’ユパンキ記念’NYアルゼンチン総領事館公演 全歌詞日本語訳
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南米フォルクローレの最高峰、アタウアルパ・ユパンキの没後20年を記念して行われるスペシャルコンサートが、二日後に迫りました。
★なお、この公演は既に予約で超満員となり、総領事館のオンライン予約ページもクローズとなりました。当日はかなりの混雑が予想されます。ご予約なさった方は、なるべく早く現地にお越しください。★
この公演では、私のごあいさつはすべてスペイン語と英語で行うため、ニューヨーク在留邦人の皆様に、ユパンキの素晴らしい歌詞について日本語でご説明できません。
そこで、ホームページ上に、当夜のレパートリーすべての日本語対訳を記載することにしました。
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プログラムは全7曲。
2曲めと3曲めに私のオリジナル・ギターソロ(ラ・サンティアゲーニャ、風が歌う地~ユパンキに捧ぐ)を演奏する以外は、すべてユパンキの代表的作品のオンパレードとなります。
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写真は、第4曲めに演奏予定の傑作サンバ、’トゥクマンの郷愁’に歌われる美しい二つの花、アマンカイ(写真上)と、アサール(写真下)です。
2012年08月28日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
ラ・ベンゴ・ア・デハール - サンティアゲーニョの誇り
現在私が、決して大袈裟ではなく全身全霊をこめてその解釈とインタープレテーションに励んでいるもの、それが、目下の私にとってのユパンキ芸術の真髄ともいえる「ラ・ベンゴ・ア・デハール」です。
写真は、1992年2月16日、アルゼンチン、コルドバ州の集落シンサカーテにおいて、同国解放の英雄のひとりであるファクンド・キロガの記念碑に、その命日をリスペクトするために集まったガウチョ連合の青年たちとともに撮影されたスナップ。
中央のジャケット、ジーンズ姿が私です。
私は小学校時代から乗馬に親しんでいましたので、乗馬で彼らにひけはとりません。
私たちはこの後ともに馬を駆り、そしてギターを弾いて歌いました。
ファクンド・キロガは、このシンサカーテにほど近い、バランカ・ヤコ(スペイン語と先住民のケチュア語の混合語で”水の峡谷”の意)に没しました。
バランカ・ヤコは、北部コルドバと南部サンティアゴのほぼ国境に位置し、かつてここには南米最後の副王領リオ・デ・ラ・プラータへと続くロイヤルロードがあったそうです。
「ラ・ベンゴ・ア・デハール」は、かの地サンティアゴ地方の民族魂がうたわれた、私が、いまの私の年齢に到達するまで、ずっと長い間その研鑽をおあずけにしてきたナンバーです。
2010年07月31日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
大地は大いなる歌
来る2月4日、スペシャルゲストとして二年連続で招待を受ける運びとなった、ニューヨーク市のオフィシャル・イヴェント”ブラック・マンス・ヒストリー”の一環として行われる、NYハウジングオーソリティー室内楽アンサンブルによるカーネギーホール公演。
私は昨年と同じく、コンサートの第一部を締めくくる重要な役目を受けていますが、今回のパフォーマンスのオープニングとしてまず考えているのが、ユパンキによって綴られた、無限の深みをもつ一片の短い詩の、私自身による朗読です。
2010年01月10日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
アルゼンチン風バッハ第3番 ”エル・ギタリスタ” II
バッハの”無伴奏ヴァイオリンソナタ第一番フーガ”をバックに朗読される”エル・ギタリスタ”。
今日はそのパート2、後半部分をお楽しみいただきます。
2009年11月09日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
アルゼンチン風バッハ第3番 ”エル・ギタリスタ” I
11月29日の夜、東京赤坂で出演するコンサートにおいて、2曲演奏予定の、私自身のアイディアによる、バッハとユパンキのサウンド・クロスオーヴァー、”アルゼンチン風バッハ”。
当夜は、私がそのなかでももっとも新しい第五番`マヤ・レクイエム`と、もっとも最初に完成させた第一番`プレリュードBWV996+兄弟たち`の二編を演奏しますが、今日ここで、みなさまにご紹介しようと思うのは、かのフランシスコ・タレガの手によりバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第一番からアレンジされ、ギターの傑作曲として生まれ変わった`フーガ`のうえに、ユパンキの随想集”インディオのしらべ”におさめられた”エル・ギタリスタ(ギター弾き)”を読み上げる、アルゼンチン風バッハ第三番です。
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`エル・ギタリスタ`は、のちに南米音楽最大の巨匠としてその名を馳せることとなる少年時代のユパンキが、生まれ故郷であるアルゼンチンの片田舎の集落において、あたたかい家族、そして豊かで美しい自然に囲まれながら、いかにギタリストとしての道を歩むようになったかを、ときに愛らしく、ときに神秘的に記した、実際の本の中では4ページにおよぶ長丁場。
本日はまずパート1、前半部分をお楽しみください。
2009年11月05日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
アルゼンチン風バッハ第5番 “マヤ・レクイエム“
来る2010年にむけて、現在、ニューヨークを中心に行うコンサート・プログラムを組んでいます。
そのなかにおいてハイライトのひとつとなるのが、疑うことなくバッハの最高傑作ナンバーのひとつにあげられる、無伴奏ヴァイオリン組曲第二番”のフィナーレを飾る大曲シャコンヌ”の一部を導入した、私独自の解釈によるユパンキの名作ミロンガ”ギターよ教えておくれ”。
今日は、この新しいサウンド・クロスオーヴァーについて少々お話させてください。
写真の楽譜は、私のクラシックギターの恩師、鈴木巌先生ご自身のトランスクリプション、そしてさらに先生の完全ハンドライティングによる”シャコンヌ”譜。
このままの状態で出版できそうなクオリティーの高さです。
私は、鈴木先生からいただいたこの譜面を使って、同曲の研鑽に励みました。
2009年10月28日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
この長き道 メモーリアス
かねてから、当ウエッブサイトでも、ぜひ皆様にご紹介したかった一冊の本。
それが、昨年ブエノスアイレスのプエルトス・デ・パーロス社より、アタウアルパ・ユパンキ生誕100年を記念して出版された、ユパンキ本人の言葉による回想録、"Este Largo Camino-Memorias (この長き道 メモーリアス)"です。
2009年07月30日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
ギジェルマおばさんとともに...
ギジェルマおばさんに捧げる歌
アタウアルパ・ユパンキ
鍋といっしょに歌っていた 誰にも聞こえない調べを
山は秘密を語ってくれる そのふところで根っこを掘る者に
紫色に浮かぶお月さん 藍色の空を さすらいゆく
そして*マンディルのうえに浮かぶのは
紅く縫いとられた ふたつの文字
ギジェルマおばさんが 俺にマンディル作ってくれた
4月の末の 馬乗り大会用に
俺たち里者が さっそうと男っぷりあげられるように
つやつや輝く とびきりのマンディル作ってくれた
作ってくれたのはギジェルマおばさん!
ギジェルマおばさんが作ってくれたんだ!
人の世には罠がある どうして人の世はこうなのか
織物織りのばあさんたちは 死んではならないのに!
俺たち里者には もうマンディルたのめる人がいないのに!
ギジェルマおばさんが 俺にマンディル作ってくれた
4月の末の 馬乗り大会用に
俺たち里者が さっそうと男っぷりあげられるように
つやつや輝く とびきりのマンディル作ってくれた
作ってくれたのはギジェルマおばさん!
ギジェルマおばさんが作ってくれたんだ!
(* 馬の鞍の下に敷く毛織の布)
2009年05月24日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
La Guitarra
ラ・ギターラ (アタウアルパ・ユパンキ)
蜜と悲しみ
そして涙の泡でその姿をなし
満月のくちづけと
夜明けにみなぎる血とともに
オーロラの輝きと 澄んだ川のさざめきによって生を受けた
孤独の*マドゥーラ
満天の星空の下
ギターの奥底から いくたびもいくたびも音楽が流れ出す
そのからだは たんなるマドゥーラではなく
それは 燃えあがる密林
木々の枝の悲しみが歌を生み
ふたつの手が 翼となって
満天の星空の下
ギターの奥底から いくたびもいくたびも
はるか 音楽が舞い上がる
祖国の自由のための苦い戦い
騎馬の群れ 槍 駿馬
やがて 種蒔きの時が訪れる
清らかな命がそこに生まれ
大地は香り 声高らかに歌う
朝に花が咲き乱れ
ギターの密林を 歌で満たす
吟遊詩人たちは奏でる
歓びをあたえる甘味さを
かなうことのないやるせなさを
それは 長い夜をなぐさめる**アルキテクト
満天の星空の下
深い傷が 歌をつくる
ギターはこれらのことを知っている
それゆえギターは悲しむのだ
* 木材
** 建築家
2009年02月09日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink
'私を旅立たせないでおくれ 老いたアルガローボよ'
今回のニューヨーク公演における全プログラム中、これがアメリカにおいての正式初演となる'ヒロシマ~忘れえぬ町'、そしてヴィラ=ロボスの'ギター協奏曲'とならんでハイライトのひとつとなるのが、第3部の冒頭で、私の奏でるバッハの'サラバンド'をバックに、朗読の名手アデラ・ペラルタさんによって読み上げられるユパンキの傑作詩、'私を旅立たせないでおくれ、老いたアルガローボの木よ、'です。
(写真上) アルゼンチンの国樹、アルガローボ(いなご豆の木)
(写真下) 4日後のニューヨーク公演にむけて、'私を旅立たせないでおくれ、老いたアルガローボの木よ'をリハーサルするアデラ・ペラルタさんと私
2008年10月01日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias | Permalink