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NEW DISC – ナンブ

051203

啄木をフォルクローレの調べにのせて
シロ・エル・アリエーロ アルバム「NAMBU」

明治の歌人、石川啄木とラテンフォルクローレという、国も文化も超えた両者を「郷愁」という共通元の元、見事に融合させた四部作「南部組曲」- ニューヨークを拠点に活動するフォルクローレ・ギタリスト、シロ・エル・アリエーロ(大竹史朗)は、啄木の歌にある「北上」という地名から強烈なインスピレーションを受けてこの組曲を完成させたという。
シロが大きな飛躍を見せた2000年発表のアルバム「NAMBU」は、このほか幻の古代都市、アステカに思いを馳せて作り上げた「テノチティトラン」など、ノスタルジアに満ちた作品、全11トラック。遠い故郷を想う夜に。
週間NY生活 2005年12月3日

「マリア・ルイサ」に続いて、「ナンブ」がNYの日系書店等で発売になりました。
5年前に発表したものなので実際ニューディスクとはいえませんが、その時々の流行や、世の動きに決してとらわれることのない普遍的な輝きと祈りの心をもったアルバムだと自分では信じています。
私はこれからも、甘さと強さを兼ね備えた魂の音楽を創ってゆきたいと思っています。

2004年 啄木祭

混声合唱曲ニューヨーク風ヴィラ=ロボス第5番
2004年6月5日
玉山村文化会館  姫神ホール(岩手県)

郷土が生んだ歌人石川啄木を顕彰する玉山村合併50周年記念の啄木祭に招待され、組曲‘ナンブ’および、30名による混声合唱曲‘ニューヨーク風ヴィラ=ロボス第5番-マトーコタンの物語-’を披露

040605

1998(日本) 毎日新聞 ひと

組曲’ナンブ’-ニューヨーク風ヴィラ=ロボス第2番

98mainichi

石川啄木に魅せられ
組曲‘ナンブ’を作ったフォルクローレ奏者

やはらかに柳あをめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに
石川啄木の歌を詞に、琴の音に似た美しい旋律をギターの指から弾く。
ニューヨークを拠点に南米のフォルクローレ(民族音楽)の演奏活動を続けて10年の今年、ふるさとに思いを寄せたオリジナル組曲「ナンブ」を完成させた。
「啄木の故郷、岩手を2年前の夏に訪れ、”北上”という彼の言葉に強烈な郷愁をおぼえ、この曲を作りました」
東京で9月、お披露目コンサートを開き、続いて盛岡のライブでは、涙を流して聴いてくれた人もいた。
いとしい人に合えない甘酸っぱい切なさ。それに似た気持ちを「日本」に感じている。
中学生のとき、アルゼンチンのギターの巨匠、ユパンキの来日公演をラジオで聴き、情感豊かな演奏にひきつけられた。ギタリストを志し、26歳で渡米した。
ユパンキに手ほどきを受けた実力派。とはいえ、技量が上達すれば上達するほど「自分はユパンキにはなれない」と悩んだ。
吹っ切れたのはユパンキが亡くなった2年後の1994年。アルゼンチンの山村の小高い丘にある墓の前で弔いの演奏をしたときだった。
「シロ、アリエーロ(牛追い)のようにギターを弾くんだ」。師匠の声が聞こえた。名をシロ・エル・アリエーロと改め、自分の音楽を切り開こうと決意した。
「今、僕の中にいい意味で”日本的なもの”が根づいている」
南米と日本の融合という新たな試み「ナンブ」は来春、ボストンで地元の合唱団をバックに演奏する計画だ。
(文と写真 明珍美紀)

毎日新聞 ‘ひと’ 欄
1998年