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来年1月26日、東京麻布十番のミシュラン2スター超人気レストラン「富麗華」の特別会場で行うコンサートで使用するため、何段階かに分けて自分自身で続けていた、明治生まれの名工・中出阪蔵さんが1978年に製作してくださったギターのアクション(弦高)下げ作業の、最終プロセスを行った。
ブリッジとナット、そしてフレットをナイフとヤスリで細かく削っては磨くのは、きわめてデリケートな作業だが、アクションはミクロの差で大きなタッチの変化を生んでしまう。
結局リペアマンには頼まず、自分で行うのがベストと判断。
仕上がりはパーフェクト💯
下記のビデオで音を聴いていただける。
今から46年前に、初めてこの楽器を手にしたときの感触がよみがえったようだ。
梁の強い、それでいて甘く語り、そして泣くサウンドは中出ギターならでは。
こんにち生産される楽器でこの音を出すのは、決して容易ではない。
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僕はそれほど楽器に対してこだわりを持つタイプのプレイヤーではないが、今回の東京公演「血の婚礼」は、どうあっても、アントニオ・ガデスからのメッセージとサインがしたためられたこのギターでなくてはならない。
2025年1月26日、「血の婚礼」と一心一体といえるガデスの魂は、きっとこの美しい音色の楽器に宿ってくれるだろう!
シローへ、仲間より敬意を。
A.ガデス
1995年1月21日