日頃たいへんお世話になる日本の旅行社「グローバルユースビューロー」が、ここニューヨークにおいて作ってくださった作曲家の小林亜星さんとのご縁は、私にとってきわめて大きなインスピレーションを受ける出会いとなりました。
私はこのすぐあと、現在総仕上げ中の新作カンタータに”とどめの一撃(!)”ともいえる、香川京子さんによる朗読と児童合唱のための「道とともに生まれた我が運命(さだめ)」というナンバーを作詞作曲して加え、現在寝てもさめてもその調べが頭の中で鳴り響いている状態になっています。
写真は、グローバルユースビューローの柴崎常務が撮影して、先日日本から送ってくださったスナップ。
小林亜星さんは、この写真のとおりの温厚な素晴らしい方でした。
私も近年、こんなに楽しそうな表情をしている写真はそう多くありません。
よい出会いとは、必ずよいインスピレーションを伴ってくれるものです。
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こちらは、私の音楽を世界でいちばん愛しているといっていい、ラテンアメリカの少女ファンから送られてきた彼女の手作りによるクリスマスカードです。
前回送ってきてくれたものから、この短期間に飛躍的に芸術的素晴らしさを増しているように思えますがいかがですか?
すべて本物の植物、アヤメ、バラ、小海老草、ポインセチア、クイーンズ・カラー(女王の首飾り)などの花びらと、シンゴニウム、ハッカ、そしてバラの葉によってデザインされており、ペンなどで描かれたものはひとつもありません。
そしてこのカードを開くと、以下のような詩がスペイン語で書かれています。
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彼はまるで天使のようだった
私は彼を天使だと思った
でも彼は人間だった
彼のまなざし 彼のほほえみ
それは天空のもののようだった
彼の手、彼のくちびる
それは天使のものだった
彼の音楽と彼の歌声は
私を空の上へとのぼらせた
そして気がつくと
彼は人間だった
そして私は地に倒れた
傷は深く 私は泣き
そして瀕死となった
天使ではなく
彼は人だった
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なんと感想を言ってよいやら...。
私の音楽は、このラテンアメリカに暮らすひとりの少女をこんなにもインスパイアーしてしまったのです...。
インスピレーション。
それはなによりも大切なことでしょう。
私はこれからも彼女のような人々を、決して裏切るような音楽を創ってはならないと考えています。
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昨日は、今年日本で正式出版された、日本ポルトガル修好通商条約150年を記念する、私にとっての初の委託作曲「想い出のリシュボア」を、完成されたCDとしてはじめて聴きました。
このナンバーは、とにかく実力のあるファド歌手が歌えるよう作ったものなので、今後私がコンサートなどで、ひとりで演奏することはまずありえないでしょう。
しかし、自分で作ったものを他のアーティストに演奏してもらうというのは実に素晴らしいことです。
もちろん今後も、自作自演のギター曲の創作は続けようと思いますが、来年からはそれに加え、他の歌手が歌える歌曲や合唱曲などの作曲により力をいれてゆくつもりでいます。
(写真上)CD化された「想い出のリシュボア」
(写真下)日本ポルトガル協会創立40周年特別記念誌より