マヤの国からの贈り物


この世の中で、おそらく私の音楽をいちばん愛してくれていると思われるのが、中米グアテマラの世界遺産指定の美しい古都アンティグアに暮らす14歳の少女です。

♪♪♪

久々のニューヨーク単独ソロ公演を控えて準備中の私の前に、彼女から届けられた素敵な贈り物。
それは彼女自身による、かつて’サラバンド’や’シャコンヌ’といったリズムを生み出した、あたかもマヤの先住民の魂を宿したかのような大バッハの肖像画をスケッチしたものでした。


グアテマラの美しい切手の貼られた封筒のなかからこの絵を取り出したとき、私は1989年1月、アルゼンチン、セロコロラドのユパンキの別荘を訪れた際のことを思い出し、しばし言葉を失いました。

まるで生命をもって呼吸しているかのような、射るような深い眼差し。
それは22年前、ユパンキが私をじっと見つめた目そのものだったのです。

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2011年05月25日 | Mis tesoros preciosos