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楽曲の試聴

魂のバッハ、炎のソへイラー

最新ライヴビデオ映像とともに、皆様に残暑のお見舞いを申し上げます。

去る4月に行った東京公演のオープナー。バッハの名曲、無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番’アダージョ’に続く、私の最新オリジナルギターソロのひとつ、’ソへイラー’をお楽しみください。
’ソへイラー’は、アラブ女性のもっとも美しい名前のひとつで’星’を意味します。

大幅な変則チューニングによるこの曲は、1曲めの静謐なバッハとのコントラストを目的として作曲したもので、フラメンコからヘヴィーメタル(!)にいたるまで、さまざまなテクニックを用いたライヴ向けナンバーです。

7月9日にアメリカで発売になった、このライヴ音源2曲がそのまま収録された6年ぶりのニューアルバム「イベロアメリカーナ」は、現在アメリカ、カナダ以外にイギリス、フランス、ドイツ、そしてデンマークなどの国々で流通していますが、出足好調で、先週米アマゾンで一時的に在庫切れになりました(今週からまた発売を開始)。
このアルバム、販売元のサイトでオンラインのダウンロード購入も可能です。が、そんななか、CD本体を買ってくださった方々がたくさんいるというのは、ひとりの昔気質(?)のミュージシャンとして本当に嬉しいことです。

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「イベロアメリカーナ」は、現在日本でも発売中です。

テイクオフ:大竹史朗 (シロ・エル・アリエロ) ライブ/イベロアメリカーナ

アタウアルパ・ユパンキ没後20年

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今日、ニューヨーク時間5月23日、南米フォルクローレの最高峰アタウアルパ・ユパンキ(1908-1992)の天逝からちょうど20年を迎えました。
昨秋の東京公演、’バッハの家庭音楽会’から、私のペンになるユパンキへのオマージュ作品、’ゲッセマネ’を、劇団ひまわりのヤングアクトレスによるピュアーで力強いコーラス、そして日本を代表する名女優、香川京子さんの朗読との共演でお楽しみください。
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これは、チェンバロを模倣したバロック風サウンドに、南米風の和声を加えてギターの六弦上に融合を試みたナンバーで、もともと私が、18歳のときにはじめて作曲したギター独奏曲でしたが、実にそれから20年以上たってからスペイン語の詞をのせることを思いつき、ユパンキに捧ぐコーラス曲としたものです。
今考えると、こうした’アルゼンチン風バッハ’創作は、私が18歳だったときにもうすでにはじまっていたのかもしれません。
エンディングの部分における、二声の対位法による音の動きなどは、われながら当時の並々ならぬバッハへの傾倒ぶりをよく示すものと、この動画を見た後あらためてなつかしさでいっぱいになりました。
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ゲッセマネ~私はあなたとともにゆく  詞、曲/シロ・エル・アリエーロ
私はあなたとともにゆく
この道を どこまでもまっすぐに
花であふれる土地をめざしてゆく
そこでは誰も私に問わない
’あなたはどこから来たのか そしてどこへゆくのか’と
私がほしいのは ただひとつの場所
夜に祈りをささげるための場所
私はあなたとともにゆく
この道をどこまでもまっすぐに
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この場を借りてあらためて、劇団ひまわりのみなさん、香川京子さん、そしてこの美しい映像を残してくださった日本のドキュメンタリー映像作家の第一人者、羽田澄子さんに心から御礼申し上げます。

ユパンキへのオマージュ

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栗毛の馬 / アタウアルパ・ユパンキ詞、パブロ・デル・セーロ曲

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プレリュード(リュート組曲第1番BWV.996) / ヨハン・セバスティアン・バッハ
~アタウアルパ・ユパンキによる詩”ティエンポ・デル・オンブレ”の朗読とともに~
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2011年11月20日 東京公演’「カンタータ」バッハの家庭音楽会’より

ハッピーひなまつり!

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私にとって、なによりも素晴らしい少年時代の思い出である青山学院初等部において、6年間にわたりずっと同じクラスメートだった仲良しの女性が、ひなまつりを前に、美しい和紙で作られたたくさんの’竹とんぼ’と、チャーミングな3D’ひなまつり’カードをニューヨークまで送ってくれました。
彼女は、小学生のときに、すでにカザルスの無伴奏チェロ組曲を聴きながら、宮沢賢治の傑作文学’セロ弾きのゴーシュ’を”こんな感じかな”などなど思いながら読んでいたという(スゴイヤツ!)人で、私もつい最近その話をきいてすっかり驚かされていたところでした。

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ハッピー”ブーレ”

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昨年出版された新刊書、’ラテン音楽名曲名演ベスト111’に、そうそうたる歴史的名音源の数々に混じって私の演奏がエントリーされました。
またその中で、ユパンキが、私が当時、唯一おぼえていたクラシックギターのナンバーであったバッハの’ブーレ’の演奏をたいへん喜んでくれ、そのあと彼のギター奏法のマジックを伝授してくれたストーリーが丁寧に書かれていることは本当に嬉しいことです。
しかし、なぜギター奏者をめざしてニューヨークに渡ったわけでもない私が、この’ブーレ’をおぼえていたのかは、これまであまり多くの人に話していません。
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実は私は渡米前、東京でヘヴィーメタルのバンドのギタリストとしてアルバイトしていた時期がありました。
そのときドラムを叩いていたリーダーがバッハ・クレイジーで、私にこの’ブーレ’を、ライヴの途中でギターの技を見せる一環としてプレイすることを要求したため、私はよくこのナンバーを練習していたのです。
人生とは、どこでなにがどう役に立つかまったくわかりません...。
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’ブーレ’は、バッハの傑作ナンバー’リュート組曲第1番ホ短調のラストを飾る名曲。
もともとは、フランスの農村に起源をもつ軽快な舞曲です。
私の演奏は、ブリッジの部分に手首を押し当て、6弦をミュートしたエレクトリックギター奏法。
これは、ヘヴィーメタルバンドのステージに立っていたときとまったく同じプレイです。
1989年1月、アルゼンチン、コルドバ州のセロコロラド。
私はいまでも、このナンバーを弾き終わったときのユパンキの嬉しそうな顔を忘れることができません。
新年のごあいさつは、いつも素敵な絵を描いて送ってくれるグアテマラの少女、レベッカちゃんの作品のうえに、私が(消せるように)鉛筆で書き足したものです。