「Knight’s NY diaries」カテゴリーアーカイブ

ニューヨーク日記

Oblivion’ ~ ‘La última curda’ Homage to Piazzola & Troilo ピアソラとトロイロへのオマージュ

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Aunque no soy tan fanático del Tango, tengo mucha influencia de Astor Piazzolla y Anibal Troilo.
Es mi actuación homenajeada a los dos grandes bandeonistas argentinos, fue grabada durante mi último concierto en Tokio, fue justo antes de la pandemia.

(subtitulados en castellano)

Although I’m not a huge tango fan, I have a plenty of influence from Astor Piazzolla and Anibal Troilo.
This is my homage performance to the greatest Argentine bandoneon players recorded live during my last concert in Tokyo (November 2019) just before the pandemic began.

Hope you enjoy my ‘estilo porteño’ with the view of my home town, and my precious ‘amigas’ who always support me a lot.

僕は、決して大のタンゴファンではないが、作曲のうえで、アストル・ピアソラアニバル・トロイロに大きな影響を受けている。

これは、世の中がパンデミックに突入する直前、2019年11月に行った東京公演の際に収録された、アルゼンチンが生んだ偉大なる二人のバンドネオン・プレイヤーに捧げたオマージュ・パフォーマンス。

それぞれの代表曲である「オブリヴィオン(忘却)/ ピアソラ」、そして「ラ・ウルティマ・クルダ(最後の酔い)/ トロイロ」を、メドレーでプレイしたもので、他の僕のライヴ音源同様、当夜、会場のデジタルレコーダーに残されていた、満場を埋めてくださったお客様が聴かれた、なんの加工も修正もしていない、そのままの音。

最初のスペイン語の字幕には、下記のようなことが記されている。

” 僕はタンゴ・クレイジーではないが、サウンドクリエイターのはしくれとして、ピアソラとトロイロに多大なる影響を受けている。これは、世の中がパンデミックに入る直前の東京公演のなかで、ふたりのアルゼンチンの偉大なるプレイヤーに捧げた僕のオマージュ・パフォーマンス。一発ライヴ録り、ミステイクもあって出来は100パーセントとは言えないが、僕の生まれた町の風景と、そして僕をいつもヘルプしてくれる素晴らしい’アミーガ(女性の友だち)’とともに楽しんでもらえれば嬉しい。”

アニバル・トロイロについては、渡米後、アルゼンチンと深く関わるようになってからその名を知ったが、ピアソラについては、渡米前、まだレコードなどもあまり出回っていない時代からのファンで、都内の輸入レコード店などで、彼の五重奏団のドイツ公演の輸入ライヴ盤が入荷したなどと知ると、走って買いに行ったものだ。

はじめてブエノスアイレスの街を歩いた時、街角のいろいろなところからピアソラの調べが聞こえてきたような気がして、”ああ。この人の音楽は本当にブエノスアイレスなんだな!”と、感激したが、そのピアソラの原点は(さらにその一世代前に活躍した)アニバル・トロイロという、やはり素晴らしいバンドネオン・プレイヤーだったということを知り、トロイロのレコードも(現地で)買って聴くようになった。

アニバル・トロイロは、言うなれば”タンゴのユパンキ”的グレート・サウンドクリエイター。
かつて、ユパンキとは共演もしている。

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ピアソラがこの世を去った後、なんだかいきなり”ネコも杓子もピアソラ”状態になったが、残念ながら、当の本人以外のプレイするピアソラを良いと思ったことは一度もない。
みな、なにか取り違えて演奏している気がする…

今回のビデオは、そんな話をしながら、僕自身はじめてピアソラとトロイロをライヴでプレイしたもの。

¡Hiroshima! La ciudad que no olvido (Atahualpa Yupanqui) 香川京子さんの朗読によるユパンキ「ヒロシマ!忘れえぬ町」

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Una interpretación en vivo de ‘ ¡Hiroshima! La ciudad que no olvido,‘ la canción más importante en mi vida, junto a una amable ayuda de Kyoko Kagawa-san (recitación,) una de las mejores actrices de la historia de cine en Japón.

(subtitulado en castellano )

A live performance of ‘Hiroshima! The city I shall never forget,’ probably the most important song in my life, with the kind assistance of Kyoko Kagawa-san (poem reading,) one of the finest actresses in the Japanese film history.

ユパンキにの詩に作曲し、共作曲として公式の演奏許可を受けた「ヒロシマ!忘れえぬ町」。

日本映画史を代表する大女優・香川京子さんの(中間部の日本語訳詩の)朗読に花を添えていただいてのこの東京公演は、僕のこれまでの「ヒロシマ」ライヴパフォーマンスのなかで、おそらくベストに挙げられるものだろう。

香川さんのご厚意、そしてユパンキの詩に対する深いご理解に心から感謝している。

なお、ビデオ冒頭にあらわれる手書きの「ヒロシマ!忘れえぬ町」の詩は、ユパンキ直筆による(1976年11月として、サインが記されている)貴重なもので、僕がニューヨークの自宅で大切に保管している。

また、息を呑むような、巨匠の広島滞在時(1966年)の写真は、当時「広島アルゼンチン音楽同好会」の会長をしておられた山崎克洋-やまさきかつひろ-さん(最後の集合写真の一番左側)さん撮影によるもの。

僕は1992年、アルゼンチン、コルドバ州のリオ・セコという町で、ユパンキのご長男ロベルト(コージャ)さんから「ヒロシマ」の公式演奏許可を受けたあと、この山崎克洋さんのご尽力によって四年ぶりにニューヨークから日本に帰国。広島市でデビュー公演を行い、演奏家として立つことができた。

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ヒロシマ!忘れえぬ町

灰のなかから蘇る 不死鳥のように
苦しみを喜びへと謳いあげる ベートーヴェンのシンフォニーのように
いまきみは こなごなになったからだを
悠久の水のなかへ 蘇らせようとしている

ああ!きみは大いなる農夫!
大いなる夢を見る 種まき人!

こうしてぼくは きみを想う
愛するヒロシマよ!

あの夜のことをおぼえているかい
引き裂かれたキモノよ
さぞ あつかっただろう
大地は 灼けつく太陽よりも熱く
きみたちを つつんだのか

国境をこえた恐怖 子どもたちを失った町
山の松は倒れ 野の稲は枯れ果て
星空の下 物語を綴る笛の音はやみ
すべては巨大な静けさのなか 静かに去っていった

ともに歌うこともなく 涙を流すこともなく
さよならを言うこともなく
たとえようもない 恐ろしい瞬間
きみたちは静かに去っていった
ヒロシマよ!

しかし神は きみの優しさを見守っていた
きみの清らかな種を!きみの深い声を!
そしてきみは蘇り 恥じらいながら咲く桜の花を再び染めあげ
母親たちは夕べに 途切れた歌を歌い出した

ねんころろ ねんころろ

ごらん! 僕はきみを想って歌う
お聞き! 僕のアルゼンチンのギターはきみを想って歌う

こうして僕は いまさよならを言うけれど
僕はずっと きみといっしょにいるだろう
愛するヒロシマ!

Clytemnestra – A Double-Neck Guitar Solo 「クリュタイムネストラ(ダブルネックギターソロ)」 仏教寺院におけるギリシャ神話

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Un solo de guitarra original de doble brazo (Washburn USA), inspirado por la mitología griega.
Fue grabado durante mi concierto especial organizado en el templo budista en Tokio.

An original “Double-Neck Guitar (Washburn USA)” solo, inspired by the Greek mythology.
Recorded live during my special concert took place at the Buddhist temple in Tokyo.

ギリシャ神話の美貌の王妃「クリュタイムネストラ」をモチーフにして作曲した、カスタム・アコースティック・ダブルネックギターソロ

お寺の本堂において収録された、珍しいライヴパフォーマンス。

6弦と12弦のダブルネックを、速いアルペジオの導入部、そしてモデラートの主題部にかけてかわるがわるプレイしたあと、再びアレグロに戻り、特殊奏法によって同時に両方を奏でることで、天空の神々しさ、そしてそこに溢れる愛と憎悪と哀しみを幽玄的に音楽表現した。

使用楽器は、アメリカのワッシュバーン社製作によるカスタムで、このテのギターはオヴェーション社のものがよく知られているが、オヴェーションは(本当の意味での)アンプラグドでプレイした際に音にコシがなく、実際は、このワッシュバーンのほうがより優れている。
この、アンプを通さなくても音が全く砕けないサウンドバランスは素晴らしい。音に絶妙のヌケノビがあり、そしてよく泣いてくれる。

東京日野市の安養寺にご招待を受けて行った、スペシャル奉納コンサート第一部のエンディングとしてライヴ披露。

Casida de dos mujeres 二人の女のカシーダ

Casida IV ‘De la mujer tendida’

Casida IV ‘Lying woman’

カシーダ第4編「横たわる女」

Poem by Federico García Lorca
Music created by Shiro Otake “le Gi♰an”
(Improvisation on ‘Adagio BWV. 1001’ by J.S. Bach)

Recorded live at Entel Theater in La Paz, Bolivia (October 2017), and CLUB MANDALA TOKYO (April, 2017)

詩:フェデリコ・ガルシア・ロルカ
作曲&演奏:シロ・ル・ジタン(大竹史朗)

ボリビア首都ラパス(2017年10月)、および東京(2017年4月)にてライヴ収録

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Casida VIII ‘De la muchacha dorada’

Casida VIII ‘Golden girl’

カシーダ第8編「金色の娘」

Poem by Federico García Lorca
Music created & performed by Shiro Otake “le Gi♰an””

Recorded live at Yamaha Hall Tokyo (April, 2014)

詩:フェデリコ・ガルシア・ロルカ
作曲&演奏:シロ・ル・ジタン(大竹史朗)
〜バッハの「アダージョ」によるインプロヴィゼーション〜

2014年4月、東京銀座ヤマハホールにてライヴ収録

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Dos solos de guitarra inspirados por los dos maravillosos poemas de Federico García Lorca, utilizando el ritmo de ‘Zambra,’ uno de los importantes ritmos tradicionales andaluces origen árabe.

Two original guitar solos inspired by a stunning two poems by Federico García Lorca, utilizing ‘Zambra,’ one of the most important Andalusian traditional rhythms originated in Arab.

ロルカは、”カシーダ”と呼ばれる、アラブ起源の詩のスタイルを用いた9編から構成される、それは前衛的かつ幻想的な美しい短編詩集を書いた。

これは、同じくアラブに起源に持つ、アンダルシアの伝承リズム”サンブラ”を使って書いた、そのなかの「横たわる女」および、「金色の娘のカシーダ」に霊感を受けたオリジナル・ギターソロ。

トップの「横たわる女」は、バッハの名曲「アダージョ」をインプロヴァイズしたもので、2017年10月に大成功をおさめた、ボリビア首都ラパスにおけるライヴ動画(一部東京)。

ふたつめの「金色の女」は、今年12月8日、新作「愛の詩〜レクイエム〜」を初演予定の、東京銀座ヤマハホールのステージにおける、2014年4月のライヴ映像。
大幅な変則調弦を用いて、アラブの伝統楽器”ウード”のサウンドを模している。

なお、ファンクラブの会員の皆様には、次号のニュースレターにて、これらの動画の日本語字幕付きヴァージョンをお送りします。

Hello from Bryant Park NYC

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Te saludo desde el parque Bryant, después de una entrevista con la comunidad latina en la ciudad de Nueva York.

Greetings from the Bryant Park, after taking an interview with the Latin Community in NYC.

42丁目の5番街と6番街の間のブロックに渡って広がるブライアント・パークの敷地内の屋外カフェで行われた、あるラテンコミュニティーとのインタビューのために、二ヶ月ぶりにマンハッタンを訪れた。

前回来た時よりも、さらに活気が戻って、ほぼパンデミックに入る前と同じ雰囲気。

このまま世界中が、早く元の世の中に戻れるよう、ただ願うのみだ。