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ニューヨークと「無花果の森」

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どんな土地を訪れても、私にとって必ず帰る場所はニューヨーク。

地の底から湧き上がってくるような震動とともに、アーティストにとって最も必要といえるインスピレーションを与えてくれるただひとつの土地であり、それでいて深い憩いと安らぎ、そして大いなる出会いを得ることのできる「かけがえのない’親友」。

今日はまず、ホリデーシーズンを迎えて一年でもっとも美しい「俺の庭」、ニューヨークの空気をお送りします。

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(写真はすべて、クリックすると拡大表示します。)

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この一年、私はニューヨークで、実に10曲以上の作曲を行いました。

そのなかのひとつが、今年6月に公開されたBS-TBS製作による日本映画「無花果の森(原作:小池真理子、監督:古厩智之、主演:ユナク&原田夏希)」のサウンドトラック。

昨年の12月、やはり新作曲である「ハンアの舞」初演のため日本に招待を受けた際、赤坂のTBS本社で行われた会議の場で、編集されたばかりの’音楽なし’DVDを受け取り、ニューヨークに持ち帰って数回観たあと作業開始、監督の古厩さんとオンラインでコミュニケーションをとりながら、年明けにマンハッタンのスタジオでレコーディングを敢行。
東京に音源を無事送付した直後、バタバタとアルゼンチンツアーに出発しました(慌ただしかった…)。

上記のビデオは、私のギターが効果的にフィーチュアーされた映画の予告編。
この映画のために作曲した「ソレダー(孤独)」、そして「ロマンセ(ロマンス)」の一部をお楽しみいただけます。

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この写真は、今年の4月、東京五反田のゆうぽうとホールで行われた「無花果の森」プレミア試写会に招待を受け、劇中音楽のライヴ演奏および舞台挨拶を行う直前の控え室でのスナップ。

演奏の前、ステージで準備をしていると、一人の女性がツカツカと近寄ってきました。

それは主演の原田夏希さんのマネージャーで、”本当によい音楽をありがとうございました。先日の関係者試写会でも、音楽の力に映画が助けられているとみんなで話していました。大竹さんのギターは、なにか音楽を聴いているというより、心のこもった「言葉」、そして「会話」を聞いているような、そんな気分になります。”と、丁寧にご挨拶を受けました。

この映画の音楽は、俳優としてこれからひとつひとつ将来を築き上げて行くだろうと思われる日韓の二人の若い才能を、耳に聞こえる’台詞以外の心の言葉’で補い、そして美しく映像に融合させることができればと願って作曲したもの。

それをしっかりと感じとり、そのあとEメイルでも同じ感想を丁寧に送ってくださった夏希さんのマネージャーの言葉に、私はたいそう感激しました。

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「ソレダー」と「ロマンセ」は、7月に発表した新作CD「イベロアメリカーナ」に、私自身かなりノッてプレイしているライヴバージョンを収録。

「イベロアメリカーナ」は現在、日本のアマゾンで輸入盤、そして東京のテイクオフ社で日本語解説付きの国内盤が販売されています。

映画「無花果の森」予告編

サウンドトラックを担当した日本映画「無花果の森」の予告編が公開になりました。
私が作曲、演奏したギターソロ二曲(トレイラーの性格上、編集されて中間でくっついていますが)を聴いていただけます。

タイトルのクレジットとともに、最初に低音がビーンと響く三拍子の調べは’ソレダー(孤独)’。アルゼンチンの音楽形式のひとつである’カレテーロ(”荷車車夫”という意味)’を導入し、原田夏希さん扮する主人公の女性の孤独感、そして荒涼とした砂漠のように乾ききった心を表現したものです。

私はつねに、私にとってこの上なく美しい南米音楽の伝統を重んじる一方、それを土台にした自身のサウンドの創造、改革を日々続けています。
この映画の音楽も、監督の古厩(ふるまや)さんの考えをしっかりと把握したうえで、スクリーンミュージックとしての役割を果たしながらも、絶対に自分にしかはじき出すことのできない独自の音世界を構築しようと試みました。

結果、この映画のサウンドトラックも、他の私のオリジナル曲同様、確固たる私の精神と物の考え方の延長線上にあるものとして、たとえ今後、音楽のみが一人歩きして南米や世界の人々の前に出たとしても、決して恥ずかしくない、これが私のサウンドなんだと言えるものができたと自負しています。

それは決して自信過剰なのではなく、私の一番好きな言葉、”コンフィアンサ(信念に基づく自信、揺るぎない信頼感)”なのだとお考えいただければ幸せです。

東京公演直前

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4月16日、銀座にて。
サウンドトラックを担当した日本映画「無花果の森」、古厩智之監督(後方むかって左側)、三木和史プロデューサー、そして後援会長、大根田勝美さん(私の左側)と。
音楽制作にあたって、古厩監督と三木さんとのコミュニケーションはたいへんスムースで、楽しいものでした。
私はこの映画の作曲に100パーセント満足しています。
多くの皆様に、新しいスパニッシュギターのサウンドが融合した美しい映像の「無花果の森(6月14日公開)」を観ていただきたいと思っています。

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そんななか、たいへんクオリティーの高い音楽誌「ラティーナ」のインタビュー取材を受けました。
次号(5月20日発売)に掲載ということです。
こちらも是非お読みいただければ嬉しく思います。

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”神々の炎” 4.18銀座ヤマハホール公演

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今春4月18日、銀座ヤマハホールにて開催予定の、私の渡米25年を記念するリサイタルが、約一月後に迫りました。
今回は、これまで私を支え続けたユパンキ、そしてバッハの名曲をはじめ、私自身、本当に長きにわたって取り組んで来た南米音楽をさらに発展させ、はじめてサウンドトラックを担当した日本映画「無花果の森(小池真理子原作、古厩智之監督)」のナンバーや、今年のはじめのアルゼンチンツアーの際、コルドバ州政府より委託を受け作曲した、同国の国民詩人レオポルド•ルゴーネスの生誕140年を記念する最新組曲「神々の炎」の初演など、必ず皆様に、思う存分ギター音楽の素晴らしさを堪能していただける公演になると信じています。
特に「神々の炎」は、信念の詩人ルゴーネスの生涯にモチーフを得て、クラシック、スパニッシュ、そして南米から、若干のロックフィーリングに至るまで、ありとあらゆるギターのテクニックを導入し、不知火のごとく、そして逆巻く火炎のごとく燃えあがる現在の私自身を、そのまま偉大なる詩人の魂にオーヴァーラップさせて音で表現したナンバー。
今年の6月に再度アルゼンチンを訪れ、同国初演を予定しています。
ぜひ聴きにいらしてください!

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本日は、コンサートの詳細およびプログラムを以下記載します。

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