Homage to Piazzolla in Tokyo ピアソラへのオマージュ・ライヴと代官山旧朝倉家住宅

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去る三月の東京公演後、僕は誘われて、目黒を見下ろす小高い丘の上にひっそりとたたずむ、史跡重要文化財・旧朝倉家住宅を訪ねた。

僕は、ごちゃごちゃとした人混みを何よりも嫌うが、ちょうど桜の満開の時期で、しかも春分の日であったにもかかわらず、ほとんど訪問客の姿はなく、天然の丘の斜面をそのまま利用したパノラミックな美しい庭園も、静謐な邸内もほぼ貸し切り状態。

あまり気持ち良いので、畳の部屋にゴローンと横になっていたら、見張りの衆が、”すみませーん、畳の上に座らないでくださーい!”と、すっ飛んでくるオマケがついたが、本当に静かで、快適なホームタウンの午後を過ごすことができた。

このビデオは、その際のスナップを中心に、早春の東京の思い出アルバムとともに構成してある。

曲目は、ピアソラおなじみの名曲「オブリヴィオン(忘却)」と、その師匠格にあたるバンドネオン・プレイヤー、アニバル・トロイロが書いた傑作タンゴ「最後の酔い」。

PAなしの完全生音、そして全く無修正の一発録り音源は、勢い余ってミストーンを出しているところもあるが、スタジオ録音では決して味わうことのできない、ライヴならではの醍醐味をじゅうぶんに伝えるものだと思っている。

NJOY!

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