'La Guitarra'  

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 XII




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2008年08月23日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

'El Guitarrista' y 'Fuga'

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 XI



かつて ともに生まれた 道と人は
いつの日か ふたつにわかれていた


それが いつ どこでなのかは 誰にもわからない...


いつの日か 道と人は ふたたび出会うだろう 
道は さらに 広さをまして
人は さらに 深さをまして


それが いつ どこでなのかは 誰にもわからない...

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2008年07月18日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

魅惑のチャカレラ

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 X

石のチャカレラ   (アタウアルパ・ユパンキ)

ほら カミナンテ(旅人)が歌ってる
それはたくさん歩いた旅人さ
いまじゃ セロ・コロラドで静かに暮らしてる


どこへゆこうとも
俺は歌を 風にのせる
俺は果物をたっぷりと実らせる木
*ミストルの木のようさ


馬に鞍をのせて 俺は砂地を進んでく
はるかな道の途中でも ここじゃあつらいことなどみな忘れたよ


    **カミニアガ、サンタ・エレーナ、エル・チュルキ、ラジョ・コルタード
    こんないい里 ほかにはないさ 
    ビバ!セロ・コロラド!


タラの木の木陰 
若い娘の声で 俺は急にわれにかえる
"シーッ みんなが来るわ!"


悲しみによく効く薬をあんたにやるよ
ごつい雄イグアナの脂に いい薬草がよくまじってる


石のチャカレラ 粋な***クリオジータ
月のでない晩には 山にひとりでおはいんなさんな


    カミニアガ、サンタ・エレーナ、エル・チュルキ、ラジョ・コルタード
    こんないい里 ほかにはないさ 
    ビバ!セロ・コロラド!


 

*    
南米や、温暖地方に育つ樹木。

**   
コルドバ州北部の国道沿いにある集落の名。
サンタ・エレーナは、セロ・コロラドへの玄関口ですが、バスをここで降りるともう一般の交通手段がないため、私はサンタ・エレーナのバス停そば、ラロというおじさんが営むバーでくつろぐトラックの運転手に頼んで荷台にのせてもらい、これまでに三度セロ・コロラドまで行きました。
こういった経験が、いまの私の音楽を強く根底で支えています。

***        
南米生まれの娘 
この場合、女性名詞の'チャカレラ'を擬人化してひっかけてあります。


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2008年02月05日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

Tiempo del Hombre

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 XI


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3月16日に行う、ニューヨークエリアのラテンアメリカ系コミュニティー主催によるアタウアルパ・ユパンキへのオマージュ・コンサートの冒頭において、私が奏でるオリジナル・ギターソロ、'風が歌う地-ユパンキに捧ぐ'をバックに、一遍の壮大な美しさに満ちた詩作が女声の朗読によって読みあげられます。

それが、'歩く大地'と呼ばれた、この南米に生をうけた偉大なる巨人の、その哲学の原点ともいえる、'Tiempo del Hombre (ティエンポ・デル・オンブレ)'です。

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2008年02月01日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

¡Feliz cumpleaños Don Atahualpa!

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 IX
In Memory of Atahualpa Yupanqui (1908-1992)

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いまからちょうど100年前の今日、アルゼンチンのブエノスアイレス州の小さな村で、ひとりの赤ちゃんがこの世に生を受けました。


父親は南米先住民の血をひく人で、母親はスペインのバスク地方からやってきた移民の娘でした。


彼はそののち、愛するギターとともに、故郷アルゼンチン、そして南米の調べをとおして自らの哲学を謳いあげる素晴らしい芸術を完成させ、世界中の人々に深い感銘をあたえることになるのです。


今日1月31日、私たちは、'Tierra Que Anda (歩く大地)'と呼ばれた偉大なるギタリスト、歌手、詩人、作曲家、そして哲学者であったアタウアルパ・ユパンキ(1908-1992)の生誕100周年を迎えます。

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2008年01月31日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

ヒロシマ 忘れえぬ町

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 VIII

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今春、広島市において、アタウアルパ・ユパンキ(1908-1992)の生誕100年を記念するスペシャル・コンサートを現在計画中です。


ユパンキは生前、広島を心から愛し、一遍の詩を書き残しました。
そしてその詩に出会ったおかげで、私は音楽家として光のあたるところに出ることができたのです。
1992年11月12日、実際に広島とはなんの縁もゆかりもない私のためにかの地のみなさんが開いてくださったコンサートは、それは本当に素晴らしく、華々しいものでした。


原爆ドームをバックにした、息を呑むような美しいユパンキの写真(上)は、その際のコンサート・プログラムの表紙です。


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2008年01月17日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

アンデスに響くユパンキの調べ in クスコ

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 VII


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今回のマチュピチュ・コンサートツアーでは、ペルー旅行において、おそらくかの地とその人気度で双璧をなすであろう最大の観光スポット、クスコでも演奏を行います。


クスコは、インディオの言葉'ケチュア'で'ヘソ'を意味する、かつて南米大陸を南北4000キロにわたって支配したインカ帝国の首都として栄えた、標高3400メートルに位置する美しい魅力的な町です。


マチュピチュではパフォーマンス前夜と当日、私たちの宿泊先にもなる最高級ホテル、'サンクチュアリ・ロッジ'の、壮大な遺跡を一望のもとに見渡せるガーデンテラス(息を呑むようなホームページはこちらにおいての、文字通り圧巻ともいえる会場でのコンサートとなりますが、クスコも同様、こちらもやはり宿泊先となる、かつて修道院であった歴史的建造物を改装した、'Best in South America'と謳われる素晴らしいホテル、'モナステリオ・デル・クスコ(ため息がでるようなホームページはこちら'が会場となります。


このクスコでの演奏において中心となるレパートリーが、アタウアルパ・ユパンキ作になる、アンデス・ムードいっぱいの郷愁ただよう素晴らしいふたつのナンバー、'リャマ追い馬子の歌'と、'ヌンカ・ハマス'です。


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2007年11月15日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

アンデスに響くユパンキの調べ  in マチュピチュ

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 VI


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神秘の空中都市マチュピチュでのコンサートにむけ、南米ペルーへ出発する日が近づいてきました。


最近、女性歌手との共演でラテン・ポピュラーを演奏するいっぽう、混声合唱や、日本の伝統楽器である尺八との共演、さらにケルト世界やさまざまな伝説にインスパイアーされ、ダブルネックギターポルトガルギターなどを演奏。 さまざまな要素をコンサートに導入している私ですが、この二年ぶりの南米でのパフォーマンスに際しては、私にとってまさに原点回帰ともいえるオーセンティックなフォルクローレギターの調べの数々を、マチュピチュの聖なる霊気を吸い込みながら、精魂こめて演奏するつもりでいます。


そのプログラムのなかで、中核をなすレパートリーといっていいのが、南米先住民の血をひくアタウアルパ・ユパンキが、壮大なる大地と自然、はるかなる彼の祖先への想いをバイレシートのリズムにのせて謳いあげた傑作ナンバー、'インディオの道'。
毛布にくるまってすやすやと眠る先住民の赤子に対して、心からの言葉を贈ったウァイノ形式の子守歌、'眠れるインディオの子'。
そして、アンデスのフォルクローレに欠かすことのできないケーナ、チャランゴ、ボンボといった楽器の調べをギター一本で模倣した、アンデスムードいっぱいのカルナバリートによる名ギターソロ、'熟れたトウモロコシの踊り'の3曲です。


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2007年11月10日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

サウダーデな夜に...悲しいわだち

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 V


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10月22日の夜に、ファド、シャンソン歌手のはらだじゅんさんと共演するライヴ

私はこのところコンサートにおいて、必ずと言っていいほどユパンキの'栗毛の馬'をオープニング・ナンバーとして演奏しています。
フォルクローレ・ギターの醍醐味ともいえる、クラシカルなフィンガーピッキングスタイルとダウン・トゥー・アースなリズム・ストロークのミックスによるこの魅惑的なナンバーは、私にとってまさに人生を決定づけたといってもいい記念碑的な作品ですが、今回のライヴでは、なんとはらださんがぜひともこの曲のインタープレテーションに挑戦したいとおっしゃいます。

そこで私は彼女の熱意をリスペクトして、この曲に関しては伴奏のみにまわり、そのかわり、やはり私が心から愛してやまない、深いメッセージをもつナンバーをオープニング・ナンバーとして選びました。

それが、ユパンキ初期の傑作曲のひとつ、'悲しいわだち'です。


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写真は、2005年11月に、ペルーの首都リマで行った'アタウアルパ・ユパンキへのオマージュ公演'において、'悲しいわだち'、'ギジェルマおばさんに捧げる歌'、'トゥクマンの郷愁'、'眠れるインディオの子'、'兄弟たち'、'牛車にゆられて'、'トゥクマンの月'、そして'牛追い'などの名曲を、つめかけた1200人のお客様を前にたてつづけに演奏する私。
'悲しいわだち'の公的演奏は、このとき以来となります。

フォルクローレの故国でのこのリサイタルは、アンコールだけで30分間をこえ、トータルで2時間40分におよぶ、聴衆と演奏者が一体となった、文字通り私のキャリアの上での最高のコンサートとなりました。

そして今年の11月、私は二年ぶりにペルーを訪れ、今度はアンデスのはるか上空、マチュピチュにおいて演奏を行う予定です。


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2007年10月08日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

Querencia ...

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 IV


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Querencia  (ケレンシア -故郷への想い-)


みな 自分たちの故郷について語る
あたかも そこがいちばんであるかのように
俺が想いをよせる故郷とは 一本の道
月と太陽の下にある 一本の道


調べひとふし歌おうか
星が俺の声を 満たしてくれる
そして風が 流れる雲に言い寄れば
俺の歌は 霧となる


俺は はるか遠い里(さと)からやってきた
俺の里の名は...轍(わだち)
俺が胸に抱く愛の名は ギター
そして俺の馬...*パシエンシア


夜更けに俺は 心の中をみつめて歌う
夜明けの光をもとめて
そして 広がる野をみつめながら
希望に焦がれ 歩き出す


みなそれぞれが それぞれの故郷をもち
あたかもそこが いちばんであるかのように語る
俺が思いを寄せる故郷とは 一本の道
月と太陽の下にある 一本の道


(*パシエンシア -Paciencia- 辛抱、忍耐、根気。 英語の'Patience<ペイシェンス>'に同じ。)

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2007年09月27日 | El Mundo Maravilloso de Las Poesias |

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