サルタの誇り高きガウチョと心優しき詩人
音楽家ならば、一生涯忘れられないコンサートというものが誰にでも必ずあることでしょう。
私にとってのそれは、3年前、アルゼンチン北部に位置する美しい町、’フォルクローレのゆりかご’と呼ばれるサルタ市 で行った公演です。
私はこの公演が決まったとき、以前からレコードで親しんでいた、サルタ出身の(ロス・チャルチャレーロスや、ロス・トゥクトゥクなどと双璧をなす北部-ノルテーニャ-スタイルを代表する)フォルクローレ・グループ、‘ロス・カントーレス・デル・アルバ’ の代表曲のひとつであるサルタ賛歌、’Mi Traje de Gaucho(俺のガウチョ服)’をぜひ演奏しようと思いました。
そこで現地の主催者に連絡したところ、なんと、やはりサルタ出身で、このナンバーの作詞者である、ペドロ・セルバンド・フレイタ さんご自身から楽譜が送られてきてまずビックリしたのですが、これに加えてさらに当日は、これまたサルタ出身の伝説的フォルクローレ・グループ、’ラス・ボセス・デル・オラン ‘の創設者であるフォルクロリスタ、マルティン’ピティン’・サラサールさんが全面的にサポートしてくれるとのニュースに、私はすっかり感激してしまったのです。
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アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 II
私はこれまでに、アルゼンチンの多くの地方を旅して見聞を広め、そしてできるだけたくさんの美しく力強いフォルクローレの調べを体のなかに、そして血の中にしみこませようと努力してきましたが、結果それは、3年前に行った、’フォルクローレのゆりかご’と呼ばれるサルタにおける公演において、私のキャリアの第一段階としての頂点を招きむかえてくれたかのように思えました。
そんな私が、いまだ訪れたことのない美しい土地。
それが、ビダーラ(ビダリータ)、チャジータといった独特の調べと豊かな自然、そして広大なブドウ畑をその胸にいだく、ワインの名産地として知られる’ラ・リオーハ’地方です。
(写真は、私のサルタ公演を報じた、’エル・トリブーノ紙’。
‘日本人ギタリストとユパンキ作品’という見出しで、素晴らしいユパンキの写真が使われています。
ユパンキは生前、母国のアルゼンチンや隣国のウルグアイでは、’Don Ata(アタ親分)’と、親しみをこめて呼ばれていました。)
そのアタ親分が、ラ・リオーハによせた素晴らしい詩をご紹介します。
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2002年と2004年に行った、中南米への演奏旅行は、トータルで3週間、7カ国、14回公演というとてもタイトな日程でしたが、生涯忘れられない素晴らしい経験になりました。
2004年 ラテンアメリカツアーのポスターとプログラム
左)Anita Villalaz Theatre(パナマ/パナマシティ)
右)Compania de jesusの中庭(グアテマラ/アンティグア)
左)Vina Cathedral(アルゼンチン/サルタ)
右)TV番組に出演(ウルグアイ/モンテビデオ)
ウルグアイのクラシックギタリスト、ロベルト・ラヴェーラ氏と“ニューヨーク風ヴィラ=ロボス第3番-マリア・ルイサの城-”を共演。
ウルグアイ・モンテビデオ
ニューヨーク風ヴィラ=ロボス in モンテビデオ
ウルグアイのクラシックギタリスト、ロベルト・ラヴェーラ氏と“ニューヨーク風ヴィラ=ロボス第3番-マリア・ルイサの城-”を共演。
ウルグアイ・モンテビデオ
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アンダルシアのレモンと、イタリアの濃厚なハチミツに、アタウアルパ・ユパンキの魂が溶け合う、静寂のグロリエータ(四阿)「カンテホンド・イベロアメリカーノ」の音楽世界