永遠のバッハ 無伴奏チェロ組曲第3番

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数あるバッハの器楽曲のなかでも、もっとも親しみやすく、そして明るい喜びに満ちた美しいメロディーをもつナンバーのひとつが、ケーテン時代に書かれた、無伴奏チェロ組曲第3番です。


今日は、この全6曲からなる傑作組曲から、私が独自のアイディアをもって南米風のフィーリングを引き出そうとした二曲の動画をお楽しみください。


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一曲目は、昨秋の東京公演、’バッハの家庭音楽会’から、名女優、香川京子さんの素晴らしい朗読をフィーチャーした、組曲冒頭曲のプレリュード。

香川さんに読んでいただいたのは、2008年、ユパンキ生誕100年を記念してアルゼンチンで出版された彼のエッセイ集、’この長き道-メモリアス’のなかのワンチャプター、私が日本語翻訳を行った’J.S.バッハ’からの抜粋です。

最初と最後がユパンキの言葉で、中間部に読まれるのが、バッハが妻のアンナ・マグダレーナに語った言葉。

香川さんは、淡々と、深い響きに満ちたお声で、この優れた南米文学を見事に表現してくださいました。

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こちらは、私がNYの自室にて、香川さんとのコラボレーションとはまったく違うアプローチと楽器で弾いた、組曲中第5曲目の’第1ブーレ(長調)と第2ブーレ(短調)’。
チェロのもつダイナミックなボウイング感を、南米フォルクローレギターのフィーリングで表現したアレンジです。

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使用ギターは、日本一のギターの名工、故中出阪蔵(なかでさかぞう)さんが、1978年、まだ少年だった私のために特別に製作してくださった素晴らしい楽器。


マシンヘッド(弦を巻く金属のギア)を交換した以外は、すべて34年前に製作されたオリジナルの状態のまま現在に至りますが、このようなデジタルカメラの録画機能による、決して良好とはいえないクオリティーの音質でも、いかに中出さんのギターが、飛び抜けて艶のあるソリッドなサウンドと、豊かでパワフルな音量をもつ楽器であるか十分おわかりいただけると思います。


HOPE U NJOY!!!!



2012年07月31日 | Audio(楽曲の試聴)