"アタウアルパ・ユパンキを讃えて" ニューヨークの忘れえぬ夜 II
8月6日の夜、在ニューヨーク・アルゼンチン共和国総領事館主催により、同公館内オーデトリアムで行われた私のスペシャル・リサイタルが、定員120名をはるかにオーヴァーし、立ち見、さらに入場できなかったお客様が出るほどの盛況のもと、大成功をおさめました。
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開演に先立って、領事館一階サロンにて午後6時から行われたレセプションは、はやくもつめかけた人でいっぱい。
二階のオーデトリアムで、開演前のリハーサルをしていた私のところまで熱気が伝わってきました。
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ニューヨークのアルゼンチン総領事館は、まるでヨーロッパの貴族のお城。
今回はじめていらした日本の方々からは、"ステキなところね~"という声が多く聞かれました。
そして、さらに中へと進むと忽然と姿をあらわすのが、今回のコンサート会場となるオーデトリアム。
あたかもお城のなかに、いきなりライティングや音響完備の、ちょっとしたライヴハウス顔負けのコンサートスペースがあるようでまたビックリ。
こんな"カッコイイ"在外公館もそう多くはないでしょう。
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私は最高のムードのなか、客席後方までぎっしりと入った満場のお客様を前に、15年ぶりによみがえった、グレゴリオ・カブラルさん製作によるギターを胸に、心を込めてユパンキ作品を披露しました。
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そしてラスト・ナンバー、"牛追い"のあと、鳴り止まない拍手のなか、なんと思っても見なかった、素晴らしい毛織のポンチョのプレゼントがありました。
この素晴らしいプレゼントをもってきてくださったのは、ニューヨークのアルゼンチンコミュニティーにおいては、その名を知らぬ人がないと言っていいほどの有名人、ルイス・ラレーアさんです。
彼は、人呼んで'NYガウチョ'。
5月25日、そして7月9日といった、アルゼンチンの人々にとってもっとも重要な記念日には、ガウチョの正装をもって馬を駆り、パレードの先陣をきって行進するグラン・パトリオータ(愛国者)。
ラレーアさんは、当夜のオープニングナンバーの"栗毛の馬"を、涙を流しながら聴いていたということを、あとで彼の傍に座っていた人から聞きました。
ガウチョが大切なポンチョを人に贈るということは、その人物に対する最大の親しみと敬意を表します。
私はこのポンチョを宝物として、この夜の思い出とともにずっと大切にすることでしょう。
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おさまりがつかないのは、せっかくいらしたのに会場に入れなかったファンの方々。
結局、彼女たちのために、一階のギャラリーに場所を移して、再アンコールの大サーヴィスを行いました。
(左) 鮮やかなブルーが美しい特製ポンチョ。
似合ってますか?
(右) ニューヨークのアルゼンチン総領事館が、日本人の音楽家を招いてソロ公演を行うというのは、まさに異例中の異例。
しかし、文句なしの大成功をおさめられたとあって、今回の企画を立てたミニストラ(公使)、アドリアーナ・トロッタさん(私のむかってすぐ左の背の高い女性)も大喜びでした。
このあと彼女からは、はやくも来年のアンコール公演のオファーを受けました。
再アンコールでみなハッピー。
ギター界のアラン・ドロン(自分で言うな!)は、女性ファンを大切にします。
♪パローレ パローレパローレ....♪
2009年08月09日 | Shiro On Tour(ツアー & ライブ)