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大成功をおさめた、去る11月13日の東京カテドラル聖マリア大聖堂リサイタルにて初演した、バッハの傑作「無伴奏チェロ組曲第5番」の二曲(サラバンドとプレルディウム)に独自のインプロヴィゼーションアレンジを施し、広島に飛来するB29爆撃機エノーラ・ゲイの戦慄的な姿、すべてが「巨大な静けさと化した」ピカドンの瞬間、そして焼け野原に降り注ぐ黒い雨、やがて鳴り響く平和を祈る鐘の音…. などをギター一台でサウンド表現した、この日のためのオリジナル・クリエイション。
ビデオ編集は、ニューヨークに帰ったあと僕自身で行ったが、12分間に渡ってプレイし続ける、文字通り超大作ソロは、当夜ビデオカメラとレコーダーがとらえた、全く無修正のライヴ一発そのままの映像と音。
もちろん勢いあまったミストーンもある。が、前記の「マグダラのマリア」とともに、現時点で僕は、ひとりのギターのプレイヤーとしてこれ以上のことはできないだろう。
