ポーランド公演ツアー 第二楽章
ポーランドにおけるコンサートのパート1は、世界文化遺産の宝庫ともいえる同国にあっても、おそらく最大の人気スポットといえる、ヴィエリチカ岩塩採掘場(岩塩抗)におけるライヴでした。
写真は、コンサート会場となった、地下130メートルに位置する、自然の迫力が生み出す豪華な雰囲気につつまれたシアター。観客の皆様はここで、おいしいポーランド料理つきの素晴らしいライヴ・パフォーマンスを楽しむことができるのです。
これまで実に世界のいろいろな場所でコンサートを行ってきた私ですが、天然の岩塩に四方八方を囲まれたこの場所は、いままで演奏したどの会場をもってしてもまったく及ばない、最高にすぐれた生の音響をを楽しめる、驚異的なまでに力強い大自然が作りあげた、それは美しいコンサートホールでした。
人間の体をやさしく癒す岩塩の壁。
坑内にはその時空を超越した不思議な力を利用したサナトリウムがあるほか、目をみはるような美しい礼拝堂もあり、日曜日にはいまでもミサが行われています。
ポーランドの大自然のエネルギーにつつまれるなか、岩手の美しい自然をギターで綴った'南部幻想曲'が岩壁に響きました。
最高の音響のせいでしょう。CD購入ご希望のお客様が殺到したため、コンサート主催者による苦肉の策。結局その場でご予約をいただき、あとでかなりの枚数を郵送するという事態も...。
そして舞台はクラクフへ。
翌27日の夜7時から、今回のツアーの最後の公式日程となるリサイタルを、同市の新しいランドマーク、日本美術技術'Manggah'センターにて行いました。
ヨーロッパを代表する古都のひとつでありながら、集まった満場の観客が客席から発するものは、まるでアメリカで公演するときと同じような、前を向いた、力強いパワーに満ちたソニックウエーヴの渦。
写真はアンコールに応え、今回初の試みとして、CD'コンドルは飛んでゆく'におさめたギターソロによるヴァージョンに、かけがえのない友人、故エドワルド・マルティネス・グワジャーネス直伝による歌詞のついた正調ヴァージョンを足した、10分を超えるスペシャル版'コンドルは飛んでゆく'演奏中の私。
このあと演奏を終えてステージを去る私の耳には、鳴り止まない拍手がずっと響き続けていました。
(左)公演会場となった、曲線によるラインが印象的な日本美術技術センター。
(右)センターの主要スタッフはすべてポーランド女性。私のむかって左にいる方が、所長のボグナさんです。
彼女たちが心を込めて作ってくれた美しい公演ポスターとプログラム。
ポスターは実に大きなサイズでしたけれど、私はこれを折らずにニューヨークまで持ち帰りました。
"インカよ、お前は太陽の子!"
'古い皮袋に新しい酒'という言葉がピッタリの現在のクラクフ。本当に素晴らしい旅行でした。
前回のワルシャワ公演の際、クリスティーナさんが、"今度はぜひクラクフのセンターで、ヴァヴェル城をバックにコンサートをしてもらいいたいものです"と、おっしゃってから実に7年がかりで実現したこのイヴェント。
この場をかりまして、ポーランドの関係者の皆様、日本の関係者の皆様、そしてアンジェイ・ワイダさんご夫妻に心より感謝を申し上げます。
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