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ちょっとひと休み

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一月の日本滞在は、おってアップデートしますが、国内4ヶ所、全16日間の滞在中、枕が8回変わるという、とにかく日程的にタイトなもので、さらにこのところの音楽創作にかけたあまりにも膨大な労力の蓄積が加わり、ニューヨークに戻ったあと、左後頭部から左アゴにかけて帯状疱疹を患ってしまいました。

幸い、自宅から歩いて1分のところに開業するユダヤ人名医の治療を受け、いま順調に全快に向かっています。

しかしながら、10日間ほどヒゲを剃ることができず、バレンタインデー💘は、ご覧のようなヒゲズラで。

フォレストヒルズの名医、ドクター・ワインスタインと。
ユダヤ人のお医者さんは、ひと目で人を安心させる雰囲気を持っていて素晴らしい👍

おかげさまで3年半ぶりに受けた健康診断と血液検査は、全くどこも異常なく健康そのものでしたが、これからは半年に一度、必ず健康診断を受けることを決めました。
今回の帯状疱疹は、良いウエイクアップコール🕰️だったと思います。

しかしながら、ミュージシャンなどといういきものは、誰が何と言おうが所詮無理するもの。ミュージシャンが理想の音楽クリエイションのために無理できなくなったら、その時はもう終わりでしょう。

ただ、2月中はギターには手を触れず、ゆっくりテレビを観て過ごすつもりです。
現在僕は、概ね来年の4月まで日程が決まっているので、自分ひとりの体ではありません。
関係者のみなさまにはご心配をおかけしますが、三月はじめの完全復帰を目指しています。どうぞよろしくお願い致します。

横浜滞在中 Yokohama, La Hermosa ciudad portuaria

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1/16に、ニューヨークから羽田に到着。翌17日から二泊の岩手滞在を終え、昨夜から横浜みなとみらいのホテルに滞在しています。

今日から、連日連夜の都内での日程をこなしてゆきますが、夕べだけは誰にも会わず、大好きなハマの一夜を満喫しました。

ホテルの部屋からは横浜港の絶景が楽しめ、さすがに昨夜は労働意欲を失いました。

偶然発見の、本場🇺🇸顔負けのウエスタン専門店❗️

ライヴの際に総髪を留める、コンチョのついたナイスヘアバンドをゲット。
こんないいやつアメリカでも手に入らない…

自分はひとりでいると、やはりこういう店にスーッと入ってしまいます。

ニューヨークから来ると、現在の日本の物価はビックリするほどリーズナブル🫢

清瀬保ニ(きよせやすじ 1900-1981)さんに捧げる最新作「HIMIKO 卑弥呼」

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作曲家・清瀬保ニさんは、僕が日本で最も素晴らしいと思う、九州大分出身のサウンドクリエイター。

清瀬さんが亡くなられた翌1982年4月2日に、東京文化会館大ホールにおいて、この偉大なる作曲家に対するオマージュとして行われたコンサートを収録したLPは、僕が長きにわたって大切にしているものだ。

新交響楽団、指揮・芥川也寸志、そしてピアノ・林光という、それぞれがサウンドクリエイターとして傑出したふたりのアーティストによるタッグパフォーマンスは、音が天空を舞うように、そして海底を彷徨するように、一切の小細工のない、真のエネルギーとエモーションに満ちたオーケストラの調べとともに、みずみずしい清涼感をともなって胸に迫ってくる。

このようなコラボレーションは、現在ではもう考えられない。

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これは、来年1月26日の東京麻布十番「富麗華」特別会場におけるコンサートで、清瀬保ニさんへのオマージュとして初演する最新作「HIMIKO 卑弥呼」の自宅制作動画。

当日歌っていただく黒川泰子さんに、全体がどんな感じか見てもらう用途のものなので、ラストは僕が、ギターをプレイしながらソプラノもどきで歌っている💦

もちろんこれは、一般非公開ビデオですが、良いと思っていただけるのなら、上記リンクでどなたでもご覧いただけます❤️

しかしこういうものを、スタジオなどにゆくこともなく、また専門屋さんに依頼することもなく、全て自宅でできるようになったのは、今さらながらにiPhoneとソフトウエアの進歩のおかげです😊

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実は僕は、長い間、‘邪馬台国九州説’をサウンド化したいと思っていたが、なかなかアイディアが出ずにいた。

それが数日前、本当に久しぶりに清瀬さんのレコードに針を落としたところ、“これをヒントに「卑弥呼」を作りなさい”というグラン・マエストロの声が聞こえた気がして(ホントです❣️)、僕は2日で、まずこの最新作の「ベースになる音」をクリエイトことができた。

また、ギター音楽としてのみでなく、ひとつのエンターテインメントとしてパンチのあるものにするためにアイディアを練っていたところ、またまた“万葉集を読みなさい”という清瀬さんの声が聞こえ、結局僕は、たった3日で全てを仕上げることになる。

大和には 群山(むらやま)あれど
とりよろふ 天の香具山(あめのかぐやま)
登り立ち 国見をすれば
国原は 煙(けぶり)立ち立つ
海原は かまめ立ち立つ
うまし国そ 秋津島 大和の国は

「国見の歌」は、舒明天皇が詠んだものだが、奈良の都大和国のことを謳っているという説が一般的だが、いや、これは一国家の代表として、理想の島国を夢見ての心持ちなのだという説もあり、さらにまた、詠まれている言葉の端端から、現在の九州に位置した邪馬台国を謳っているという臆測の声も、少なからずある。

僕はミュージシャンであって、学者でも研究者でもないので、あまり史実にこだわることはしない。
こういったモティーフのものを作る際、あまり史実にこだわると、かえってインスピレーションが曲げられてしまうことが多々あり、信憑性は低くとも、そう信じた方がロマンティックであり、イマジネーションの翼を拡げやすいほうを選ぶ。

「邪馬台国九州説」は、僕の最大のインスピレーションなのだ。

清瀬保ニさんが、邪馬台国九州説をとなえておられたのかはわからない。

しかし、この優れたサウンドクリエイターが、彼が生を受けた九州の大地の下に眠る、なにかとてつもない振動や鼓動を感じて、あの、古来日本が持っていた躍動感と情感に満ちた「音の洪水」を想像していたことは間違いない。

1月26日「富麗華」公演。

第二部メインのスペインの鼓動、アントニオ・ガデスへのオマージュへとコネクトさせる前半クライマックスとして、黒川泰子さんとともに、僕は「卑弥呼」を、いまは亡き日本の大作曲家のために、心を込めて演奏する。