見前中学校からの嬉しい手紙

手紙

昨年の12月に、盛岡市立見前(みるまえ)中学校で行ったコンサートはたいへん思い出に残るものでしたが、その後、同校生徒会長である佐藤保乃香さんが嬉しいお手紙をくださいました。

拝啓
寒さが厳しい季節になりました。
シロ・エル・アリエーロさんにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
さて、先日は「演奏会」を開いて頂き、ありがとうございました。演奏会では、すばらしい音楽はもちろんのこと、リズムについての解説や、実際にフォルクローレを体験でき、とても楽しむことができました。
「リトラール」や「ガト」、「サンバ」など、詳しく教えて頂いたことは、今でも覚えています。
私は、シロ・エル・アリエーロさんの美しいギターにも驚きましたが、伸びがあり、美しい声をしている所も驚きました。インタビューのときに歌ってくださった「よりじゅ」、とても心に響きました。あの部屋にいた生徒全員が、心から感動していたと思います。改めて、音楽の美しさ、すばらしさを感じました。
インタビューでは、他にもたくさんの質問に答えてくださり、とても勉強になりました。
また、今回の演奏会はボランティアで開いて頂いたと聞きました。本当にありがとうございます。世界中で演奏をしていらっしゃるシロ・エル・アリエーロさんのギターと歌は、私達の感動する心を成長させて下さったと思います。
すてきな時間をありがとうございました。
それではこれからも健康に気をつけてお仕事を頑張って下さい。

盛岡市立見前中学校 
佐藤保乃香
シロ・エル・アリエーロ様

携帯電話やPCの画面から情報を得るいまの子どもたちと違って、13歳の私にとってはラジオがすべてでした。ラジオも情報発信する電気の小さな箱には変わりありませんが、聴覚から得る、とくに音楽のもつ影響度というものはテレビなどの視覚からくるそれよりもずっと曖昧で、成熟していない子どもの脳にあたえる決定力はそれほど圧倒的なものではありません。
私はそこから想像力を生み出す感受性を育めたと信じています。
“遥か遠方より来る語り部-ユパンキ”の奏でる調べは少年の私に、まだ見ぬ美しい南の大地へ飛び立つための、イマジネーションの翼をプレゼントしてくれたのです。

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子どもたちの感受性は素晴らしいものです。彼らの澄んだ目、そして心を破壊するようなものを見せるようなことがあっては絶対になりません。私は、殺戮を繰り返すビデオゲームを作り、それを子どもたちに売りつける人間の神経を理解しません。大きなお金のためにもしそのようなことをするくらいなら、たとえ一銭のお金にもならなくても、ひとりでも多くの子供たちに美しい音楽を聴かせてあげるほうを私は選びます。
ユパンキのギターを聴いて感動し、音楽の道へと導かれていったそんな私が、いまこうして逆の立場となって彼女たちの心をとらえることができるとすれば、こんなに素晴らしいことはありません。私はこれからこの手紙をいつもギターケースのなかにいれて旅を続け、これを心の糧としながらさらに美しい音楽を創ってゆけるよう励もうと思っています。

SHIRO AND HIS GUITARS ARE GO !!!!!

(佐藤保乃香さんのほかにも、田鎖千佳子さん、そして沢山玲那さんからもお便りをいただきました。この場をかりまして、心から皆様に感謝申し上げます)