ギジェルマおばさんとともに...

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 XV


ギジェルマおばさんに捧げる歌

  

                       アタウアルパ・ユパンキ

鍋といっしょに歌っていた  誰にも聞こえない調べを
山は秘密を語ってくれる  そのふところで根っこを掘る者に

紫色に浮かぶお月さん  藍色の空を さすらいゆく
そして*マンディルのうえに浮かぶのは 
紅く縫いとられた ふたつの文字


ギジェルマおばさんが 俺にマンディル作ってくれた
4月の末の 馬乗り大会用に
俺たち里者が さっそうと男っぷりあげられるように
つやつや輝く とびきりのマンディル作ってくれた

作ってくれたのはギジェルマおばさん!
ギジェルマおばさんが作ってくれたんだ!


人の世には罠がある  どうして人の世はこうなのか
織物織りのばあさんたちは 死んではならないのに!
俺たち里者には もうマンディルたのめる人がいないのに!


ギジェルマおばさんが 俺にマンディル作ってくれた
4月の末の 馬乗り大会用に
俺たち里者が さっそうと男っぷりあげられるように
つやつや輝く とびきりのマンディル作ってくれた

作ってくれたのはギジェルマおばさん!
ギジェルマおばさんが作ってくれたんだ!

(* 馬の鞍の下に敷く毛織の布)

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2009年05月24日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias