「Knight’s NY diaries」カテゴリーアーカイブ

ニューヨーク日記

2 inspired guitar solos from ‘Romancero Gitano (Gypsy Ballads)’ 日本語字幕による「ジプシー歌集」

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1. La Monja Gitana (The Gypsy Nun)
2. Romance de la Pena negra (Ballad of the Black Grief)

Music created & performed by Shiro Otake
Recorded live in Tokyo (November, 2019)

1.ジプシーの修道女
2.黒い哀しみのロマンセ

作曲、演奏&日本語訳:大竹史朗
2019年11月の東京公演におけるライヴ録音

これは、ガルシア・ロルカの傑作詩集「ジプシー歌集(ロマンセーロ・ヒターノ)」のなかでも、ジプシー女性が最も幻想的に、そして美しく描かれた二篇の詩から霊感を受けて作曲したギターソロ。

僕の日本語訳は決してベストではないが、自分の最近の作品で最も気に入っているふたつのソロは、一昨年の東京公演のライヴ一発録り。
楽しんでいただけると嬉しい。

Castillo de María Luisa / A Fantastic Voyage to the Past 幻想の音楽旅行「マリア・ルイサの城」

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Mi suite original con las tres partes que he compuesto después de tener una experiencia mas bella y mas misteriosa de mi vida, que ocurrió en la ruina de un viejo castillo en Chinchón, España.

My original three parted suite which I composed after having the most beautiful and mysterious experience in my life happened at the ruins of an old castle in Chinchon, Spain.

スペインのチンチョンという村の丘の上にある、荒れ果てた城跡で、僕はかつてそこに暮らした悲劇の王女と出会い、彼女に城の中を案内されるという幻想を見た。

それは僕の人生の中で最も美しく、そして不思議な体験だったが、その出来事をもとに作ったのが、この三部構成組曲「マリア・ルイサの城」。

第3部のスペイン語の歌の部分には、英語の字幕をつけてある。
簡単な英語なので、内容がよくわかっていただけると思う。

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Una interpretación en vivo de la suite, junto a la ayuda de Kenji “Ken” Ueki, un excelente guitarrista (de rock) japonés.

A live performance of the suite with the support by Kenji “Ken” Ueki, an excellent Japanese rock guitar player.

組曲「マリア・ルイサの城」は、最大で(クラシックおよびスティール弦のアコースティック)ギター5台を多重録音させて作ったものなので、ひとりでのライヴプレイはできない。

これは、このナンバーをライヴでプレイするために特注した(写真の)アコースティック・ダブルネックギターと、僕がとても信頼するギタープレイヤー、植木”Ken”健司くんのサポートとともにプレイしたライヴヴァージョン。
映像はないが、ライヴ音源とは思えないほど完成度が高いので、当夜の写真などを織り込んで、僕自身が編集を試みてひとつの動画にしてみた。

Kenはロックのプレイヤーで、エレクトリックギターが本職だが、アコースティックもいい音で歌わせる。

また、反復形式を一切持たず、ほぼインプロヴィゼーションのみで進行してゆく20分近い大作を耳だけで完璧におぼえてくれるので、自分のように楽譜を使わないミュージシャンにとってはありがたい存在だ。

彼もまた、単に”音楽を弾くギター奏者”ではなく、僕と同様に、”ギターをプレイするミュージシャン”と言えるだろう。

ギターを心から愛するプレイヤーふたりによるライヴパフォーマンスをお楽しみください。

僕はいずれ、この曲を姿のいいロックタイプの女性シンガーに歌わせたいと思っている。

Homenajeando a Atahualpa Yupanqui en Buenos Aires Radio Show ブエノスアイレスのラジオ生出演

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Una interpretación en vivo de ‘Canción para Doña Guillerma,’ la canción más insustituible en mi vida, después de hablar de mi historia al programa de la radio en Buenos Aires.

A live performance of ‘Canción para Doña Guillerma,’ the most irreplaceable music in my life, after talking about my story for the live radio program in Buenos Aires.

ブエノスアイレスのラジオ番組に生出演。

オリジナル組曲「マリア・ルイサの城」を聴きながら、これまでのアルゼンチンとの関わりについてインタビュー(スペイン語)を受けた後、僕にとって最もかけがえのない「ギジェルマおばさんに捧げる歌」を披露(動画の14分10秒のところから演奏)。

この番組は、男女二人のパーソナリティーが、ブエノスアイレスの目抜き通りのコーヒーショップで語り合いながら進行させる設定で(街の音が効果音として流れている)、ギターケースを持って外を歩いている僕に気がついて呼び止め、店のなかに招待するというところから始まる。

「ギジェルマおばさんに捧げる歌」は、数あるユパンキ作品のなかでもかなり演奏難度の高い曲で、本場アルゼンチンのリスナーを、ラジオの音のみの生演奏で唸らせるのはリスクが高いが、このときのプレイはまあまあかなといったところ。

このときのツアーは、亜熱帯のパナマシティーの2公演で幕を開け、そのあと標高の高い乾燥気候のグアテマラで2公演(グアテマラシティー、アンティグア)、そして真冬のブエノスアイレスに移動して2公演(ブエノスアイレス、サルタ)のあと、隣国ウルグアイのモンテビデオで2公演という凄まじい日程で、グアテマラからアルゼンチンへの飛行機のなかで喉を痛め、ちょっときつかったが、このラジオ出演のあと回復したので、公演に影響はなかった。

ユパンキはどこかで守ってくれているのだろう。

明日(1月31日)は、ユパンキ112回目の誕生日

ハッピーバースデイ!ドン・アタ!

Series inéditas de Villa-Lobos 3 ‘Cadenza & Prelude 4’ 未発表ヴィラ=ロボス音源③ ‘カデンツァ’&’プレリュード第4番’

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Las versiones alternativas de ‘Cadenza‘ y ‘Preludio IV‘ que he grabado a mi CD ‘Caminante.’
Probablemente como un ‘guitar player,’ simplemente es todo que puedo hacer.

The alternative version of ‘Cadenza‘ & ‘Prelude No.4‘ which I recorded for my CD album ‘Caminante.’
As a guitar player, probably this is simply all I can do.

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CDアルバム「カミナンテ」に収録した「カデンツァ」と「プレリュード第4番」は、それぞれ2回ずつ録音していた。
これは、どちらも使われなかったほうのオルタナティヴ・ヴァージョン。

プレリュード(ふたつめの動画)のほうは、実際収録したものとほぼ同じ感じでプレイしているが、カデンツァのほうは、アルバム版よりかなり速い速度でプレイしている。

クラシックギターのテクニックに主軸をおいた、ヴィラ=ロボス作品ばかりを集めたアルバムならこれでも良かったのだけれど、他のラインナップとともに通して聴いてみると、特に深いユパンキ作品とのバランスがよくないと思えたため、技巧的なものを抑え、より’南米的な影’の表現を試みた、速度を若干落としたものをCDとして発表することにした。

むずかしいことをやれば人は驚くが、簡単なことで人の心を打つのはもっとむずかしい。
真のギターの超絶技巧を持っていたのはユパンキだが、そういうことを理解する人間は少ない。

ひとりのギタープレイヤーとして、自分にできることはおそらくこれがすべてだろう。

カデンツァは、ヴィラ=ロボスの傑作ギターコンチェルト「コパカバーナ」のなかのソロパート。

2008年、ニューヨークでアルゼンチンのピアニストとのデュオでプレイしたこのコンチェルトが評価を受け、2009年と2010年、2年連続で僕はカーネギーホールに招待を受けてパフォーマンスを行ったが、最初の年の公演のアンコールで、下記のプレリュード第4番をプレイした。

カデンツァとプレリュード第4番。
どちらも自分にとって本当にかけがえのないものだ。