8.13’NYバージミュージック’ソロ公演大成功
在NYアルゼンチン総領事館の主催によって行ったスペシャルコンサートの余韻もさめやらぬまま、そのちょうど一週間後となる8月13日の夜、上質のクラシック音楽を、息を呑むようなニューヨークの夜景とともに聴衆に贈る、イーストリヴァーに浮かぶエキサイティング・スポット“バージミュージック”の招待を受けてリサイタルを行いました。
当夜の聴衆は、アルゼンチン総領事館のオーデトリアムとはガラリとムードが変わり、会場を埋めた人々の大半はアメリカン・ニューヨーカー。
大勢のピュアーな音楽ファンが作る特有の和やかな雰囲気のなか、ユパンキ・ナンバーに幕をあけ、場内大合唱となったアンコールの’コンドルは飛んでゆく’で幕を閉じるまでの、約2時間にわたる大パフォーマンスが成功裡に終了しました。
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今日は、私の’バージミュージック’公演訪問をかねた、ブルックリンのフルトン・フェリー・ランディング、ニューヨーク港散歩に、しばしの間おつきあいください。
トップの公演プログラムは、右クリックのオープンリンクによってフルサイズでご覧いただけます。
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アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 XI
かつて ともに生まれた 道と人は
いつの日か ふたつにわかれていた
それが いつ どこでなのかは 誰にもわからない...
いつの日か 道と人は ふたたび出会うだろう
道は さらに 広さをまして
人は さらに 深さをまして
それが いつ どこでなのかは 誰にもわからない...
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尺八との融合・ニューヨーク風ヴィラ=ロボス第1番
今日は、私が数あるラテンアメリカ諸国のなかでも最も好きな国のひとつであるメキシコにおいて作曲したナンバーについてお話したいと思います。
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私が現在、ギタリストとして国際的活動を続けていられるのは、少年時代にしっかりとしたクラシック・ギターの手ほどきをしてくださった鈴木巌(すずきいわお)先生のおかげです。
鈴木先生は、日本の音楽史上、海外における国際コンクール(1957年、モスクワ国際ギター・コンクール)で第一位グランプリに輝いた、わが国最初の音楽家です。
何年か前に、当時の鈴木先生の演奏の録音を聴かせていただいて、もうとにかくそのすごさに圧倒されたものですが、”ギターは美しい音色の楽器だよ。テクニックはあくまでもそれを表現するためのものでむやみやたらに誇示するものではない。”という先生の考え方は、いまも私の音楽のなかに、長年にわたってしっかりと息づいている大切な言葉です。
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2007年から私のコンサートプログラムにおいて、他の南米フォルクローレ音楽とともにプログラムを飾ることになるのが、ブラジルが生んだ大作曲家、エイトル・ヴィラ=ロボスのギター作品です。
ヴィラ-ロボスは、故郷の美しい海や大地の調べに対し最大の愛を捧げつつ、それらを敢然と芸術的レヴェルへと昇華させ、さらに彼自身生涯傾倒してやまなかったJ.S.バッハの音楽との融合を大胆に試みた末に至高のオリジナル・アートを完成させた、まさに20世紀の芸術音楽の世界に文字通り南米の熱い新風を吹き込んだ偉大なる作曲家です。
その膨大な作品のなかにいたっては手がけたギター曲は決して多いとはいえませんが、それまでソルやタレガといったスペインのギター・ジャイアンツが築き上げてきたヨーロッパの格調高い調べに、さらに新時代を思わせる革新的な奏法と魅惑的なサウンド・コーディネーションを与え、その結果、現代ギター音楽の最高のレパートリーの数々を作り上げた功績は、たとえもし彼がギター音楽だけの作曲家だったとしても、それは最大の賛辞に値する大芸術家です。
(エイトル・ヴィラ-ロボス 1887-1959)
アンダルシアのレモンと、イタリアの濃厚なハチミツに、アタウアルパ・ユパンキの魂が溶け合う、静寂のグロリエータ(四阿)「カンテホンド・イベロアメリカーノ」の音楽世界