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Yerma (García Lorca) La Romería 能舞台におけるガルシア・ロルカ バッハ・インプロヴィゼーション・ギターソロ(日本語字幕)

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Una interpretación en vivo de mi obra (una improvisación sobre ‘Prelude’ de violoncello solo Suite BWV. 1008‘)para solo de guitarra inspirado por la estupenda escena del Acto III de ‘Yerma.’
Ya tuvimos un éxito de ‘Muerto de amor.’ Mi próxima función sera una obra centrada de este magnifico arte escénico del gran español.
La interpretación de ‘Shodo (caligrafía japonesa)’ por Masako Inkyo.
Grabado en vivo en el teatro ‘Noh’ en Tokio.

A live performance for my solo guitar work (an improvisation over ‘Prelude of violoncello solo suite II BWV. 1008‘)inspired by the stunning ‘Act III’ opener of ‘Yerma.’
We already had a success on ‘Dead from love.’ My next performance will be the one I put this ultra Spanish phenomenon in the axis.
The stunning ‘Shodo (Japanese calligraphy)’performance by Masako Inkyo.
Recorded live at Traditional ‘Noh’ theater in Tokyo.

12月8日に銀座ヤマハホールで行われた「愛の死〜レクイエム〜」公演を終えてニューヨークに戻り、休む間もなくすでに新作の作曲に着手している。
次回作は、ガルシア・ロルカの傑作戯曲「イェルマ」を主軸に置く作品になるだろう。

と言っても、三幕戯曲をそのまま上演するのではない。
朗誦、歌唱、舞踊、そしてギターによって表現する、きわめて斬新なロルカ・トリビュートにしたい考えでいる。

「イェルマ」は、およそ100年前のアンダルシアの村を舞台に、子供を宿さない石女(うまずめ)イェルマが、クライマックスで狂気と化して夫をナイフで刺殺するというストーリー。

並みの作家なら、ただの痴話沙汰で終わってしまうようなこの物語が、「血の婚礼」同様、現在でも世界中で愛され、新しい解釈によって上演され続けているのは、”戯曲も書くことができた詩人”では決してない、”戯曲を書くために生まれてきた詩人”ロルカの、類まれなる”詩と歌”の暗示による、きわめて優れた芸術的構成力によるものだ。

このギターソロは、そういったロルカの傑出した能力が最高峰的に炸裂する「イェルマ」第三幕のオープニング。

主人公のイェルマが、悲劇的結末に向かって狂気化してゆくさまを、仮面をつけた’雄(オス)’、’雌(メス)’、’男たち’、’女たち’、そして’子どもたち’の声と動きによって暗示する、幻想とサディスティックなまでのデカダンス感覚に満ち溢れた、まさに”真の美の極致”といった、僕が心酔する”ロメリーア(屋外で行われる参詣の祭りを指すので、日本に置き換えると”神楽”)”の場面を表現したもの。

前衛的で、少々エロティックな内容だが、日本語字幕でお楽しみいただける

まだこのあと、どれだけの曲を作曲することになるかわからないが、ロルカ芸術は、今自分にとって最も自分を表現できるものだと思う。
自分はこれからも、納得がゆくまでロルカ・インスピレーション・ワークのクリエイションに全力を注ぐ。

「愛と死」では、狂言と日舞の要素を入れたが、次回作ではさらに踏み込み(まだアイディアを練っている段階ではあるけれど)、’’の要素を入れたいと思っているが、それはただ、ありきたりに能の舞い手に出演してもらうということではなく、なにか他の手段での表現のほうがいい。

ロルカを追求すること、それは僕のゴールである「カンテホンド・イベロアメリカーノ(南米の深い歌)」の追求に他ならない。
決して容易なことではないが、僕が深く携わるユパンキ、そしてアルゼンチンの伝統音楽は、まぎれもなくこのカンテホンドが母体であり、フラメンコ以上に正統的にそれを継承しているということを、自分自身の音楽で表現してゆきたい。

この動画は、東京青山・鐵仙会能楽堂におけるライヴ。

曲は、自分でアレンジした、僕が大変好きなバッハの無伴奏チェロ組曲第2番プレリュードを、後半インプロヴィゼーション展開させたオリジナルギターソロ。
このバッハ作品は、まさに’深淵’ともいえる美しさだが、良いアレンジがなく、ほとんどギターで弾かれることはない。
このアレンジは、変則調弦によってチェロのダイナミック感を出したもので、とても気に入っている。

深みに満ちた、美しい書道のパフォーマンスは、ニューヨーク在住の書道家・院京昌子さん。

Tribute LIVE to Astor Piazzolla & Anibal Triolo アストル・ピアソラとアニバル・トロイロへのトリビュート

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Durante mi concierto en Tokio (12.8.21,) hice una interpretación homenajeada a los dos grandes bandoneonistas argentinos.
Aunque no soy fanático de Tango, tengo gran influencia de aquellos maestros como un creador de la música.

During my concerto in Tokyo(8. XII 21,) I gave an homage performance dedicated to the two greatest bandoneon players.
Although I’m not a Tango crazy, I have so many influence from these Argentine giants.

昨年12月8日、東京銀座ヤマハホールで行った公演の第一部で、ぼくはアストル・ピアソラアニバル・トロイロという、ふたりの偉大なるバンドネオン・プレイヤーに敬意を表し、その代表曲をギターソロ・メドレーでプレイした。

一曲目がピアソラの「忘却(オブリヴィオン)」、そして二曲目がトロイロの「最後の酔い(ラ・ウルティマ・クルダ)」。
どちらも広く愛されているナンバーだが、特にトロイロの「最後の酔い」は、ブエノスアイレスの”市歌”といえるくらい万人に親しまれている

ぼくはタンゴ・クレイジーではないが、ひとりの音楽クリエイターとして、このふたりのタンゲーロに大きな影響を受けている。

この録音は、ヤマハホールのステージ上方に設置されたマイクによって録られた全く無修正の音源だが、ぼくのプレイも、第二の故郷アルゼンチンに対する万感の思いが込められ、おそらく現時点でこれ以上はできないかなというライヴ・パフォーマンスになっていると思う。

一切PAを使用しない完全アンプラグド(生音)。
よって、聴衆の咳やクシャミもそのまま収録されているが、当夜の音そのままの、臨場感あふれるライヴサウンドだ。

日本滞在時の写真アルバムも混じえてお楽しみください。
二年ぶりの母国滞在は、応援者の皆様のおかげで本当に楽しいものでした。

‘Requiem’ Success in Japan! 「愛の死〜レクイエム〜」東京公演成功!

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Mainichi Newspaper 12.8.2021 edition
毎日新聞(12月18日付)公演後記事)

Fue un gran éxito ‘Requiem ~Muerto de Amor~‘ en Tokio.
Desde el fondo de mi corazón, agradezco a todo los expectadores, y a los grandes amigos que me ayudaron tremendamente.

Requiem ~Dead from Love~‘ had a big success in Tokyo.
From the bottom of my heart, I am grateful with all the audience and the all of my good friends who helped me with their huge love and kindness.

銀座ヤマハホールにおける、二年ぶりの東京公演「愛の死〜レクイエム〜」が成功・終了。12月21日の火曜日の朝、無事ニューヨークに戻りました。
規制の多いなかでのコンサートでしたが、満場を埋めてくださったお客様に心から感謝申し上げます。

以下、ニューヨークに戻って編集した、「愛の死〜レクイエム〜」のハイライト動画三曲をお楽しみください。

こちらは、日本滞在フォトアルバムです。

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Bodas de sangre: Luna (Blood Weddings: Moon)

Poem: Federico Garcia Lorca
Music: Shiro “le Gitan” Otake
Poem reading: Maria “la Gitane”
Recorded live at Yamaha Hall Tokyo (12/8/2021)
Photos: Rieko Yamamoto

「愛の死〜レクイエム〜」の冒頭は、ガルシア・ロルカの傑作戯曲「血の婚礼」から、全編中最も美しい、ステージが神秘的な蒼い光でいっぱいになる「」の独白。

「血の婚礼」は、およそ100年前のアンダルシアの村を舞台に、若い花よめが、婚礼当日かつての恋人とともに失踪し、大惨事となるストーリー。

並みの作家なら、ただの痴話沙汰で終わってしまうような内容だが、そもそも人格や言葉を持たない「」や「」といったものたちが、さまざまな人間の姿となってあらわれ、禁断の恋人たちの血塗られた将来を詩の朗誦をもって暗示する、ギリシャ悲劇やシェイクスピアの「真夏の夜の夢」、さらには日本の「能」の深淵を彷彿とさせながらも(それでいてスペイン的な)、きわめて高度な文学的表現が全編にわたって溢れる、今も世界中で愛され続けている傑作文学。

朗誦を行ったマリア・ラ・ジターヌは、ぼくが信頼する妹分。

長年にわたって日舞、そして狂言の発声と舞の修練を積んだ彼女を、今回初めて大舞台に起用したが、見事にロルカの世界を表現してくれた。

ぼくのギターも、おそらく現時点で、一人のギタープレイヤーとしてこれ以上のことはできないというプレイになっていると思う。

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Romance de la luna, luna (Ballad of the moon, moon)

Poem: Federico Garcia Lorca
Music: Shiro “le Gitan” Otake
Soprano: Reiko Shiba”
Recorded live at Yamaha Hall Tokyo (12/8/2021)
Photos: Rieko Yamamoto

続いて、ウイグル出身のソプラノ歌手・司馬麗子さんをフィーチュアしてプレイした、ロルカ傑作詩集「ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」の冒頭作品「月のロマンス」を日本語に訳して作曲した歌曲。

ぼくにとって初めての完全な現代曲だが、イントロダクションの、ブリティッシュ・ハードロック風に展開させたバッハの「パッサカリアとフーガ」も含め、この真の難曲を、麗子さんは血を吐くような努力をして歌い上げてくれた。

また、ぼくは楽譜というものを一切使わないので、彼女は自分でこのすさまじい音の流れを楽譜におこし、何度もぼくに確認をしてきたが、なにを送ってもぼくが、”それでいいんじゃない?”と言うので本当に大変だったと思う。本当によくやってくれた。

この日の彼女の歌唱には、アンダルシアの人が聴いても「ドゥエンデ(”ばけもの”と訳される、アンダルシア文化の根幹をなす真空的感動)」があったと確信している。

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Yo no soy gitano, soy andaluz(I’m not gypsy, I’m Andalusian)

Texto: Federico Garcia Lorca
Music: Shiro “le Gitan” Otake
Poem reading: Maria “la Gitane”
Recorded live at Yamaha Hall Tokyo (12/8/2021)
Photos: Rieko Yamamoto

私はジプシーではない、私はアンダルシア人だ

ガルシア・ロルカのレクチャーおよびインタビューにおける、印象的な彼の言葉を日本語訳したものに、自作ギターソロを加えたパフォーマンス。

どちらかといえば、現在も人種差別を受け、疎外されがちなジプシーたちが、実は真に高い文化を持っていること、そしてそれはバッハの芸術にも共通する深いものであるということが心から理解できる感動的なロルカの言葉だ。

このギターは、ぼくが最も気に入っている「ロルカ・インスパイアー」作品で、文字通りぼくの全てだと思う。

このギタープレイを嫌いだという人がいたら、”ぼくの音楽は聴かないほうがいいですよ”と言うしかない。

ロルカへのオマージュといえば、一部の間違った解釈により、すぐに単なるフラメンコとリンクされ、ほとんどが目を背けたくなるような、情念的なギラついたパフォーマンスが多いが、ぼくは、この”真にジプシーたちを理解した”ロルカの言葉を今後も追求し、そしてこれが、他でもない、自分が深く関わるアタウアルパ・ユパンキ、そして美しいアルゼンチンの伝統音楽の母体であるということ、すなわちそれは、カンテ・ホンド(アンダルシア文化の根幹をなす、”深い歌”と呼ばれるジプシーたちの調べ)を、最も正統的に継承しているのが(フラメンコではなく)アルゼンチンの(タンゴも含む)民族伝統音楽であるということを、自分自身の音楽として表現してゆきたい。

これこそが、ぼくにとっての”真のユパンキへのオマージュ”になるはずだ。
それはただ、巨匠の音楽を同じように演奏するということではない。

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ロルカは、かつて、フラメンコとカンテ・ホンドとの違いを問われた際、”現在タブラオなどで歌い踊られるフラメンコは、カンテ・ホンドの退化でしかない”と答えている。

こういうことを理解している人間は、いま殆ど存在しない。

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ライヴ音源は公開される場合、通常必ずスタジオで後処理され、体裁よく作り直されるのが常識(つまり100%ライヴではない)だが、たとえどんなミステイクがあったにせよ、もし手を加えてしまえばライヴの価値はなくなる。
この動画は、いずれも当夜、ヤマハホールが録音してくれたそのままの音源を、全くの無修正で使用している。

ヤマハホールの抜群のアコースティックが活かされた、一切マイクを使わない生音

もちろんミステイクもあれば、音程が外れているところもある。
しかしこれは、生身の芸術家たちによる、全く偽りのない、完全な真のライヴドキュメントとして楽しんでいただければ嬉しい。

C U IN JAPAN! 皆さま、日本で!

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Una fiesta de despedida al Japón después de 2 años.

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A send-off party after 2 years to Japan.

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二年ぶりの日本への出発に向けて、ニューヨークにおける、ごくごく内輪での壮行会でした。
明後日17日、お昼のフライトで東京に向かいます。

PCR検査の、両方の鼻の穴に突っ込むやつスサマジかった😭😭😭
今思い出してもオゾマシイです🙀🙀🙀

それでは皆さま、12月8日、銀座ヤマハホール公演「愛の死 ~レクイエム~」のステージでお目にかかれることを楽しみにしています!

12月8日東京公演「愛の死 ~レクイエム~」本日前売開始

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本日11月11日(午前10時)、来る12月8日の東京銀座ヤマハホール公演の前売を開始になりました。

チケットは、こちらのリンクページよりご購入いただけます。

12月8日、お目にかかれることを楽しみにしています。

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“Requiem ~Dead from Love~”

La nuit des gitanes au verger
(the night of the gypsies at the orchard)

Wednessday, 12/8/2021 at Yamaha Hall Tokyo
Door: 6:30pm
Show: 7:00pm

Here to click to purchase the tickets.

~CAST~

Maria “la Gitane” (Dance & poem reading)
Reiko Shiba (Soprano)
LAVA (Guitar & vocal)
Shiro “le Gitan” Otake (Musical direction, guitar & vocal)

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「愛の死 ~レクイエム~」

ジプシーたちの果樹園の夜

於:東京銀座ヤマハホール 2021年12月8日(水)
午後6時30分開場
午後7時開演

~出演~

マリア・ラ・ジターヌ(舞と朗読)
司馬玲子(ソプラノ)
LAVA(ギター&ヴォーカル)
大竹史朗 ”ル・ジタン”(音楽構成、演出、ギター&ヴォーカル)

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お待ちしています!