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東京渋谷セルリアンタワーでお待ちしています
ニューヨーク日記
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去る4月8日、東京公演にむけて出発の3日前、皆既日食でにぎわうニューヨークのミッドタウンにおいて、親しい書道家・院京昌子さんとともに、これから力を入れてゆく、「書」とギターによって、アンダルシアの「カンテ・ホンド(深い歌)」を表現する、「プロジェクト・ガルシア・ロルカ」の第1弾、”ソレダー・モントーヤ ~黒い哀しみのバラード~”の撮影を行った。
「黒い哀しみのバラード」は、ひとりのジプシー娘の姿を通して、アンダルシアに暮らすジプシーたちの悲哀と宿命を謳いあげた、ガルシア・ロルカの傑作詩のひとつ。
アンダルシアを、ニューヨークのミッドタウンに置き換え、昌子さんが、主人公の”ソレダー・モントーヤ”を演じ、僕自身が、脚本、撮影、編集、演出、そして音楽とすべて担当した作品。
いま、ロルカと音楽といえば、猫も杓子も、ありきたりのフラメンコという感じだが、ロルカはフラメンコとカンテ・ホンドの違いを問われた際、”現在歌い踊られているフラメンコは、カンテ・ホンドの退化でしかない”という発言をした。
ロルカとフラメンコをひとつとして考えるのは、決して正しくない。
僕は今後も、この「カンテ・ホンド」を、決してフラメンコにせず、自分が感じる独自の方法で表現してゆきたい考えでいる。
東京公演のご予約は、こちらのリンクページよりお申し込みください。
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来る4月25日、東京渋谷セルリアンタワー東急ホテル二階「JZ Brat Sound of Tokyo」昼夜二公演は、いずれも19世紀のロッカー、ニコロ・パガニーニに捧げる新作「悪魔のロマンス/パガニーニ・ライヴ・イン・ロンドン1932」で幕を開ける。
パガニーニは、ギターを愛奏した恋人のために、多くのギター曲を書き残した(ほとんど消失したらしい)が、それらを自らステージでプレイすることは一度もなかった。
パガニーニにとって、ギターとは、彼の心を優しく、穏やかにできる唯一の楽器ではなかったのだろうかと僕は思っている。
そんなパガニーニが、彼の1931~1932英国ツアーのクロージングとして、一晩だけギターを抱えて聴衆の前に登場したら?
これは、そういったアイディアからクリエイトした、ギターファンタジー。
パガニーニが残したギター曲の中でも、僕が最も好きな「ロマンス」を(彼がプレイするギターの音を思い描いて)独自のアレンジを加えたものを最初に弾き、さらに後半、「19世紀のロッカー・パガニーニ」を強調する、少々技巧的で、華やかな展開をもつアレグロをクライマックスとしてつなげた
ビデオのなかでも見せているが、彼のツアーの日程たるや、移動が馬車しかなかった時代にして実に信じがたいもので、まさに70年代のハードロックバンドを彷彿とするような人気ぶりがうかがえる。
パガニーニは、クラシック音楽を「自作自演エンターテインメント」として推進させた、最初のアーティストだと僕は思っている。
最も当時の音楽家たちは、みながみな新しいことをやっているという意識で音楽をクリエイトしていたと思うので、いま”クラシック”と呼ばれていることを知ったら、きっといやな顔をするに違いない。
蛇足だが、この世には”クラシックしか聴かない”ということを言う人がいるが、そういう人々のほとんどは、クラシックと呼ばれる音楽を好きな自分が好きなだけ。
本当に音楽を理解しているとは言い難く、僕は信用しない。
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パガニーニは生前、その超人的テクニックを盗まれることを恐れ、一切楽譜の出版を行わなかった。
ゆえに、現在弾かれているものは、当時の弟子や、音楽家たちが「こんな感じだっただろう…」と勝手に想像したもので、おそらく(いま聴くことのできない)本物のパガニーニは、音にしてもテクニックにしても、どんな想像をもってしても到底及ばない、いま僕たちが聴かされているものの、まさに数億倍素晴らしいものだったに違いない。
もし現在、自分の音楽と称されて、録音されたりコンサートで弾かれているものをパガニーニ自身が聴いたら、彼は間違いなく、”これ何?”と聞くだろう。
彼の奏でる音色と技巧は、(現代においても)人が練習して到達できるものではなかったと言って間違いない。
その容姿や私生活などから、悪魔的印象の強いパガニーニだが、街角で(決してうまいとは言えない)ヴァイオリンを弾いて稼いでいる貧しい子供を見ると、横で自らの楽器でプレイして、往来の衆からしこたまお金をかき集めてあげたり、また、当時誰も理解できなかったベルリオーズを「ベートーヴェンの後継者」として誰よりも認め、多額の援助をして彼を助けるなど、正しい眼力と優しい心を持っていたことを、僕たちは決して忘れてはならない。
「天使のギタープレイヤー」パガニーニを、2014年の東京に蘇らせるために、これから数百回のリハーサルを行わなければならないが、僕は今、ギターを弾くこと、そして自分の作品をクリエイトすることを、おそらく今まで生きてきて最も楽しいと感じている。
コンサートのご予約は、こちらのリンクページよりお申し込みください。
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4月25日、東京渋谷セルリアンタワー「JZ Brat Sound of Tokyo」昼夜二公演は、昨年に引き続き、アルゼンチン大使館の後援を受けて行う運びです。
この場を借りて、大使館の皆様に心から感謝申し上げます。
コンサートのご予約は、こちらのリンクページよりお申し込みください。
長くニューヨークに暮らしているが、3月22日の午後、実に初めて、セントラルパーク内のジョン・レノンゆかりの地「ストロベリーフィールズ」を訪れた。
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ミッドタウン・チューダーシティにある「フォード財団」のギャラリーでは、現在、僕がたいへん大きなインスピレーションを受けるウルグアイの女性アーティスト、レオニルダ・ゴンサーレス(1923-2017)の作品が展示されている。
フォード財団のギャラリーは、簡単なセキュリティチェックを受けるだけで、誰でも無料で入れる。
吹き抜けロビーは、まさに「都市の森」。
まるで楽園に来たかのような気分にさせてくれる。
フォード財団は素晴らしい😀
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来る4月25日、東京渋谷セルリアンタワー東急ホテル内「JZ Brat Sound of Tokyo」における二公演の、コンサートタイトルとして初演する「ドブレ・アーの嘆き~ピアソラへのオマージュ~」。
これは、南米の深い情感を、これまで以上によどみなく、最高のサウンドで表現するために、手首と、弦をヒットする指の角度の改良に次ぐ改良を重ねた結果、中途で決してへたらない、終始持続するパワーをジェネレイトする、オーケストラにも劣らない増幅力を得ることのできた、まったく新しいスタイルのギターソロとしてプレイする新作の、ニューヨークの自宅での最終リハーサルの様子をお見せする動画。
僕の中にある、クラシック、フラメンコ、南米フォルクローレ、ロック、そしてジャズのフィーリングが全て融合して、僕がなによりも愛する「ピアソラ五重奏団の音」を、ギター一台で表現するものだ。
映像と音は、すべてアイフォン(14)で撮った、いっさい加工のないもの。この世に、アイフォンで録った音ほど正直なものはない。
僕はこうして、納得のゆく「音」が出るまで、何度も何度もこの作業を繰り返して初演の日に備える。
まだこれからひと月半、1000回以上弾きこむ必要があるが、現時点での「ギター・ルネッサンス」の調べをお楽しみいただければ嬉しい。
コンサート、すでにご予約いただいた皆様に、心から感謝申し上げます。
今後のご予約は、こちらのリンクページよりお早めにお申し込みください。
4月25日、渋谷セルリアンタワーの素敵な会場でお目にかかれることを心待ちにしています。