


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歌4曲、ギターソロ7曲による11曲構成は、いずれも私が得意とするナンバーばかりですが、特筆したいのは、第三部の冒頭、ヴィラ=ロボス言うところの「世界をつなぐ音楽」であるバッハの作品と、あらゆるユパンキ作品のなかでも、もっともユニヴァーサルなメッセージをもつ名曲'兄弟たち'のメドレー演奏で、私にとって今回が初の試みとなります。

バッハのプレリュードは、おなじみスペインのフランシスコ・タレガの名編曲。
今年2009年が、その没後100年を記念するこのギター・ジャイアントに敬意を表して行う3曲の名クラシック・レパートリー演奏も、このライヴ・パフォーマンスのハイライトのひとつとなるでしょう。

また、クライマックスで演奏する、タレガ・アレンジによるスーパー・フラッシーな'入江のざわめき'の作曲者、スペインのイサーク・アルベニスも、奇しくも今年がその没後100年を記念する年となります。


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それにつけても、バリオスのコンサート・プログラム。
本当に素晴らしいと思います。
おそらく当時の人々は、彼の描こうとする芸術世界をほとんど理解しえなかったでしょう。
バリオスは文字通り、南米の地に生まれた悲運の天才ギタリストでした。
三ヶ国語を話し、音楽以外にも文学や哲学の教養をそなえたこのグラン・クリオージョは、悲しいかなあまりにも時代の先を進みすぎていたのです。


自分はこんな選曲で演奏することなど到底できませんけれど、もしタイムマシーンがあったら、ぜひ70年前のサルバドルへ行ってバリオスのリサイタルを聴きたいなあ...。
そして帰ってくるついでに、1973年、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのレッド・ツェッペリンのライヴに立ち寄って...♥♥♥



2009年05月29日 | Shiro On Tour(ツアー & ライブ)