レム最後の神話的長編「大失敗」日本語訳出版に

SF傑作「ソラリス」の著者として、そしてまた「クラクフの賢人」との異名で知られたポーランドの大作家、スタニスワフ・レムの壮大なスケールの長編小説“大失敗-Fiasko”が、日本でとても親しくさせていただいている久山宏一先生の翻訳により、東京の国書刊行会から出版になりました。。
この「大失敗」、ヨーロッパではすでに、英、仏、伊、独、西、露をはじめとする13カ国語によって翻訳出版されていますが、今回、ヨーロッパ以外の言語で翻訳されるのはこれがはじめてであり、この久山先生の功績は、我々日本人にとっても誇らしい快挙といえるでしょう。
実ははずかしながら私も、この本の翻訳段階でほんのちょっとだけお手伝いさせていただきました。
ぜひ多くの皆様に読んでいただきたいと思います。

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大失敗

久山先生がニューヨークに送ってくださった、シンプルでシャープなデザインの「大失敗」。
これから読むのが楽しみです。

本文最後のページ

私がお手伝いしたのは、第二章に登場するいくつかのスペイン語名称の読み方ですが、それはほんとうに数少ないもので、決して特筆に値するようなことではありません。
しかし久山先生は本文最後のページで、私に対する感謝の意を表してくださったのです。
先生のお人柄がおわかりいただけることでしょう。
素晴らしい本の出版に際して、ほんのすこしでもお役にたてたことをとても嬉しく思っています。

“Radioshow” ON AIR !

1月27日、米国東部時間の午後2時30分、ブエノスアイレスのラジオ局Radio del Plata/の人気番組”Radioshow”のスタッフから、ニューヨークでリハーサル中の私に予定通り電話がかかりました。

まず段取りの説明を受け、しばらくの間、受話器から流れる小気味よいポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)・アクセントによる彼らの放送を楽しんだ後スタンバイのキュー。私の”Zamba del Grillo-こおろぎのサンバ”(目下のところ、私のベスト・ユパンキ・インタープレテーションだと自負)がかけられたあと、司会のレオナルド・グレコとの10分間におよぶ電話インタビューがブエノスアイレスにライヴで流れました。

私とユパンキとの出会い、そしてアルゼンチンとの縁、さらにこれからの活動などのストーリーが、遥かなる距離で南北に隔てられたふたつの魅力あふれる都市をひとつにつなげ、とても充実した、価値のあるいいインタビューになったと思っています。音声も、ブエノスアイレスと話しているとは思えないほどクリアーで、きちんとオーガナイズされた良質の番組でした。
ラスト、私が演奏した「月の踊り」が流される前に、「私たちの音楽を、日本生まれで現在米国にいるあなたが演奏してくれていることをとても感謝しています。」と言われ感激。
私も、「私の人生はアルゼンチンぬきでは考えられません。アルゼンチンのみなさんに感謝します。」と言ってインタビューを終えました。
きっとブエノスアイレスやモンテビデオで聞いてくださった日本人の方々もいらっしゃることでしょう。
いつかまた、声だけではなく皆様とお目にかかれますことを楽しみにしています。

“Radioshow”のプロデューサー、マルティン・フェルナンデスさん、そしてこちらのリハーサルの最中に時間をさいてくださったニューヨーク・サイドの皆さんに感謝をし、文末ながら、Radio del Plataの今後のさらなる発展を祈ります。

(私はこのインタビューでとても大切な二人の人物の名をあげました。私が日本でもっとも尊敬するギタリストの鈴木巌先生と、わたしの人生を語る上で絶対に忘れることの出来ないアルゼンチンのフォルクロリスタ、故エドワルド・マルティネス・グワジャーネスです。今日私は、ブエノスアイレスの皆さんにそのおふたりの名前を知っていただいけたことをとても喜んでいます。)

アスリートなニューヨークの一日

クラブ・スイートにて

たまには仕事以外の話題です。
摂氏マイナス11度の朝を迎えた今日のニューヨーク。昼はこのところすっかりサボり気味であったフェンシングでまる3時間たっぷり汗を流し、そして夜は、ここ何年かの私のニューヨーク公演にすべて皆勤賞の大サポーター、Kiyoyaさんのご招待で、NBAバスケットボールのニューヨーク・ニックスの本拠地マディソン・スクエア・ガーデンの特別室「クラブ・スイート」にて、ニックスvs.スーパースター、ドゥエイン・ウエイド、シャキール・オニール擁するマイアミ・ヒートのゲームを観戦しました。
スイートではビュッフェ・スタイルで食べ放題飲み放題。さらにラウンジには、引退した元ニックスのスーパースター、ジョン・スタークスがホストをつとめて気軽にサインや写真撮影に応じるというサーヴィスぶり。
酷寒のニューヨークで、心身ともにストレッチできた貴重な一日でした。

(マディソン・スクエア・ガーデンのクラブ・スイートにて)

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El Gran Maestro Sure&#241o Bravisimo !

ヴィラ-ロボス

2007年から私のコンサートプログラムにおいて、他の南米フォルクローレ音楽とともにプログラムを飾ることになるのが、ブラジルが生んだ大作曲家、エイトル・ヴィラ=ロボスのギター作品です。

ヴィラ-ロボスは、故郷の美しい海や大地の調べに対し最大の愛を捧げつつ、それらを敢然と芸術的レヴェルへと昇華させ、さらに彼自身生涯傾倒してやまなかったJ.S.バッハの音楽との融合を大胆に試みた末に至高のオリジナル・アートを完成させた、まさに20世紀の芸術音楽の世界に文字通り南米の熱い新風を吹き込んだ偉大なる作曲家です。
その膨大な作品のなかにいたっては手がけたギター曲は決して多いとはいえませんが、それまでソルやタレガといったスペインのギター・ジャイアンツが築き上げてきたヨーロッパの格調高い調べに、さらに新時代を思わせる革新的な奏法と魅惑的なサウンド・コーディネーションを与え、その結果、現代ギター音楽の最高のレパートリーの数々を作り上げた功績は、たとえもし彼がギター音楽だけの作曲家だったとしても、それは最大の賛辞に値する大芸術家です。

(エイトル・ヴィラ-ロボス 1887-1959)

uirapuru

アンダルシアのレモンと、イタリアの濃厚なハチミツに、アタウアルパ・ユパンキの魂が溶け合う、静寂のグロリエータ(四阿)「カンテホンド・イベロアメリカーノ」の音楽世界

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