11月2日の夕方に成田を発ってから約20時間、ヒューストンでのトランジットを経て、飛行機は同日の午後11時30分にペルーの首都リマに到着です。
今年3月に新装したばかりというリマの国際空港は美しく立派で驚きました。
ゲートで待っていてくださったのは、在ペルー日本大使館の内田みどりさんと今井萌衣子さん。
内田さんはペルー赴任の前は、やはりスペイン語圏のホンジュラスの日本大使館に勤務しておられましたが、3年前の私の同国公演の際にずっとアテンドをしていただきました。今回嬉しい再会です。
さて、この時間に旅行客が集中するという入国審査場と税関検査場は長蛇の列でしたが、これは外交官による先導なのでほぼフリーパス。はじめてペルーの土を踏みました。
リマはちょうど春先ということでしたが、海からたちこめる湿気のせいで、実際の温度よりずっと肌寒く感じます。私の荷物を持ってくれ、車に積んでくれたペルー人の紳士が一緒に車に乗らないのでどうしたのかなと思ったらあとでびっくり、彼は武装したボディーガードで、私達の車の後から護衛車でついてきていたのでした。
ホテル到着後、ロビーで明日からの日程について簡単に説明を受け、あとはそのまま部屋でバタンキュー。
時刻は3日の午前12時30分をまわっていました。
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ユパンキの後継者
エル コメルシオ紙(ペルー)
november 7, 2005
ひとつおことわりしておかなければなりませんが、私は今まで、自分をユパンキの後継者などと思ったことは一度もありませんし、メディアの取材に対してそのように言ったこともありません。
ただ、崇高な精神によって書かれたこの美しい音楽を、世界的なレヴェルで恥ずかしくないように演奏することを常に心掛けています。
私は、アルゼンチンをはじめ、イタリー、ドイツ、フランス、さらに日本で、ユパンキを美しく演奏する多くのギタリストに会いました。 こうして素晴らしい遺産ともいえる芸術を分かち合える仲間たちとともに、ユパンキへの理解と研究を深めながら、さらに自分自身の音楽を掘り下げてゆきたいと思っています。
私の音楽を聴いてこのような記事を書いてくださった、エル コメルシオ紙のリディア・カパラチンさんに心より感謝いたします。
アルゼンチンのフォルクローレ・ギタリスト、アタワルパ・ユパンキの再来、大竹史朗の公演会が24日夜、ハンターカレッジのラング・リサイタル・ホールで行われ、150人の聴衆が会場を埋めた。‘牛車にゆられて’ ‘牛追い’ や日本をテーマにした‘南部幻想曲’ ‘ヒロシマ忘れえぬ町’などを演奏した。
(週間NY生活 2005年10月1日号)
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9月24日にニューヨークで、奇しくもほぼ同時に行われた日本人による3つのイヴェント(現代能‘鷹姫’、NY映画祭のプログラムとして上映された松竹映画‘隠し剣鬼の爪’、そして私のリサイタル)の関係者が、25日の夜に、在NY安藤裕康大使主催の晩餐会にご招待を受けました。
みなそれぞれに大成功をおさめたあとでしたが、今後の日本文化の発展についてにまでも話が及び、とても有意義な楽しいひとときでした。
安藤大使は、お忙しいなかを私の公演にも足を運んでくださり、嬉しいご感想をいただきました。晩餐会へのご招待も含め、おはからいを心より感謝いたします。
ニューヨークならではの一夜でした。
安藤裕康大使(中央)と私(その左)
山田洋次監督(中央)と大谷松竹副会長(監督の左)
‘鷹姫’出演の野村萬斎さんと
左から 安藤裕康大使、山田洋次監督、そして私
NY映画祭(ブルー)で上映の‘隠し剣鬼の爪’ 、私のリサイタル(ホワイト)、そして‘鷹姫’(イエロー)
同じ日の、時間をほぼ同じくしてスタートしました。
(よみタイム 2005年、9月23日)
アンダルシアのレモンと、イタリアの濃厚なハチミツに、アタウアルパ・ユパンキの魂が溶け合う、静寂のグロリエータ(四阿)「カンテホンド・イベロアメリカーノ」の音楽世界