デューク・エリントン小学校スペシャルイヴェント成功裡終了

ミドリ&フレンズとのプロジェクト

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今年の二月、カーネギーホールでの招聘演奏を終えた直後、ニューヨークにおける私の代理人、ドロシーさんから、「ミドリ&フレンズから、ニューヨークの小学校で子どもたちにギターのコンサートをしてもらいたいと打診を受けているけれど、興味はある?」との連絡を受けました。


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私は以前より、五嶋みどりさんの活動を心から素晴らしく思っていましたので、もちろんすぐにドロシーさんを介して、ぜひお引き受けしたいとのお返事をしました。
そして日程調整後、去る6月11日午後、ニューヨーク、マンハッタン北部、ワシントンハイツに位置する”デューク・エリントン小学校”において、ギターを学ぶ子どもたちのために45分のコンサート、そしてさらに45分におよぶマスタークラスが実現したのです。

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ワシントンハイツは、昔からドミニカ系をはじめとした、ラテンアメリカからの移民が多く住む地域なため、この日の若きオーディエンスたちも、ほぼ全員スペイン語と英語の両方を理解します。
この日私はまず、13歳のときにユパンキをラジオで聴いて感激した一連のストーリーを、英語とスペイン語を交えながら子どもたちに話したあと、そのユパンキの傑作曲であり、少年だった私をノックアウトした”栗毛の馬”をコンサートオープナーとして演奏。続いて私の自作ギターソロ”ラ・サンティアゲーニャ”、”ペペのサンバ”、さらに、現在私が取り組む新たな試みである、バッハとユパンキの融合”アルゼンチン風バッハ第五番(シャコンヌ+ギターよ教えておくれ)”、そしてラスト、ヴィラ=ロボスの”プレリュード第一番”で締めくくるというプログラムを披露しました。
それは通常一般公演とまったく変らないレパートリーでしたが、子供たちはキラキラと目を輝かせながら、最後まで集中を切らず、私の音楽を心から楽しんでくれました。

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コンサートのあとは、実際にギターをもってもらい、マスタークラスの開始です。

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私は、右手の使い方を丁寧に指導。
すると子供たちは、すぐにクリアーで澄んだ音色を奏でるようになりました。

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「ギターは木でできているね。だから生きて呼吸をしているんだよ。ギターを恋人のように大切にして、そして愛してもらいたい。そうすればギターは、必ず美しく歌い返してくれるはずなんだ。」

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子どもたちに関心があったのは、なんといっても私のアルゼンチン製の愛器。
彼らはみな、私のギターを膝にのせ、とても嬉しそうでした。
眼は心の中を映し出す窓。
私たち大人に、彼らの瞳の輝きを濁らせるようなことがあっては決してならないでしょう。

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集合写真の際、誰が私のギターを持つかで少々モメましたが一件落着。
きっと近い将来、彼らの中から、私の後に続く若き”カミナンテ(道行くもの)”が現われてくれるでしょう。
私は今後も、通常の演奏活動に加え、この仕事を続けてゆくつもりでいます。

(写真および資料提供協力/ミドリ&フレンズ)