***
Una práctica de “Zamba del Grillo” a mi concierto homenajeado a Atahualpa Yupanqui.
A practice for the masterpiece guitar solo, written by Atahualpa Yupanqui.
ユパンキの傑作ギターソロ「こおろぎのサンバ」、巨匠へのオマージュコンサートに向けてリハーサル中。
明るく快活で、どこかクラシカルなアルゼンチン・フォルクローレギターの醍醐味感に溢れるこの曲は、同国では国民楽曲といえるほど親しまれている。
もうずいぶん前だが、コスキン・フェスティヴァルに招聘された際、ブエノスアイレスのラジオ番組にゲスト出演してこの曲をライヴ演奏したら、ユパンキ最愛の弟子といわれたスマ・パスがたまたまそれを聴いていて、思わず「タタ!」と、声を上げたという話を後で聞き、とても感激した。
(ユパンキと親しかった人々は、彼を”タタ(おとうちゃん)とか、ドン・アタ(アタ親分)と呼んでいた。)
スマ・パスの演奏には、女性らしい詩情がある。
ユパンキとは異なる演奏スタイルでありながら、しっかりと巨匠と同じ精神を伝えようとするその姿勢を、ユパンキがこよなく信頼し、愛していたのがよくわかる。
自分はかつて、たしかにユパンキから直接ギターの手ほどきを受けたことはあるが、自分が彼の”弟子”だとか”後継者”だという意識は持たない。
いまも世界に多くいる、巨匠の道を歩もうとするもののひとりという考え方でいる。
しかしながら、ユパンキ生誕100年を記念した書籍「ユパンキと再会するためのガイド」において、このスマ・パスほか、アルゼンチンとブラジルの三名の”ユパンキアーノ”とともに、自分の名前が巨匠の”直弟子”として紹介を受けたのは、本当に嬉しいことだった。
大切なのは、巨匠の芸術を心から愛し、それをベースに新たな独自のスタイルで一流儀を極めるということだろう。