風薫るリマ 神秘の大地ナスカ

マチュピチュ・コンサートツアー記  -Parte Final-


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マチュピチュでのコンサートを終え、ふたたび首都リマに戻ってきました。


前回、二年前のリマ公演の際は、とにかくメイン・リサイタルにおいて、1200人収容の大ホールをいっぱいにしなければならなかったため、着いた翌日の朝からラジオ、テレビ、そしてメジャー紙のインタビューに応じてリマっ子にPR。
五日間の滞在中も公式日程がビッシリで、ゆっくりとペルー観光をする時間はまったくありませんでした。
もちろん公演は大成功をおさめ、私のキャリア上でも最高の夜になったことがひきかえとなりましたが...。


今回、嬉しいことに、グローバルユースビューローとのはじめての仕事では、ほんとうにゆっくりと、この数ある南米の国々のなかでも、もっとも魅力あふれる国のひとつであるペルーを満喫することができました。


それではしばしのリマ散歩のあと、謎の地上絵で知られるナスカへとご一緒して、今回のこのペルー日記をしめくくりたいと思います。


(写真:リマの最高級エリア、ミラフローレス地区にて。私の背後にあるモダンなビルは、今回の宿泊ホテルとなったJWマリオット。)

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JWマリオットは、全室から素晴らしい太平洋の眺めを楽しむことができます。


太平洋上にせりだした人気レストラン、'ラ・ローサ・ナウティカ'でのランチは格別。

ローサ・ナウティカ(La Rosa Nautica)とはスペイン語で、'(航海用の)方位盤'を意味します。


リマ旧市街の中心、アルマス広場にて。

海岸沿いのミラフローレス地区にいると、まるで南カリフォルニアに来たかのようですが、旧市街に足を一歩ふみいれるとさすが南米のムードでいっぱい。
リマは、様々な表情をもつパノラミックな都市です。


それではナスカへと出発しましょう。

リマからナスカへは、コンドル航空で一路砂漠のオアシスの町イカまで飛び...



イカで小型セスナに乗り換え、一気にナスカ上空へというのが定番コース。

このセスナ機の窓から見る景色は、実に興味深いものでした。


イカから飛ぶと、まず最初に私たちを出迎えてくれるのが'宇宙飛行士'です。



(左) 'クモ'。
(右) 'サル'。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、シッポをグルグルと巻いています。



(左) 思わず息を呑む大迫力の'コンドル'。
(どうぞ息を呑む準備をなさってから写真をクリックしてください。)

(右) '手(右)と木'。
    写真左上に見えるのが、二車線の車道、パンアメリカン・ハイウエイですから、いかにこの地上絵が大きいかがおわかりいただけるでしょう。ただしこの'手と木'は、これでも小さい方に属します。


いよいよハイライト、'ハチドリ'に接近。

これは噂どおりの素晴らしさでした。

私は、ヴィジュアル・アーツのことはあまりよくわかりませんが、この'ハチドリ'、まるで動いて歌っているように見えます。

ナスカの人々が、これを美術として残したかどうかはわかりません。
しかし、1000年以上もはるか昔に、彼らがこのように目を見張るような正確な測量技術をもっていたことは、まさに驚くべきことです。

たしかにこのあとテクノロジーは発展しましたが、この地上絵を見ていると、もし機械というものがなかったら、現代の我々にいったいなにができるのだろうかという気になります。

私はいままでに見た絵のなかで、このときと同じ感動につつまれた作品がもうひとつだけあり、それはかの剣豪、宮本武蔵の筆になる、竹雀図'と呼ばれる雀の絵で、偶然にもふたつとも鳥を描いたものでした。

'オウム'。

さあ、地上絵を空中から楽しんでイカへの帰路へ...と、思いきや!


バーンという衝撃音とともになんとセスナ機のエンジンが空中で停止。
ガーン!!!!


150キロ離れたイカまでは、当然惰性で飛ぶことはできません。
やむなく、ビュンビュントラックが行き交うパンアメリカン・ハイウエイに決死の不時着を敢行。

つかまれーっ!!!!


ガガガガガガーッ!

タイミングをみはからって不時着成功。

もしも経験の少ないパイロットであったら、走行中のバスやトラックに、空中からの激突も避けられない状況でした。


無事地球に生還。いやいやすごいスリルでした。


警察もあらわれて結構大事に。
このあと、イカからの救助のバスを待つこと一時間あまり。
通りがかりの車のカメラのファインダーにかなりの回数おさまることに。


こんなことはもちろんしょっちゅう起こることではありませんが、私が感心したのは、コンドル航空のパイロットの、パニック時においても決して乗客を動揺させない落ち着いた態度でした。
操縦の困難な荒野や高山の上空を、つねに飛び回っているたしかな技術と自信に裏打ちされたものでしょう。

コンドル航空
名前もいいですけれど、上質の航空会社です。

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ただ私はこのあと、ペルーのような場所で、白人の観光客たちと一緒にこういったエクスカージョンに乗り合わせるのはどうかななどと真剣に思ったものです(このときはアメリカ人が多かった)。
メキシコでは、白人の旅行者が水や食べ物にあたっておなかをこわすことを、'モンテズマ(滅ぼされたアステカの王の名)の復讐'と呼んでおり、また、アメリカのグランドキャニオンでは、白人たちを乗せたセスナがもうしょっちゅう岩壁に激突したりします。
この世には、いまだ科学で解明できない不思議なことがたくさんあるのです。


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砂漠のオアシス、イカ。

ビッグ・ハプニングで大幅にスケジュールが変更。
さてどうしようかナ?



こんなとき、すぐに新たな楽しみを発見、そして実行に移すのがグローバル流。

オフロード・バギー車を駆って、砂漠の真っ只中へ大アドヴェンチャーを敢行。
とにかく見わたす限りの大砂丘です。


デスぺラード、砂漠に立つ。


Let's play !

砂丘の急斜面でサンドボード。
はねてころげて砂まみれ。

この人、ほんとうに演奏家?


ニューヨークへ帰るフライトは、実はこの日の夜でした。
そんなとき、出発時間までちゃんとマリオットの部屋が使えるようにしてくれているのがグローバルのきめ細かいサーヴィス。

さもなければ、全身砂まみれでニューヨークに戻るところでした。


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今回この素晴らしいツアーへ、私の音楽に対して最大のリスペクトをもってご招待してくださったグローバルユースビューローの皆様。


これはたんに、日本からツアーに参加なさったお客様に喜んでいただける音楽を演奏しただけではなく、南米音楽のミュージシャンである私の今後に対して、新たな、そして素晴らしい道のりが授けられたかけがえのない旅でした。


この場をかりていま一度、グローバルユースビューローの古木社長、古木副社長をはじめ、一年半にわたってこの企画を創りあげてくださった柴崎常務、そして今回のツアーに同行して、現地で私をサポートしてくださった斉藤営業部ジェネラル・マネージャー、ならびに佐藤マネージャー、皆様に心からお礼を申し上げます。

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"Did I thank you ? "

" I will."

2007年12月18日 | Shiro On Tour(ツアー & ライブ)