Muerto de Amor (García Lorca) ‘Dual Live 南米のカンテホンド(深い歌)「愛の死」2都市デュアルライヴ

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Una doble interpretación en vivo (Seúl y Tokio)de mi obra con tres movimientos, en que simboliza más de mi nuevo estilo, ‘Cante Jondo Iberoamericano‘ en este momento, inspirada por ‘Muerto de Amor (Romancero Gitano)‘del legendario poeta español.
Muchas gracias a las cuatro extraordinarias bailarinas de ‘Changmu Modern Dance Company,’ a quienes hicieron una gran colaboración para hacer mi obra verdaderamente fantástica.

A dual live performance (Seoul & Tokyo) of my three parted guitar suite which symbolizes my new style, ‘Cante Jondo Iberoamericano (South American Deep Song)’ mostly so far, inspired by ‘Dead from Love (Gypsy Ballads)‘ by the legendary Spanish poet.
I’m truly grateful with the collaboration of the four stunning female dancers of ‘Changmu Modern Dance Company‘ made my work truly fantastic.

僕は、7年ほど前、パコ・デ・ルシアの遺作となったアルバム「アンダルシアの歌」を聴いて、自分が深く携わるアルゼンチンの伝統音楽の故郷は、紛れもなくアンダルシア文化の根幹を支える「カンテホンド(深い歌)」にあると確信した。

そして僕は、それを自分自身のギターでサウンド表現し、さらにそこから新たな音楽をクリエイトするために、その作業の最も核となるマテリアルとして、誰よりもカンテホンドを深く理解し、そして愛したガルシア・ロルカの詩作を大幅にモティーフとして導入し始めた。

今回のライヴ・ビデオは、これこそが今の僕のシグナチュア・カラーであると言える新しいスタイル「カンテホンド・イベロアメリカーノ(南米の深い歌)」を、目下のところ最も象徴しているナンバーで、ロルカの傑作詩集「ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」のなかの名編、’愛の死’に霊感を受けた、全三楽章による、モダンダンスをフィーチュアしたギターソロ。

高度なテクニックと、深い精神性による素晴らしい舞踊を披露してくれたのは、韓国を代表する現代舞踊団「チャンム(創舞)」の四名の女性ダンサー。
現時点で、これは僕にとって最高の’ロルカ・オマージュ’だと思っているが、彼女たちの、心と身体でロルカを理解したパフォーマンスは、まさに圧巻だった。

ビデオは、第一楽章(東京 4/14/17)、第二楽章(ソウル 9/4/17)、そして第三楽章(東京&ソウル)の二元ライヴとして楽しんでいただけるよう構成してある。

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_あの天空の回廊で 光り輝いているものはなに?
娘よ、扉を閉めておくれ もう11時になるよ
_あたしの瞳には 四つのランタンが輝いているように見えるけど…
きっと 天空の回廊では 人々が銀を磨いているんだろう

*

苦悩の銀のガーリック
沈みゆく月が 金色の髪を 金色の塔にからませている
夜が震えながら バルコニーの窓ガラスを叩くと
夜を知らない 千匹の失われた犬たちが
ワインと琥珀の香りとともにあらわれる

濡れた葦のそよ風と 老いた声のさざめきが 
真夜中の枯渇したアーチのうえで ひびいている

眠りにつく牛たちと バラの花
聖ホルヘさまが そのまばゆい輝きとともに 
ただ 天空の回廊で光を放っている

谷に暮らす 哀しみの女たちが血を流す
切り取られた花の静けさと 若い肢体の苦み

川に暮らす 老いた女たちが
山の麓で 泣いている刹那

ライムのファザードが 白い正方形の夜を身にまとう
堕天使とジプシーたちが ギターを奏でている

母さん、もしあたしが死んだら
素敵な男の人たちに あたしを探してもらってね
北と南へ送られる 蒼い文字の電報を打って
みんなに知らせてちょうだい

*

七つの叫び、七滴の血、
そして七本のアドルミデーラの花が
暗いサロンで おぼろ月を引き裂く

あたりは 切り取られた手首と 花冠でいっぱいにあふれ
誓いの海が どこかあたしの知らない場所で こだましている

そして 突然の森の静けさに 扉を閉める空
あの天空の回廊で 光が叫び声をあげているあいだに

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この詩は、ロルカ自身と彼の母との会話のような雰囲気で始まるが、僕は、若いジプシー娘と、彼女の母親とのそれに変えて訳している。

その他、たとえば、原文では堕天使とジプシーたちが奏でているのはアコーディオンだが、それをギターに変えるなど、僕自身の判断による(詩人を最大限リスペクトしたうえでの)多少のスイッチもある。

僕の翻訳は決して公的に出版を考えるようなものではなく、あくまでも自分自身の音楽をプレイするうえでの、俳優でいえば「演技メモ」のようなもの。

そこを理解して、音楽とともに楽しんでいただければ嬉しい。

このロルカの前衛世界にピッタリの絵画は、やはりアンダルシア(コルドバ)に生まれた大画家、フリオ・ロメロ・デ・トーレスによるもの。