Homage to Atahualpa Yupanqui in Cerro Colorado セロ・コロラドにおけるユパンキへのオマージュ

***

¡Viva Cerro Colorado!

2014年1月から2月にかけて、自分はアルゼンチン、コルドバ州政府の招聘によって同国をツアーし、1月31日の夜、ユパンキが最も愛した土地と言われる、コルドバ州北部のセロ・コロラドにある巨匠の別荘(現博物館)において開催された、ユパンキ生誕106年を記念するコンサートに出演した。

これは、セロ・コロラドのご当地ソングともいえる速いテンポの「石のチャカレラ」の、客席から撮影されたライヴ演奏。
この複雑なリズムを刻みながら歌うのは至難の技だが、決してそれを聴衆に感じさせてはいけないところが、またこの音楽のむずかしいところだ。

自分は1989年1月、この場所でユパンキから直接ギター演奏の手ほどきを受けた。
かけがえのない聖地に自分を戻してくれたコルドバ州政府の皆さん、特に文化部理事のアンヘル・ディアスさん(写真下)に心から感謝している。

やはりセロ・コロラドにおける、とてもリラックスしたライヴのワンシーン。これはホテルのレストランでのパフォーマンスで、このときはほぼ飛び入り出演のような雰囲気だったため、自分もラフなスタイルでの演奏。
ユパンキの名曲ギターソロ(直伝の)「恋する鳩の踊り」を披露している。

ただ、飛び入りプレイは大抵ろくな演奏にならない。自分にとってライヴ演奏というのは、どんな場合でも、事前にきちんとリハーサルをして行うもので、食事の片手間でするようなものではない。

これらの演奏については完全に満足しているわけではないが、本場アルゼンチンの雰囲気を伝えるものとしては面白いと思うので、当ホームページのみでの限定公開としてご紹介させていただいた。
二曲とも一般には公開していない。

このレストランの外に出ると、二階は展望台になっていて、まさに降ってくるような天の川と南十字星が見守ってくれていた。
アルゼンチンの夜は長い。彼らは本当の意味で夜を楽しむ贅沢な国民だ。
ナイトライフの充実していない日本は、それに引き換えまだまだ文化的に低い。自分はアルゼンチンに行くと、いつもいやと言うほどそのことを思い知らされる。

2020 Spain tour refusal スペインツアー辞退

***

Ya estaban confirmado las fechas de conciertos y una vez he aceptado la invitación, sin embargo hace dos días he declinado a viajarme a España en mayo, 2020, después de considerarme que todavía están prematuros los eventos de ahí en la tierra hermosa para representar mi ‘Lorca, Yupanqui, etc.etc….’

Antes que ser un músico soy un hombre que persiste en la creencia en cualquier caso. Poe eso me encanta la vida de Leopoldo Lugones, y con un alto honor he compuesto una ‘suite’ homenajeada al gran poeta cordobés. Aunque no va a cambiar mi amor a España, tal vez ha de tomar más tiempo para realizar un evento de igual nivel como lo que hemos hecho en Villa de Maria del Rio Seco, mi segundo pueblo natal en 2014.
Lorca, Lugones… Ambos vivieron y murieron con su fe. Yo también me gustaría vivir y morir así.
Tomando esta oportunidad les Agradezco profundamente a las organizaciones españolas que conciernen este asunto por su generosa invitación.

***

The concert dates were already confirmed and I once had accepted the invitation, despite of that very recently I declined to go to Spain in May,2020, after considering carefully that these events are still premature for me to represent my ‘Lorca, Yupanqui etc.etc….’

Before being a musician, I’m a man who persists in faith in any case. That’s why I love the life of Leopoldo Lugones, and I composed a special ‘Suite’ to commemorates the 140 years anniversary for the birth of the great argentine poet with a great honor. Although my love for Spain will not change, perhaps it may take more time to me to be able to participate the event which must be the same level as what I did in Cordoba, Argentina in 2014. I truly don’t need to be hurry.
Lorca and Lugones… Both lived and died with their strong faith. I wish I could live and die like them.
taking this opportunity I am truly grateful with the generous invitation of the Spanish organizations which concern this matter.

***

コンサートの日時も決定し、公式な招待状も受けていたスペインへの演奏旅行だったが、残念ながら二日前、まだこの美しい国へ行って自分の’ロルカやユパンキ’を披露するには時期尚早と判断し、今回の辞退の旨を告げた。

写真の記事は2014年、アルゼンチン、コルドバ州政府からの依頼を受けて作曲した、国民詩人レオポルド・ルゴーネス生誕140年を記念する公式組曲「神々の炎」初演のために同国に渡った際の現地報道のオンライン版だが、このイベントは、コルドバという、自分にとってまさに第二の故郷というべき土地の人々との”真の連携”で行った、自分にとって全てが一つに結ばれた完全なものだった。
スペイン側の発想に何が深みを感じられないか具体的に言うことはできないが、こういったことをかの地で行うには、まだ少し時間がかかるだろう。別に慌てることはない。内容に納得がいかないもののために、多少の宣伝を目的に意志を曲げるということは、あとで必ず後悔を生むことになる。

アルゼンチンのルゴーネスも、スペインのロルカも、信念とともに生き、そして信念を貫いて死んでいった。自分は特に優れた才能もなく弱い人間だから、そこまで信念を貫けるかどうかわからない。が、願わくば自分も、二人の大詩人のように今後も生きて行きたいと願っている。

自分の参加なしで、今後このイベントが行われるのかどうかはわからないが、この場を借りて諸処につき、アンダルシアの政府機関、そしてマドリードの民間芸術機関の皆様に心から感謝とお詫びを申し上げる。

Homenaje a Anibal Troilo アニバル・トロイロへのオマージュ

***

Aunque no soy fanático de tango, como un “sound creator” lo que me dio más influencia era Aníbal Troilo, el gran bandoneonista argentino. El 21 de noviembre en Tokio voy a representar una obra suya que me encanta más como la parte de “mi homenaje a argentina.”

Although I’m not tango crazy, as a “sound creator” I’m so influenced by Anibal Troilo, the greatest argentine bandoneon player. On 21st of November in Tokyo, during my recital in Tokyo, I will perform my best favorite ‘Troilo’ piece as a part of my homage to Argentina.

自分は決してタンゴファンではないが、“音をクリエイトする“アーティストのひとりとして、ブラジルのヴィラ=ロボスに加え、実はアルゼンチンタンゴの大バンドネオン奏者、アニバル・トロイロに大きな影響を受けている。

今秋11月、短期予定で日本に行くが、21日に行う東京公演では、これれまであまりステージで演奏することのなかったトロイロの名曲「最後の酔い(下記動画・一般非公開)」を、常に自分を見守り、そして導いてくれるアルゼンチンへのオマージュとして披露予定。

この指の動き(得に左手)というのは、紛れもなく少年時代、きちんとしたフィンガリングの指導をしてくださったギターの恩師、鈴木巌先生からの贈りものに他ならない。
なるべく音の響かない部屋で、きわめて音質の悪い携帯電話の録画機能で自分のプレイを何度も何度も繰り返し録って聴くことは、自分にとってとてもよい修練メソッドだ。

***

下記の写真は、トロイロとユパンキが若き日に共演している写真。

自分はこの稀有なバンドネオン奏者とギター奏者がコラボレーションを行っていたことを全く知らなかったが、「最後の酔い」の動画をフェイスブックに公開したところ、いつもフォローしてくれているアルゼンチンのファンから、すぐにこの素晴らしい写真の投稿を受けた。

魂のこめられた良い音楽というのは、カテゴリーは違えども、必ずどこかでつながっているものだ。

Atahualpa Yupanqui on Soundhound!

***

Una pagina web norteamericana que informa de “El Alazán” de Atahualpa Yupanqui. Es un honor para me que ver mi función en vivo entre las del gran autor él mismo.

An American web page to show the details of Atahualpa Yupanqui’s “The Sorrel Horse.” It’s a great honor to me to see my live performance with all those by the greatest author himself.

ユパンキの傑作曲「栗毛の馬」を紹介するアメリカのサイト。
こうしてアメリカでも巨匠を紹介するインターネットのページが増えてきたことはとても嬉しいことだ。
ユパンキ自身の素晴らしい演唱とともに、自分のライヴビデオがリンクされており、とても名誉なことだと思っている。

Soledad Montoya ソレダー・モントーヤの黒い哀しみ

***

“Soledad y el mar,” la parte cuarta de “Soledad Montoya,” mi obra nueva inspirada por la “Romance de la pena negra” de Federico Garcia Lorca.

“Soledad and the sea,” the 4th movement of “Soledad Montoya,” my newest composition inspired by Federico Garcia Lorca’s “Ballad of the black pain.”

***

これは、「ソレダー・モントーヤの黒い哀しみ」とタイトルした(ギター独奏でも、もしくは詩の朗読やダンスを伴ってもプレイ可能な)5曲構成によるオリジナル組曲の第4楽章、唯一スローテンポに終始する「ソレダーと海」の、一般には公開していない自宅練習動画。

ガルシア・ロルカの傑作詩集、「ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」におさめられた、著者自身のイラストによる、魅惑的な若いジプシーの女性が主人公の「黒い哀しみのロマンセ」という詩にインスピレーションを受けたものだ。

***

黒い哀しみのロマンセ

”ニワトリたちが大地をつつきはじめる オーロラの夜明け
ソレダー・モントーヤが 暗い山をおりてくる

銅色のからだ 馬の匂い 豊かな胸
そして嘆きの歌

ソレダー あんた なんだってこんな夜明けにたった一人で歩いているの
あんたには関係ないでしょ あたしはただ あたしが探すものを探しているんだから

木の葉がさざめく オリーブの大地が広がる

ああ ソレダー!あんたの哀しみはなんて深いんだろう
そしてまるで台所からベッドまでとどいてしまうような 地をはう長い黒髪 

あんたのからだと服には 黒い哀しみがしみこんでいる
糸で編んだブラウス そしてアマポーラのような脚にも

やがてソレダーは海にたどり着く
そして波が 彼女を呑みこんでしまう

ソレダー・モントーヤ アロンドラの水であんたのからだを洗ってしまうんだよ
そして あんたの心が安らかであるように
ソレダー・モントーヤ!

空を舞う木の葉 川が歌う
カラバーサの花とともに 新たな光が燃え上がる

ああ ジプシーの哀しみは とってもきれいでいつもひとりぼっち
川底で泣いている 遠い夜明けのように

***

これは、フラメンコをはじめとするスペインの文化にたいへんファナティックなロシアのサイト。

つい先日、このページで、キューバを訪れたアントニオ・ガデス舞踊団のショート・ドキュメンタリーを見つけて楽しんでいたところ、よく見ると一緒に、自分が香川京子さんと一緒に行った「ガルシア・ロルカへのオマージュ」が紹介されており、とても驚いた。

最近、アルゼンチンやスペイン関係の音楽サイトを見ると、よくこういうことがある。

***

自分は現在、ユパンキやアルゼンチンのフォルクローレの演奏については、まあまあの評価を受けているが、ロルカに関してはまだまだこれからだ。
決してフラメンコ色を強く出さずに、きわめて独自の「イベロアメリカーナ」のスタイルでロルカの音楽世界を構築するのは容易ではないが、とてもやりがいがある。

ロシアは、言うまでもなく数多くの優れた文豪、そして大作曲家を生んだ国。

自分も2002年に同国を旅したことがあるが、人々はいまも美しい詩や文学、音楽を心から愛好する。
しっとりとしたギターの弾き語りを聴かせるいい感じのライヴハウスがモスクワにはたくさんあって、つめかけた人々が静かに音楽に耳を傾けている風景はとても感動的だった。

こういったかたちで紹介を受けることは、とても嬉しいことだ。

***

ロルカの詩を読めば読むほど、ユパンキの’月’や’風’、そして’川’、’木々や花’といった自然界の事物に対してや、伝統音楽のリズムを擬人化して語りかけるような作風が、その原点をスペインの大文豪に持つことがよくわかる。

ユパンキが多感であった青年時代、彼より10歳年上だったロルカは、すでにアルゼンチンやウルグアイを訪れ多くの講演を行っていた。ユパンキはおそらく、この優れた詩人の文学をむざぼるように読んでいたのだろう。

死後27年が経ち、まったくその文学性がスペイン語圏以外に伝えられることなく、日本やヨーロッパの一部の愛好家を除いては、すでにほぼ世界的知名度ゼロに近いユパンキに対し、死後80年以上が経過してもなお、その文学が世界中の言葉に翻訳、そして出版が繰り返され、いまも多くのアーティストをインスパイアーし続けているガルシア・ロルカ。

ある点では、ロルカなど比較にならないほど優れているユパンキの文学性を決して消滅させることなく、いまよりもっと世界の人々に知ってもらうために、自分はいま、その”師匠的存在”といえるロルカの力を少々を拝借しているのだということを、現在、この素晴らしいアンダルシアの詩人に力を入れる理由のひとつとしてわかっていただけると嬉しい。

Le Gitan New Yorkais avec la Solitude et la Passion

Top