"Radioshow" ON AIR !

1月27日、米国東部時間の午後2時30分、ブエノスアイレスのラジオ局Radio del Plata/の人気番組"Radioshow"のスタッフから、ニューヨークでリハーサル中の私に予定通り電話がかかりました。

まず段取りの説明を受け、しばらくの間、受話器から流れる小気味よいポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)・アクセントによる彼らの放送を楽しんだ後スタンバイのキュー。私の"Zamba del Grillo-こおろぎのサンバ"(目下のところ、私のベスト・ユパンキ・インタープレテーションだと自負)がかけられたあと、司会のレオナルド・グレコとの10分間におよぶ電話インタビューがブエノスアイレスにライヴで流れました。
私とユパンキとの出会い、そしてアルゼンチンとの縁、さらにこれからの活動などのストーリーが、遥かなる距離で南北に隔てられたふたつの魅力あふれる都市をひとつにつなげ、とても充実した、価値のあるいいインタビューになったと思っています。音声も、ブエノスアイレスと話しているとは思えないほどクリアーで、きちんとオーガナイズされた良質の番組でした。

ラスト、私が演奏した「月の踊り」が流される前に、「私たちの音楽を、日本生まれで現在米国にいるあなたが演奏してくれていることをとても感謝しています。」と言われ感激。
私も、「私の人生はアルゼンチンぬきでは考えられません。アルゼンチンのみなさんに感謝します。」と言ってインタビューを終えました。
きっとブエノスアイレスやモンテビデオで聞いてくださった日本人の方々もいらっしゃることでしょう。
いつかまた、声だけではなく皆様とお目にかかれますことを楽しみにしています。
"Radioshow"のプロデューサー、マルティン・フェルナンデスさん、そしてこちらのリハーサルの最中に時間をさいてくださったニューヨーク・サイドの皆さんに感謝をし、文末ながら、Radio del Plataの今後のさらなる発展を祈ります。

(私はこのインタビューでとても大切な二人の人物の名をあげました。私が日本でもっとも尊敬するギタリストの鈴木巌先生と、わたしの人生を語る上で絶対に忘れることの出来ないアルゼンチンのフォルクロリスタ、故エドワルド・マルティネス・グワジャーネスです。今日私は、ブエノスアイレスの皆さんにそのおふたりの名前を知っていただいけたことをとても喜んでいます。)

2007年01月28日 | Shiro On Air

アスリートなニューヨークの一日

たまには仕事以外の話題です。
摂氏マイナス11度の朝を迎えた今日のニューヨーク。昼はこのところすっかりサボり気味であったフェンシングでまる3時間たっぷり汗を流し、そして夜は、ここ何年かの私のニューヨーク公演にすべて皆勤賞の大サポーター、Kiyoyaさんのご招待で、NBAバスケットボールのニューヨーク・ニックスの本拠地マディソン・スクエア・ガーデンの特別室「クラブ・スイート」にて、ニックスvs.スーパースター、ドゥエイン・ウエイド、シャキール・オニール擁するマイアミ・ヒートのゲームを観戦しました。
スイートではビュッフェ・スタイルで食べ放題飲み放題。さらにラウンジには、引退した元ニックスのスーパースター、ジョン・スタークスがホストをつとめて気軽にサインや写真撮影に応じるというサーヴィスぶり。
酷寒のニューヨークで、心身ともにストレッチできた貴重な一日でした。

(マディソン・スクエア・ガーデンのクラブ・スイートにて)

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2007年01月27日 | Knight's NY diaries

El Gran Maestro Sureño Bravisimo !

2007年から私のコンサートプログラムにおいて、他の南米フォルクローレ音楽とともにプログラムを飾ることになるのが、ブラジルが生んだ大作曲家、エイトル・ヴィラ-ロボスのギター作品です。
ヴィラ-ロボスは、故郷の美しい海や大地の調べに対し最大の愛を捧げつつ、それらを敢然と芸術的レヴェルへと昇華させ、さらに彼自身生涯傾倒してやまなかったJ・S・バッハの音楽との融合を大胆に試みた末に至高のオリジナル・アートを完成させた、まさに20世紀の芸術音楽の世界に文字通り南米の熱い新風を吹き込んだ偉大なる作曲家です。
その膨大な作品のなかにいたっては手がけたギター曲は決して多いとはいえませんが、それまでソルやタレガといったスペインのギター・ジャイアンツが築き上げてきたヨーロッパの格調高い調べに、さらに新時代を思わせる革新的な奏法と魅惑的なサウンド・コーディネーションを与え、その結果、現代ギター音楽の最高のレパートリーの数々を作り上げた功績は、たとえもし彼がギター音楽だけの作曲家だったとしても、それは最大の賛辞に値する大芸術家です。


(エイトル・ヴィラ-ロボス 1887-1959)

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2007年01月25日 | Hombres Grandes,Criollos Fantasticos

見前中学校からの嬉しい手紙

手紙昨年の12月に、盛岡市立見前(みるまえ)中学校で行ったコンサートはたいへん思い出に残るものでしたが、その後、同校生徒会長である佐藤保乃香さんが嬉しいお手紙をくださいました。

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2007年01月14日 | Mis tesoros preciosos

バッハへの限りなき想い

あまりコンサートでは演奏しないものの、私自身日々研鑽を重ねているのがJ.S.バッハの音楽です。
残念ながら、バッハはギターのためにオリジナル曲を一曲も書きませんでしたが、無伴奏ヴァイオリンやチェロ、そしてリュートをはじめとした多くの器楽曲に、19世紀以降優れたギターソロ用アレンジが施され、結果、曲によっては原曲を凌ぐ深い内容となっているものも少なくありません。
私にとってバッハの音楽とは、そのほとんどがまれにみる厳格なリズム形式で支配されているにもかかわらず、そこから解き放たれる個々の音色は、まさに変幻自在に姿を変え時空を超え、幻想の深い森を走り抜け、天空を駆けめぐったかと思えば次の瞬間には急降下して海底を彷徨うあたかも一頭のペガサスを駆った旅のようなもの。
彼の音楽を弾くとき私達は、楽器という素晴らしい交信手段をとおして過去との対話ををすることがかなえられ、さらにはそこから溢れ出る美の極致ともいえる無限のエネルギーを吸収し、ついにはこの人類の至宝ともいうべき遺産をわかちあえることを喜ぶだけではなく、バッハという偉大なる巨人と同じ世界に生まれることができたことさえも誇りに思わずにはいられないのです。

(写真 ギターにアレンジされたバッハの傑作曲のひとつであり、私の愛奏曲中の愛奏曲、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第一番ロ短調のなかの「サラバンド」、およびその変奏「ドゥーブル」の楽譜。ギターで弾く際もオリジナルと同じキーで演奏されるため、なんだかバッハをぐっと身近に感じられます。)

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2007年01月06日 | Hombres Grandes,Criollos Fantasticos