Una interpretación de un gran fenómeno del maestro argentino en vivo, despues de tomar la entrevista radial en Buenos Aires.
A live performance of the stunning piece written by Atahualpa Yupanqui, after taking a radio interview in Buenos Aires.
これは、前回ご紹介したインタビューとは別の年
のブエノスアイレス公演の際、現地のラジオ番組に生出演して取材を受け、僕にとってかけがえのないユパンキの傑作ナンバー「ギジェルマおばさんに捧げる歌」を演奏したライヴ録音をもとに作成したビデオ。
実際は放送局の中での録音だが、男女ふたりのパーソナリティーが、ブエノスアイレス市内目ぬき通りのカフェで、そのとき「旬」の人物の噂話をしていると、たまたまその人物が外を通りかかったので慌てて呼び止め、店内に招待するという(愛らしい)設定の番組。
当ビデオは、ギターケースを手に、外を歩く僕が声をかけられるところから始まる。
「ギジェルマおばさんに捧げる歌」は、名人芸揃いのユパンキナンバーのなかでも、技巧面・精神面ともにたいへん演奏が難しいもののひとつ。
それゆえ、ほぼぶっつけ本番となるラジオやテレビでのライヴ演奏は、これまで一度もしたことがなかったが、このときは話の成り行きから、やはりこの傑作曲をやらずには終われない展開となってしまった。
ヘッドフォンをつけたまま、ふたりのポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)のパーソナリティをテーブルを隔ててすぐ目の前にした、ラジオ用マイクでのライヴ一発どりとしては、まあまあのパフォーマンスだと思う。
アルゼンチンに限らず、ラテンアメリカのテレビやラジオのインタビュー番組というのは、殆ど事前の打ち合わせというものを行わず、スタジオに入ってマイクの音調整だけするといきなり始まる。
そんなわけで、この日も何をプレイするかも、何を話すのかも番組が始まるまで全くわからなかったが、アルゼンチンのみならず、他の南米諸国における、これまで数多く行ったすべてのインタビューも含め、つねに結果的にきわめて内容の濃いものになるのはさすが。僕自身、ラテンアメリカのメディアとのインタビューで、不完全燃焼を起こしたような経験は一度もない。
これは、インタビューアーが事前にきちんとゲストの情報をすべて把握し、質問を厳選、そしてリラックスした状態の相手から最良の回答を引き出せる術を心得ているからだ。
ラテンアメリカのジャーナリズムはクオリティが高い。
アルゼンチンはじめ、南米のいろいろな土地でのスナップ(女性といっしょのものが多い・・・😊)と、小気味よいブエノスアイレス・アクセントのふたりのパーソナリティとの会話をお楽しみください。
他の中南米の国の人々が、”Argentino habla como canta(アルゼンチン人は歌うように話す)“などと形容するように、もともと(特にブエノスアイレスは)イタリア系の移民が多かったため、あのオペラに聴かれる波打つようなイタリア語の抑揚が、おそらくそのままスペイン語の訛りとして定着したようだ。
特にこのインタビューで、僕とメインで話している男性のスペイン語には、喋っている横で適当な伴奏を弾いたらそのまま「タンゴ」になってしまいそうな、まさに絵にかいたようなブエノスアイレスっ子の「名調子」が聞ける。
また、僕をアルゼンチンのユパンキのもとへ導いてくれた「ギジェルマおばさんの実の孫」にして最大の恩人、故エドワルド・マルティネス・グワジャーネス(1956-1998)の写真もご紹介している。
僕がいま、南米に限らず世界のいろいろな土地で、こうして素晴らしい経験をたくさんできているのは、すべてエドワルドのおかげといって過言ではない。