García Lorca para Antonio Gades 不世出のバイラオール、アントニオ・ガデスに捧げるガルシア・ロルカ霊感ギターソロ

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Suite ‘Soledad Montoya’
~An homage guitar solo for Antonio Gades~

1 El Bailaor (The Dancer)
2 Romance de la pena negra (Ballad of the black grief)

Music created for solo guitar & performed: Shiro Otake
Portrait of Antonio Gades: Toko Awazu
Illustration of Soledad Montoya: Federico García Lorca

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組曲「ソレダー・モントーヤ」
~不世出のフラメンコダンサー、アントニオ・ガデスに捧げるオマージュ・ギターソロ~

1 エル・バイラオール(ダンサー)
2 黒い哀しみのバラード

作曲と演奏:大竹史朗
アントニオ・ガデスの肖像画:粟津杜子
ソレダー・モントーヤのイラスト:フェデリコ・ガルシア・ロルカ

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*第二楽章に表記してあるスペイン語詩対訳は以下*

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黒い哀しみのバラード(ソレダー・モントーヤ)

〜ガルシア・ロルカの「ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」より〜

ニワトリたちが大地を突き始めるオーロラの夜明け
ジプシー娘 ソレダー・モントーヤが暗い山をおりてくる

銅色のからだ 馬の匂い 突き出した乳房
円形の歌が うめきだす

”ソレダー、あんた なんだってこんな夜明けに一人で歩いているの?”

”あんたに関係ないでしょ 
あたしはあたしの喜びと あたし自身を探しているんだから”

”かわいそうなソレダー!”

暴れ馬のように海にたどり着くと
波が彼女を呑み込んでしまう

”あたしに海を思い出させないでおくれ
黒い哀しみ!”

木の葉がさざめく下 オリーブの大地が広がる

”ソレダー あんたの悲しみはなんて深いの!”

あんたが泣くと まるでレモン汁のよう
サワーのように あんたの口のなかが希望であふれる

”ああ なんて悲しみ!”

あたしは狂った女のように うちに走って帰る
台所からベッドの部屋まで届きそうな あんたの長いおさげ髪

天然石のような あたしの哀しみ!

ああ! 糸で編んだあんたのブラウス
アマポーラのような あんたの脚

”ソレダー アロンドラの水であんたのからだを洗うんだよ
あんたの心が 安らかであるように!
ソレダー・モントーヤ”

木の葉が空を舞い 川が歌う
カラバーサの花とともに 新たな希望が燃えあがる

ああ! ジプシーの哀しみは いつもきれいでひとりぼっち
川底で泣いている 遠い夜明けのように!