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Un encuentro de Lorca y Yupanqui en Buenos Aires 青年ユパンキとロルカのブエノスアイレスでの出会い

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El video inspirado por capitulo 38 de ‘Este largo camino’ de Atahualpa Yupanqui.
Mientras haya tabernas en los caminos, todos los que caminan serian amigos
Es las maravillosas palabras que regaló Lorca a joven Atahualpa.

A video inspired by the chapter 38 from ‘Este largo camino,’ a special book which commemorated 100 years of Atahualpa Yupanqui.
As long as there are taverns on the roads, everyone who walks would be friends
These are the beautiful words that Lorca gifted to young Yupanqui.

ユパンキの生誕100年を記念してアルゼンチンで出版されたエッセイ集「この長き道〜メモーリアス〜」の第38章、”フェデリコ・ガルシア・ロルカ”を読んだ感動から制作したビデオ。

これを読むまで僕も知らなかったのだが、戯曲「血の婚礼」初演のために、やはりスペインの大作家ホセ・ベルガミンらとともに ブエノスアイレスを訪れたガルシア・ロルカは、当地の詩人たちのグループと一晩、アベニーダ・デ・マジョ(五月通り)の小さな食堂で夕食をともにし、グループのなかにいた(ロルカにひたすら憧れていた)まだ無名の20代の青年ユパンキと会っていた。

まず、こんなすごい芸術家たちのエンクェントロ(ミーティング) が、ブエノスアイレスの小さな安食堂で、アロス・コン・ポージョ(チキン入りご飯〜ラテンアメリカの最も庶民的な料理〜)を食べながら行われたというのが何ともいい。

たった2ページだけの短いエッセイだが、ユパンキの文章から、ベルガミン、ロルカ、そして青年ユパンキたちが(チキン入りご飯を食べながら)集っている風景が、まるで映像を見ているように伝わってくる。

食事のあと、ロルカは紙ナプキンになにやら無造作にものを書いていたが、なぜか途中で折りたたみ、書くことをやめてしまった。
ユパンキがそれを食い入るように見つめていると、ロルカは;

これ いるかい?

と、ユパンキに声をかけ、次のようなことを言った。

道に居酒屋がある限り、道ゆくものたちはみな友達だよ

それに対してユパンキは;

”もしくださるんなら、サインしていただけますか?大切にします。”

と、言うと、ロルカは、ただ一言(彼のファーストネームである)’フェデリコ’と書いたそうだ。

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これらの情景を、先日、日本のラテンアメリカ・エキスパートのジャーナリスト・伊高浩昭さんが受け持つ番組で大紹介を受けた際、好評だった僕自身のプレイによるユパンキの名曲「こおろぎのサンバ」とともに再現したのが今回のビデオ。
最後の方で、日本語の字幕をご覧いただける。

道に居酒屋がある限り、道ゆくものたちはみな友達

なぜ僕がロルカを追求するのか、よくお分りいただけるだろう。
ロルカはユパンキにとって、心の師匠だったのだ。

僕が行うロルカへのオマージュは、同時に(言うまでもなく)ユパンキへのオマージュである。
ただユパンキの曲をうまく弾くだけでは、「ユパンキアーノ」という言葉は僕には値しない。

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なお、書籍にあるユパンキの原文には、食堂でロルカとともに集ったブエノスアイレスの詩人たちのグループのメンバーや、「血の婚礼」の主演女優の名前、そしてホセ・ベルガミンからロルカに継承された’韻律スタイル’などについて細かく表記されているが、ビデオの映像で見るとごちゃごちゃするので、このあたりは簡略化した。

García Lorca & Synthetic Performing Arts 総合舞台芸術によるガルシア・ロルカ

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Zorongo Gitano

~Una improvisación sobre el tema Lorquiano (An improvisation on Lorca’s theme)~

1. Zorongo
2. Danza (improvisación)

‘Zorongo’ composed by Federico García Lorca (arranged by Shiro Otake)
‘Danza’ composed by Shiro Otake

Dance performance by CHANGMU Modern Dance Company

Recorded live at:

Galaxy Lounge (Asuka II) -June, 2018-
Yamaha Hall Tokyo -April, 2014-
and Main Hall at Teahak-ro Performing Arts Center -September, 2017-

Video created by Shiro Otake

ジプシーのソロンゴ

〜ガルシア・ロルカの主題によるインプロヴィゼーション〜

1 ソロンゴ
2 ダンス(インプロヴィゼーション)

’ソロンゴ’作曲:フェデリコ・ガルシア・ロルカ(ギターソロ編曲:大竹史朗)
’ダンス’作曲:大竹史朗

ダンス・パフォーマンス:チャンム(創舞)現代舞踊団

収録:

ギャラクシー・ラウンジ(飛鳥II)2018年6月
東京銀座ヤマハホール 2014年4月
テハンロ・パフォーミングアーツセンター大ホール(ソウル)2017年9月

ビデオ編集:大竹史朗

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Danza del Ángel (Dance of the Angel)

~Una improvisación sobre ‘Adagio BWV. 1001 (J.S. Bach)’~

Music created by Shiro Otake

Dance performance by CHANGMU Modern Dance Company

Recorded live at:

Galaxy Lounge (Asuka II) -June, 2018-
and Main Hall at Teahak-ro Performing Arts Center -September, 2017-

Video created by Shiro Otake

天使の踊り(イベロアメリカーナ舞曲)

〜バッハの’アダージョBWV. 1001’によるインプロヴィゼーション〜

作曲:大竹史朗

ダンス・パフォーマンス:チャンム(創舞)現代舞踊団

収録:

ギャラクシー・ラウンジ(飛鳥II)2018年6月
テハンロ・パフォーミングアーツセンター大ホール(ソウル)2017年9月

ビデオ編集:大竹史朗

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Lo que me gustaría crear es, una función de mi creación ‘Lorquiana,’ junto a mi música, danza, y canto.
Estos dos videos, y los otros como ‘Fantasía La Guitarra,’ y ‘Suite Romancero Gitano‘ serian parece mi punto de salida así llamado.

What I’d like to create is, a live performance of my ‘Lorquiana’ creation with my music, dance and vocal numbers.
These two videos and also the other ‘Fantasía La Guitarra,’ and ‘Suite Gypsy Ballads‘ would be my departure point so called.

自分が今いちばんクリエイトしたいもの。
それは、ガルシア・ロルカの詩に霊感を受けた自分自身の音楽に、ダンス、さらに歌手のパフォーマンスを組み込む総合舞台芸術だ。

このふたつの動画、および「ラ・ギターラ幻想曲」、そして「組曲ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」は、その出発点になるものだと思う。

Adivinanza de la Guitarra (Riddle of the guitar) ギターの神秘

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1. Adivinanza de la guitarra (Riddle of the guitar)
2. Las seis cuerdas (The six strings)
3. La guitarra (The guitar)

Music created & performed by Shiro Otake

1.ギターの神秘
2.六本の弦
3.ギター

作曲と演奏:大竹史朗

En la redonda
encrucijada,
seis doncellas
bailan.
Tres de carne
y tres de plata.
Los sueños de ayer las buscan
pero las tiene abrazadas,
un Polifemo de oro.
¡La guitarra!

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At the round
crossroads,
six maidens
dance.

Three of flesh,
three of silver.

The dreams of yesterday search for them,
but they are held embraced
by a Polyphemus of gold.

The guitar!

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円形の十字路で
六人の乙女たちが 踊っている

そのうち三人は生身のからだ
あとの三人は 銀をまとっていた

過ぎ去った夢が 彼女たちを探す
しかし 彼女たちは
金色のポリペイロスに 抱きしめられていた

日本のラテンアメリカ番組での紹介 そして青の時代からキュビズムへ

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ラテンアメリカに精通するベテラン・エキスパート・ジャーナリスト、伊高浩昭(いだかひろあき)さんが担当する番組で、たいへん大きな紹介を受けた。
この場を借りて、伊高さんに厚く感謝申し上げたい。

ぼくにとって、ユパンキの音楽とは、かけがえのない”基盤”であり、そしてひとりのアーティストのはしくれとしては”青の時代”を象徴するものだ。
これからは、魂の込められたユパンキのギター音楽を、自分なりに発展させた”キュビズム”をクリエイトしてゆくのが、僕の役目だと思っている。

これは、その”キュビズム”の第一歩的作品。

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これは、ガルシア・ロルカの傑作詩集「ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」におさめられた三篇の詩に霊感を受けて作曲したものを三部構成としてつなげたギターソロ絵巻。

小品の「ジプシーの尼僧」、中篇の「黒い悲しみのロマンセ」、そして、それ自体が三楽章形式を持つ大作「愛の死」を終曲として置いたものだが、いま僕は、ロックの女性歌手が歌う”賛美歌”風にアレンジを施す作業をしている。

第二次大戦終戦前後に生まれたイギリス人の若者たちはみな貧しく、その生活の中で、多くがアメリカの黒人たちのブルースを心底理解し、それが60年代半ばから70年代中盤にかけて開花したブリティッシュ・ハードロックへと展開した。

僕は今でも、この時代のイギリスのロッカーたちが、そもそも体に持っているキリスト教やケルト文化に、アメリカのブルースを取り入れ、ライヴステージではインプロヴィゼーションを重んじたプレイで20分、30分に渡るパフォーマンスを繰り広げたのが、世界最高の音楽だったと思っている。

エレクトリック・ギターに持ち替えたり、アンプでバカでかい音にしたりすることなく(そして決して時代錯誤にならないように)、僕はこれから、この70年代のロック最高の時代の雰囲気を自分の音楽に導入してゆくつもりだ。

日本にも、カルメン・マキのような芸術家女性シンガーがいた。

今の時代、もうこういうタイプのシンガーは決して多くないと思うが、こういった(ブラックレザースーツがバシッとキマるような)女性歌手を探すところから、僕の今後の音楽クリエイションは始まる。

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これは、僕が子供の頃からずっと持っているLPレコードで、元ディープパープルのキーボードプレイヤー、故ジョン・ロードが、1974年、仲間のロッカーたちとともに、日本の”連歌(れんが)”をモチーフに作った、A面B面あわせて2曲のみの前衛ロック・ライヴ・スペクタクル・アルバム。

決して最高の出来ではなく(スミマセン)、すでに現在、この音楽の存在を知る人は殆どいないと思うが、いかにも当時の若い芸術家たちの、ひたむきな精神を偲ばせる発想がいい。

Homenajeando a Atahualpa Yupanqui en Buenos Aires Radio Show ブエノスアイレスのラジオ生出演

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Una interpretación en vivo de ‘Canción para Doña Guillerma,’ la canción más insustituible en mi vida, después de hablar de mi historia al programa de la radio en Buenos Aires.

A live performance of ‘Canción para Doña Guillerma,’ the most irreplaceable music in my life, after talking about my story for the live radio program in Buenos Aires.

ブエノスアイレスのラジオ番組に生出演。

オリジナル組曲「マリア・ルイサの城」を聴きながら、これまでのアルゼンチンとの関わりについてインタビュー(スペイン語)を受けた後、僕にとって最もかけがえのない「ギジェルマおばさんに捧げる歌」を披露(動画の14分10秒のところから演奏)。

この番組は、男女二人のパーソナリティーが、ブエノスアイレスの目抜き通りのコーヒーショップで語り合いながら進行させる設定で(街の音が効果音として流れている)、ギターケースを持って外を歩いている僕に気がついて呼び止め、店のなかに招待するというところから始まる。

「ギジェルマおばさんに捧げる歌」は、数あるユパンキ作品のなかでもかなり演奏難度の高い曲で、本場アルゼンチンのリスナーを、ラジオの音のみの生演奏で唸らせるのはリスクが高いが、このときのプレイはまあまあかなといったところ。

このときのツアーは、亜熱帯のパナマシティーの2公演で幕を開け、そのあと標高の高い乾燥気候のグアテマラで2公演(グアテマラシティー、アンティグア)、そして真冬のブエノスアイレスに移動して2公演(ブエノスアイレス、サルタ)のあと、隣国ウルグアイのモンテビデオで2公演という凄まじい日程で、グアテマラからアルゼンチンへの飛行機のなかで喉を痛め、ちょっときつかったが、このラジオ出演のあと回復したので、公演に影響はなかった。

ユパンキはどこかで守ってくれているのだろう。

明日(1月31日)は、ユパンキ112回目の誕生日

ハッピーバースデイ!ドン・アタ!