ラング・リサイタルホール公演アルバム I
去る10月4日にニューヨークで行った公演アルバムパート1。
これらの写真は、当夜のピアニスト、ネリダ・サンチェスさんがブエノスアイレスから送ってきてくれたものです。
(写真 公演第一部はオール・ユパンキ。’栗毛の馬’、’ギターよ教えておくれ’、’こおろぎのサンバ’、’牛追い’、そして’ヒロシマ-忘れえぬ町’を私のソロで演奏しました。)
第3部のトップで、私の演奏するJ.S.バッハの’サラバンドBWV1001’、そして’プレリュードBWV996’をバックにユパンキの傑作詩、’私を旅立たせないでおくれ、老いたアルガローボの木よ’、および’ティエンポ・デル・オンブレ’を朗読するアデラ・ペラルタさん。
彼女の卓越した朗読力は多くの人々を魅了しました。
そしてクライマックス、エイトル・ヴィラ=ロボスのマスターピース、’ギター協奏曲’をネリダ・サンチェスさんと披露。
‘コパカバーナ協奏曲’、または’幻想協奏曲’とも呼ばれる、この魔法のような音楽の楽譜を入手したのが昨年の4月。
以来私はどこへ行くにもこの譜面を持ち歩き、昨秋のマチュピチュ滞在時ですらも空いている時間には研鑽を続けていました。
そして今年の一月、’カデンツァ’のみを新作アルバム’カミナンテ’に録音。
あたかも生命をもって呼吸しているかのような夜のリオ・デ・ジャネイロの海を想起させるドラマティックかつミステリアスなこの一篇を、私は完全に独立したソロとしてライヴでの演奏を続けながら、まるでプラモデルでも組み立てるように、全楽章を楽しみながらゆっくりと時間をかけて仕上げてゆきました。
今回のパフォーマンスのために、ネリダさんとは約18時間におよぶリハーサルを行い万全を配しましたが、結局この日の本番がベストの出来となりました。
そしてアンコール。
私が座っていた椅子に敷いてあったのは、実は2004年のアルゼンチン、サルタ公演時に、伝説的フォルクローレグループ、’ラス・ボセス・デ・オラン’の創設者であるスター、マルティン・サラサール氏よりプレゼントされた、サルタを象徴するデザインのポンチョ。
キャリア上、はじめてのフォルクローレスタイルとなってアデラさん、そしてネリダさんとともに’トゥクマンの月’を披露しました。
ユパンキのオーブもかけつけてくれて...?
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Gracias mil por tan lindo concierto!! cantaste divino y tocaste como los Dioses!!
Fue realmente un placer escucharte y gracias tambien a Nelida Sanchez y Adela Peralta
Un abrazo cariñoso
(ほんとうに素晴らしいコンサートをありがとう!! あなたの歌はこうごうしく、そしてまるで神々のようにギターを弾いた!! 本当にあなたの音楽を聴けたことは素晴らしいことでした。アデラ・ペラルタさん、そしてネリダ・サンチェスさんにも感謝。 愛情をこめた抱擁を /A.Aさん)
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コンチェルト素晴らしかったと思います。ピアノとギターの
アンサンブルのなんとも言えない心地よさ、そしてヴィラ=ローボスの
音楽世界の幽玄な雰囲気、ありがとうございました。
ポンチョとても似合ってました。
彼はほんとうに日本人なの、と何人かに聞かれました。/K.Iさん
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Gracias a vos Shiro por tan lindo momento! hoy estuve escuchando uno de tus cds que compre ayer, un trabajo maravilloso Felicitaciones por tu talento y tu carrera
Segui adelante!!!
(素晴らしい時間をあなたに感謝!今日は、昨日購入したCDを聴いていました。素晴らしいできばえです。 あなたの才能とキャリアに祝福を贈ります。 さらなる前進を!!! /J.Sさん)
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フォークミュージックが”血”というのはよく解る気がしました。
きっと曲やメロディに馴染みがあればあるほど、大竹さんのような素敵な演奏も、受身で聴くだけでなく、もっと体の内部から一緒に楽しむことができるのだろうなと感じつつ、聴いていました。
今度大竹さんの演奏をお聞きする時には、もっとアルゼンチンフォーク周辺の音楽により触れた状態で伺わせて頂こうと思います。
個人的には、大竹さんのように、日本人でもあれだけ、あのような曲の雰囲気や旋律に負けない、という方はなかなかいないのだろうなと思いつつ、聴き入っていました。 /F.Iさん