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愛犬から得たインスピレーション ’ぺぺのサンバ’、’風とプッチー’

ぺぺ

考えてみますともうずいぶんオリジナルによるギター曲を作ったものですが、そのなかでもコンサートで一番人気のあるナンバーが、2枚目の‘コンドルビウエラ’に収められた‘ぺぺのサンバ’です。

94年に惜しくも死んでしまった愛犬ポメラニアンの‘ぺぺ’との楽しい想い出を、フォルクローレのサンバのリズムを使ってギターのうえに綴ったものですが、動物を愛する心というのは世界中どこへ行っても同じなのでしょう。
この曲のおかげで決まったラジオやテレビ出演も少なくありません。
ニューヨークの自宅のソファでギターを弾いているといつも隣に来て聴いていたぺぺ、いまでも私は毎日のように彼を思い出しては、演奏のないときでもこのナンバーを家で弾いています。
ぺぺ(1983ー1994)

ぺぺと私

ぺぺと私(1993年、ニューヨーク州、レイク・ジョージにて)

ぺぺの死後、しばらくは犬を飼おうとは思いませんでしたが、99年の春、たまたま立ち寄ったペットショップで息をのんでしまいました。
生まれたばかりの赤ん坊ポメラニアンはまるでぺぺの生まれ変わりのようで、もうどうしてもこのまま手放して帰ることができなくなり、結局その日、‘コンドル’ならぬ、‘1000ドル’が飛んでゆきました。

puch1

ぺぺのお墓の前にて

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プッチー(1999ー)

このプッチーは現在6歳になり、ニューヨークシティーから車で2時間の、のどかな田園地帯にあるぺぺのお墓に連れてゆくと風のように走り回ります。
その光景を模して作ったのが、チャカレラのリズムによる‘風とプッチー’です。
2002年に、グアテマラシティーのカミノ・レアルホテルで演奏したものが、とてもよい状態で録れているので、次作アルバムにはこのナンバーをライヴ音源で入れようかなどと考えています。

»» puccie’s room

ホンジュラスの‘徹夫の部屋’、 Desayuno con 63

Desayuno con 63

中米ホンジュラスの首都、テグシガルパの63チャンネルのこの番組は、30分に及ぶインタビュー番組ですが、朝食(Desayuno)のテーブルに招かれて話が進むという設定です。
聞き手の男性はとても有名なマルチタレントだそうで、これはまさに、ホンジュラスの‘徹子の部屋’ ならぬ ‘徹夫の部屋’ でした。
ビデオをもらってありますのでいつか日本でもご紹介したいですね。
但し全編スペイン語ですが..。
いくらそこが映らないとはいえ、何か棚に入れてもいいのに..。

Desayuno con 63

ユパンキの ‘牛車にゆられて’ を披露。

コーヒーショップからの生中継、‘Tortulia del Cafe’

ブエノスアイレスのラジオ、Radio Ciudad のこの番組出演は楽しいものでした。
男性パーソナリティー二人と女性パーソナリティー一人が喫茶店でおしゃべりしている(録音はもちろんスタジオ)設定なのですが、するとそのときに話題になっている人がたまたま入って来るので、それを呼びとめ一緒におしゃべりするという展開です。収録後、放送を録音したCDをもらったので聴いてみますと、効果音で喫茶店にいる雰囲気がよくでていました。私のCDをかけるときは、“ マスター、ちょっとBGM変えてよ!”なんていう演出で、実に微笑ましいかぎりでした。

オン・エアー中

オン・エアー中,一番右が私です。

プロデューサー、ベティーナと

Tortulia del Café のプロデューサー、ベティーナ(中央)と

愛用のボールペン

パーカーのボールペン

パブロ・ネルーダの話がでましたが、この詩集とともにいつも持って歩いているのが、4年前の東京公演のお祝いに、女優の香川京子さんにプレゼントしていただいたパーカーのボールペンです。
香川さんは私の好きな、黒沢明監督の‘天国と地獄’に素敵な和服姿で出演していらっしゃいますが、映画から40年以上たった今もなお、信じられないくらい上品でエレガントで、まさに日本女性のお手本のような美しい方です。

魂のフォルクロリスタ、エドワルド・マルティネス・グワジャーネス (終章)

エドワルドの詩集

“私にとって、愛するギターとともに歌うということはすなわち私自身を表現することです。
色づく山々や、歌いながら流れてゆく川、それらの美しい自然によって育みを受けながら、
この世界に存在する権利を受けるものすべてとともに生きる喜びをわかちあうことなのです”
エドワルド・マルティネス・グワジャーネス (1956ー1998)

エドワルドの詩集 ‘人生のために、平和のために’ の冒頭に書かれたメッセージ。
フォルクロリスタとしてだけではなく獣医の資格をも持っていた彼は、各国で行われるエコロジーの国際サミットなどにも常に出席していました。
ギターを弾く手が鳩になっているイラストは、この吟遊詩人の音楽すべてを象徴するものです。

‘アースデイ・フェスティヴァル’プログラム

エドワルドとともに出演した、ニューヨーク市恒例の‘アースデイ・フェスティヴァル’のプログラム。
テニスのUSオープンの会場のある、フラッシング・メドウ・パークの野外ステージで、ネイティヴ・アメリカンの音楽やレゲエ、アフロ、ロックなどと一緒に白熱したライヴのオープニングをつとめました。

パブロ・ネルーダの詩集

“シロは4月14日(Dia de las americas ー南北アメリカ大陸における国家連合の日)生まれだから、ラテンアメリカの文化と関わるのはなんの不思議もない。”と、生前エドワルドは言っていました。
いつも持ち歩いているためボロボロですが、イタリア映画‘イル・ポスティーノ’で広く一般にも知られるようになったチリの国民的詩人、パブロ・ネルーダの詩集。
このなかの、‘南十字星の詩’ に‘4月14日’のことが謳われています。

エドワルドと

私は、エドワルドの演奏があまりに素晴らしいので、コンサートで一緒に演奏するのが実はいやでしたが、彼はいつも、“きみには、ステージにでてきただけで人を魅きつけることのできるすごいカリスマがある。ぼくはそれが羨ましい。”と言って励ましてくれました。
エドワルドはきっとこれからも、天国から私の長い道のりを見守ってくれることでしょう。