8月4日、水曜日の午後6時30分より、私のギターの恩師鈴木巌先生とともに、在ニューヨークアルゼンチン総領事館主催により同公館オーデトリアムで行ったジョイント公演が、超満員の大成功をおさめました。
出番直前の鈴木巌先生と私。
先生はこの総領事館公演に際し、「今回私は、私のためではなく史朗君の名誉のために演奏します。」とおっしゃって、わざわざ日本からタキシードをご持参くださったのです。
一方私も、通常南米諸国を訪れる際にしか使用しない、未だ知られざるアルゼンチンの名工、グレゴリオ・カブラル氏が、一部のフラメンコギターを除いては現在ほとんど見ることのないフリクション(摩擦)による木製の糸巻と、南米産の木材を使って、ヨーロッパ旧時代の伝統を現代に蘇らせたカスタム楽器を演奏し、この記念すべきコンサートを彩りました。
午後6時。
良い席をおさえようと、すでに総領事館一階サロンには人々が集まってきています。
この日の観客は、大半が女性でした。
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総領事館二階オーデトリアムのエントランスサロンにて。
今日のコンサートは、まず私のソロ、”アルゼンチン風バッハ第一番(サラバンドBWV.996/バッハ~兄弟たち/ユパンキ)”、そして自作のラ・サンティアゲーニャに幕をあけ、続いて鈴木先生がソロで、ユパンキの”こおろぎのサンバ”、エクトル・アヤーラの”虹のサンバ”を演奏すると、そのあとふたたび私のソロで、”アルゼンチン風バッハ第五番(ギターよ教えておくれ/ユパンキ~シャコンヌBWV.1004/バッハ)”、ユパンキの”トゥクマンの月”というプログラム。
そして花束贈呈後のクライマックスは、鈴木先生ご自身の編曲によるバッハの名曲、”平均律クラヴィーア第二巻、No.39よりプレリュードBWV.884”のデュオ演奏でした。
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ご自身の分身ともいえる1964年製の名器、ホセ・ラミレスを携え”こおろぎのサンバ”を演奏する鈴木巌先生。
この日からちょうど53年前の8月4日、先生はモスクワ国際ギターコンクールのファイナルで演奏を行われました。
そしてその二日後の8月6日、鈴木先生は第一位金賞の栄誉に輝かれたのです。
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スペインとアルゼンチンの木が響きあって、二台のギターがバッハの調べを歌いあげました。
鈴木先生はこのあとずっと、アルゼンチンのカブラルさん製作による私の楽器を、「ギターが本来もつべき音がするよ。腰のあるいい音だ。強く弾いても音がへたばらない。南米ものにピッタリだ。」とおっしゃってくださいました。
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¡¡¡BRAVO!!!
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コンサート後のレセプション。
一階サロンは酸欠状態寸前。
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在ニューヨーク・アルゼンチン総領事館公使、アドリアーナ・トロッタさんと。
この方は、本当にスィートな素敵な女性です。
彼女はこの日、花束贈呈の際ステージ上で、「私たちニューヨーク・アルゼンチン総領事館は、こうしてシローさんを招いて公演を行えることを誇りに、そして名誉に思います。」と、満場のお客様を前にアナウンスしてくださいました。
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私はアドリアーナさんが大好きです。
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左から、アドリアーナ・トロッタ公使、私、鈴木巌先生、そして在ニューヨーク・アルゼンチン共和国総領事館、リカルド・ラリエーラ総領事大使。
ニューヨークは米国の首都ではないので、この町の在外公館はすべて総領事館と呼ばれますが、実際の規模は大使館もしくはそれ以上。トップクラスの外交官が集まります。
ラリエーラ大使は、コンサートのオープニングからレセプション終了時まで、ずっと私たちといっしょにいてくださいました。
なお、このコンサートにおける私の演奏は、近日中に、ニューヨーク・アルゼンチン共和国総領事館のウエッブサイトにおいて配信される予定です。
美しい着物姿でかけつけてくれたのは、私が親しいニューヨーク在住のジャズ歌手、松川ケイさん。
あまり素敵なので、どうぞ右クリックのオープンリンクでフルサイズでご覧ください。
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この日、オフィシャルファンクラブも発足しました。
私が撮影した鈴木巌先生。
深い精神性とこの上ない優しさに満ちたギターの王者の姿を、南米の英雄、サン・マルティン将軍の姿とともに右クリックのオープンリンクにてフルサイズでご覧ください。
舞台はこのあと、いよいよ8月6日、ニューヨーク湾の水上コンサートホール、バージミュージック公演へと移ります。