Un Encuentro Inolvidable .....

スペイン王妃との出会い 組曲'マリア・ルイサの城'


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ギターのサウンドを楽しんでいただけるオーディオ・ページが新しくできました。
今日は、私のオリジナルギター組曲、'マリア・ルイサの城'をご紹介します。


この組曲は、私がこれまでに体験したもっとも不思議なできごとをもとにイメージを膨らませて音楽化し、さらに、バロック、スパニッシュ、フォークロックと、私がもつアコースティック・ギターのテクニックをすべて駆使したアレンジを加えて完成させた、文字通り'ギター音絵巻'とよべるナンバーです。


(美しいイラストは、このナンバーを収録したCDのジャケット・デザインを担当してくださったイラストレーター、芙似原由吏(ふじわらゆうり)さんによるものです。

実際私が出会った王妃のイメージは、むしろこの由吏さん最初の作品のほうが近く、とても気に入っていたのですが、こちらでデザインを決定する段階で、「まるでカレン・カーペンターのようだ(?!)」という、いかにもアメリカ人らしい意見があったため、結局彼女がわざわざもう一度描きなおしてくださったものがアルバムジャケットとしてこのCDを飾ることになりました。
私はいまでも由吏さんに対して、このときのことを感謝しています。)

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それではご一緒に、マリア・ルイサのお城探検へと参りましょう!

第一楽章 '窓辺のマリア-帆船のマリア'より


   チンチョン村の小高い丘にたつ中世の石の城。
スペインのイグナシオ・ローサス氏製作のギターと、アメリカのフェンダー社製アコースティック・ギターによる静かな対話が、窓辺にたたずみ夕陽をあびる悲劇の王妃、マリア・ルイサの美しい横顔に翳りをおとします。


第二楽章 'マリア・ルイサの城'より


   瓦礫の山と化した現在の'マリア・ルイサの城'。
私は悲劇の王妃に誘われるままに、瓦礫のなかへと足をふみいれてゆきました。

第三楽章 '星になったマリア'Part Iより


   満天の星空のもと森のなかで耳をすますと、ギターの調べが聴こえてきます。
美しい星に姿を変えた悲劇の王妃の物語を語る吟遊詩人の歌声とともに

第三楽章 '星になったマリア'Part IIより


   星空に歪みがうまれ、私たちは過去へとタイムスリップします。
舞踏会にむけて、鏡の前で美しく着飾るマリア・ルイサ。


第三楽章 '星になったマリア'Part IIIより


   星になったマリア 

                            詞 シロ・エル・アリエーロ/E・F・コンティ


スター 涙でできた星
遠い昔 遥か昔
石でできた きみの城は
いまも きみの運命(さだめ)に泣いている

きみの王子 
冷たい血をもった きみの王子
嵐の晩に きみをひとりおいて
踊りながら 踊りながら
ほかの娘と去っていった

ああ 笛の音が鳴りひびき
森の奥へと ぼくを誘う
今宵 星たちは ひかりかがやき
きみの涙が 夜空をそめる

マリア マリア ...
星になったマリア

ああ 美しき姫君よ
きみに贈られた この歌とともに
ぼくは あの日 スペインで
きみとともにいたときのことを
決して 忘れることはないだろう

マリア マリア ...
星になったマリア

'マリア・ルイサの城'のレコーディングで、スペインのイグナシオ・ローサスとともに大活躍してくれたのが、いまはもうなきニューヨークの伝説的ヴィンテージ・ギターショップ、'We Buy Guitars'で購入した、フェンダー社による1982年製の'ジェミニ2'です。

フラット・ピッキングによるアルペジオとストロークの切れのよさは、この録音でじゅうぶん楽しんでいただけると思いますが、フィンガー・スタイルによるプレイでも素晴らしい音色で歌ってくれます。

もちろん日本にもっていったことはなく、こちらでもあまりライヴで使ったことはありませんが、現在、アメリカの大学などでアコースティック・ギターの講座をもつ際に使用するほか、ニューヨークの自宅では、よくこのギターで、ディープ・サウス・スタイルのデルタ・ブルースを弾いて楽しんだりしています。

今思えば'We Buy Guitars'、素晴らしいヴィンテージ・ギターが山積みでした。
ギブソンがまだアメリカで魂をこめて作っていた時代の'ファイアーバード'や'レス・ポール'など、あのときもっと買っておけば...と、後悔することもあります。


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2007年09月01日 | Audio(楽曲の試聴)