魂のバッハ、炎のソへイラー

ホームページは現在リニューアル中ですが、最新ライヴビデオ映像とともに、皆様に残暑のお見舞いを申し上げます。

去る4月に行った東京公演のオープナー。バッハの名曲、無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番’アダージョ’に続く、私の最新オリジナルギターソロのひとつ、’ソへイラー’をお楽しみください。
’ソへイラー’は、アラブ女性のもっとも美しい名前のひとつで’星’を意味します。

大幅な変則チューニングによるこの曲は、1曲めの静謐なバッハとのコントラストを目的として作曲したもので、フラメンコからヘヴィーメタル(!)にいたるまで、さまざまなテクニックを用いたライヴ向けナンバーです。


7月9日にアメリカで発売になった、このライヴ音源2曲がそのまま収録された6年ぶりのニューアルバム「イベロアメリカーナ」は、現在アメリカ、カナダ以外にイギリス、フランス、ドイツ、そしてデンマークなどの国々で流通していますが、出足好調で、先週米アマゾンで一時的に在庫切れになりました(今週からまた発売を開始)。
このアルバム、販売元のサイトでオンラインのダウンロード購入も可能です。が、そんななか、CD本体を買ってくださった方々がたくさんいるというのは、ひとりの昔気質(?)のミュージシャンとして本当に嬉しいことです。

「イベロアメリカーナ」は、現在日本でも発売中です。

大竹史朗 (シロ・エル・アリエーロ) ライブイベロアメリカーナ
- 竹村淳のラテン音楽パラダイス ONLINE SHO

2014年09月04日 | Audio |

アタウアルパ・ユパンキ没後20年


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今日、ニューヨーク時間5月23日、南米フォルクローレの最高峰アタウアルパ・ユパンキ(1908-1992)の天逝からちょうど20年を迎えました。


昨秋の東京公演、’バッハの家庭音楽会’から、私のペンになるユパンキへのオマージュ作品、’ゲッセマネ’を、劇団ひまわりのヤングアクトレスによるピュアーで力強いコーラス、そして日本を代表する名女優、香川京子さんの朗読との共演でお楽しみください。

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これは、チェンバロを模倣したバロック風サウンドに、南米風の和声を加えてギターの六弦上に融合を試みたナンバーで、もともと私が、18歳のときにはじめて作曲したギター独奏曲でしたが、実にそれから20年以上たってからスペイン語の詞をのせることを思いつき、ユパンキに捧ぐコーラス曲としたものです。


今考えると、こうした’アルゼンチン風バッハ’創作は、私が18歳だったときにもうすでにはじまっていたのかもしれません。

エンディングの部分における、二声の対位法による音の動きなどは、われながら当時の並々ならぬバッハへの傾倒ぶりをよく示すものと、この動画を見た後あらためてなつかしさでいっぱいになりました。


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ゲッセマネ~私はあなたとともにゆく  詞、曲/シロ・エル・アリエーロ


私はあなたとともにゆく
この道を どこまでもまっすぐに

花であふれる土地をめざしてゆく
そこでは誰も私に問わない

’あなたはどこから来たのか そしてどこへゆくのか’と

私がほしいのは ただひとつの場所
夜に祈りをささげるための場所

私はあなたとともにゆく
この道をどこまでもまっすぐに


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この場を借りてあらためて、劇団ひまわりのみなさん、香川京子さん、そしてこの美しい映像を残してくださった日本のドキュメンタリー映像作家の第一人者、羽田澄子さんに心から御礼申し上げます。

2012年05月24日 | Audio |

ユパンキへのオマージュ

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栗毛の馬 / アタウアルパ・ユパンキ詞、パブロ・デル・セーロ曲


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プレリュード(リュート組曲第1番BWV.996) / ヨハン・セバスティアン・バッハ

~アタウアルパ・ユパンキによる詩”ティエンポ・デル・オンブレ”の朗読とともに~

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2011年11月20日 東京公演’「カンタータ」バッハの家庭音楽会’より


2012年05月15日 | Audio |

ハッピーひなまつり!

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私にとって、なによりも素晴らしい少年時代の思い出である青山学院初等部において、6年間にわたりずっと同じクラスメートだった仲良しの女性が、ひなまつりを前に、美しい和紙で作られたたくさんの’竹とんぼ’と、チャーミングな3D’ひなまつり’カードをニューヨークまで送ってくれました。

彼女は、小学生のときに、すでにカザルスの無伴奏チェロ組曲を聴きながら、宮沢賢治の傑作文学’セロ弾きのゴーシュ’を”こんな感じかな”などなど思いながら読んでいたという(スゴイヤツ!)人で、私もつい最近その話をきいてすっかり驚かされていたところでした。


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2012年03月03日 | Knight's NY diaries /Audio |

ハッピー”ブーレ”

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昨年出版された新刊書、’ラテン音楽名曲名演ベスト111’に、そうそうたる歴史的名音源の数々に混じって私の演奏がエントリーされました。

またその中で、ユパンキが、私が当時、唯一おぼえていたクラシックギターのナンバーであったバッハの’ブーレ’の演奏をたいへん喜んでくれ、そのあと彼のギター奏法のマジックを伝授してくれたストーリーが丁寧に書かれていることは本当に嬉しいことです。

しかし、なぜギター奏者をめざしてニューヨークに渡ったわけでもない私が、この’ブーレ’をおぼえていたのかは、これまであまり多くの人に話していません。

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実は私は渡米前、東京でヘヴィーメタルのバンドのギタリストとしてアルバイトしていた時期がありました。
そのときドラムを叩いていたリーダーがバッハ・クレイジーで、私にこの’ブーレ’を、ライヴの途中でギターの技を見せる一環としてプレイすることを要求したため、私はよくこのナンバーを練習していたのです。


人生とは、どこでなにがどう役に立つかまったくわかりません...。


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’ブーレ’は、バッハの傑作ナンバー’リュート組曲第1番ホ短調のラストを飾る名曲。
もともとは、フランスの農村に起源をもつ軽快な舞曲です。


私の演奏は、ブリッジの部分に手首を押し当て、6弦をミュートしたエレクトリックギター奏法。
これは、ヘヴィーメタルバンドのステージに立っていたときとまったく同じプレイです。

1989年1月、アルゼンチン、コルドバ州のセロコロラド。

私はいまでも、このナンバーを弾き終わったときのユパンキの嬉しそうな顔を忘れることができません。


新年のごあいさつは、いつも素敵な絵を描いて送ってくれるグアテマラの少女、レベッカちゃんの作品のうえに、私が(消せるように)鉛筆で書き足したものです。


2012年01月08日 | Audio |

ライヴ&インタヴュー in ラテンアメリカ

ギター弾き語りによる動画アルバム


本場ラテンアメリカにおける私のライヴ映像を、以下ひとまとめにしました。

¡Disfrutes!


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2011年04月22日 | Audio |

ノーネスチャンネルとのインタビュー ON AIR

限りなきバッハへの想い そして南米音楽への情熱


二週間の日本滞在を終えてニューヨークに戻る前日、12月1日に東京で収録を行った、ノーネスチャンネルによるインタビューのオンライン配信がスタートしました。

「ひとつのダイヤモンド」と題された、全二部構成によるこのインタビュー。

ユパンキ音楽との出会い、アメリカへの旅立ち、さらに敬愛してやまないバッハに対する想い、そして現在の私の音楽に対するアプローチと考え方が、ひとつのテレビ番組としてたいへんていねいに作られています。

まずこの場をかりて、ノーネスチャンネルの平山秀善代表兼チーフ・エクゼクティヴ・オフィサー、そしてノーネスユニバーシティーの学園長、鮎川雅子さんに心から感謝申し上げます。


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2009年12月23日 | Shiro On Air /Audio |

シロ・プレイズ "フランシスコ・タレガ" II


バッハの"プレリュードBWV996"、そしてタレガの"ラグリマ(涙)"と続いたクラシック・スペシャル。
お楽しみいただけましたか?


今日はそのファイナル・ショウダウン。


私が、その様式美にあふれたドラマティックな曲想とスペクタクル性において、特に抜きんでていると思ういくつかのクラシックギター作品の中でも、アグスティン・バリオス・マンゴレの"ラ・カテドラル(大聖堂)"、そしてエイトル・ヴィラ=ロボスの"五つのプレリュード"とならんでもっとも好きなナンバー、フランシスコ・タレガの"アラビア風奇想曲"をお聴きいただきます。


(コンサートのプログラムとして演奏したことはいままで一度もありませんが、本番前のサウンドチェックにおいて、必ず一度か二度全編とおして弾くのがこのナンバー。 写真は、カーネギー・ワイル・リサイタルホールのステージで"アラビア風奇想曲"をリハーサル中の私です。)

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2009年03月23日 | Audio |

シロ・プレイズ "フランシスコ・タレガ"

FMインタビューのために行った、クラシックギター・レパートリー3曲の特別録音。
前回は、バッハの傑作、"プレリュードBWV996"をお楽しみいただきました。


今日は、今年2009年が、ちょうどその没後100年を記念する年にあたる、スペインに生まれた"近代ギター音楽の父"、フランシスコ・タレガのペンになるギター曲をお聴きいただきます。

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2009年03月22日 | Audio |

シロ・プレイズ "J.S.バッハ"


現在、ニューヨークとワシントンD.C.で予定されているふたつのFMステーションのインタビュー番組のために、クラシックギターのレパートリー3曲の特別録音を行いました。


今日はそのなかから、ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲による名作、「リュート組曲第一番ホ短調BWV996」の冒頭ナンバー"プレリュード"をお聴きいただきます。

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2009年03月21日 | Audio |

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