シロ・プレイズ ”J.S.バッハ”

bach

現在、ニューヨークとワシントンD.C.で予定されているふたつのFMステーションのインタビュー番組のために、クラシックギターのレパートリー3曲の特別録音を行いました。
今日はそのなかから、ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲による名作、「リュート組曲第一番ホ短調BWV996」の冒頭ナンバー”プレリュード”をお聴きいただきます。


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ミステリアスなまでに緊迫感の漂う、スタイリッシュかつ荘厳な前半部と、後半テンポアップして自由自在に展開するフーガによる曲調は、まさにバッハの独壇場。
昨年10月、ニューヨークのハンターカレッジで行った公演では、ユパンキの詩、”ティエンポ・デル・オンブレ”の朗読とともに演奏し、これが、やはり当夜演奏したヴィラ=ロボスの”コンチェルト”とともに大成功をおさめ、この結果、私は今年2月カーネギーホールに出演する好機を得たのです。
私はご存知のように南米音楽のギタリストですが、インタビューのなかで、もともとクラシックギターを勉強していたというところから、3曲ほどの、南米以外の古典曲の音源が必要になりました。
ごくシンプルなマイクセッティングの前で一発録りで弾いた、なんの後処理も施していないきわめてシンプルなまっさらさらのサウンドですけれど、おそらくこの録音から、少年時に、日本のギター界の重鎮、鈴木巌先生に教えていただいた基本奏法が、いまでも私をこうしてしっかりと支えてくれていることがよくおわかりいただけると思います。
市販するCDではまず聴くことのできない、”アルゼンチン風バッハ”をどうぞお楽しみください。

アルゼンチン風バッハ