Bach-Lorca Improvisation 2 “Lucía Martínez” バッハ-ロルカ・インプロヴィゼーション❷「ルシーア・マルティーネス」

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Lucía Martínez.
Umbría de seda roja.

Tus muslos como la tarde
van de la luz a la sombra.
Los azabaches recónditos
oscurecen tus magnolias.

Aquí estoy, Lucía Martínez.
Vengo a consumir tu boca
y a arrastrarle del cabello
en madrugada de conchas.

Porque quiero, y porque puedo.
Umbría de seda roja.

ルシーア・マルティーネス
紅い絹の影のような女

きみの腿は 光が影へと変わりゆく午後のようだ
黒い神秘の天然石が きみのマグノリアを暗くする

僕はここだ ルシーア・マルティーネス
夜明けの貝がらたちの時間に きみの唇を奪い
そしてきみの髪をかき乱しにきた

だって そうしたいから そうできるから
紅い絹の影のような女

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僕にとって、無伴奏チェロ組曲第5番「アルマンド」とともに、そもそも書かれたオリジナル楽器の響きを最大にリスペクトしながら、ギターという楽器に新たな生命を与えることができ、そしてその機能性を最大に表現できるバッハ曲が、無伴奏ヴァオリンソナタ第1番「アダージョ」だ。

これは、いまもスペイン語圏をはじめ世界中の人々に愛され続けている、ロルカの静かな炎のように燃えあがる恋の詩に霊感を得、もはやバロック音楽などという言葉をはるかに超越した、壮大な宇宙的エモーションとエネルギーに満ちたこの傑作曲を前半に置いた、オリジナル・インプロヴィゼーション・ナンバーのイメージビデオ。

前半のスペイン語字幕による言葉は、ロルカのバッハ感が最大に表されたもので;

ジプシーの調べ(シギリージャ)は、風景を理想的に真っ二つに等分するすさまじい叫びではじまる。
その叫びはやがて、驚くべき正確に測定された静寂に向かうため停止する。
静寂は、天に向かって放たれた熱を帯びたユリの花の輝き。
するとそののち、無限の感覚を伴うバッハの旋律が現れる。
バッハの旋律は円形で、永劫のサークルのなかで繰り返し奏でられるが、
ジプシーの調べは地平線の彼方へと姿を消してゆき、決して下船をこころみないディオニュソスの魂が息づき、
そして完全な情熱を燃やすある点に向かって、私たちの手のなかから逃げてゆく。

日本語訳がとても難しいが、自分にとってこの言葉はすべてだ。

今後も、ロルカ-バッハ・インプロヴィゼーションを追求してゆきたい。

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そして、続く第2部のインプロヴァイズ・パートに、上記の「ルシーア・マルティーネス」の詩を字幕に入れてある。

最初のバッハの「アダージョ」は、今年12月8日にも公演が決定している、2014年の東京銀座ヤマハホールにおけるリサイタルのオープニングとしてプレイしたもの。
僕がとても好きなベルギーの大ヴァイオリニスト、故アルテュール・グリュミオーがプレイしたレコードと、ほぼ同じ間合いでプレイしている。

このバッハをもし良くないという人がいたら、僕のレスポンスはごく簡単。
僕の音楽は聴かないほうがいいですよ”と、ひとこと言うしかない。

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「ルシーア・マルティーネス」は、現在でも世界中の多くの女性たちが、この詩をテキストとして掲載し、赤いドレスを身にまとった写真をSNSに公開している。