「Knight’s NY diaries」カテゴリーアーカイブ

ニューヨーク日記

Bach-Lorca Improvisation 2 “Lucía Martínez” バッハ-ロルカ・インプロヴィゼーション❷「ルシーア・マルティーネス」

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Lucía Martínez.
Umbría de seda roja.

Tus muslos como la tarde
van de la luz a la sombra.
Los azabaches recónditos
oscurecen tus magnolias.

Aquí estoy, Lucía Martínez.
Vengo a consumir tu boca
y a arrastrarle del cabello
en madrugada de conchas.

Porque quiero, y porque puedo.
Umbría de seda roja.

ルシーア・マルティーネス
紅い絹の影のような女

きみの腿は 光が影へと変わりゆく午後のようだ
黒い神秘の天然石が きみのマグノリアを暗くする

僕はここだ ルシーア・マルティーネス
夜明けの貝がらたちの時間に きみの唇を奪い
そしてきみの髪をかき乱しにきた

だって そうしたいから そうできるから
紅い絹の影のような女

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僕にとって、無伴奏チェロ組曲第5番「アルマンド」とともに、そもそも書かれたオリジナル楽器の響きを最大にリスペクトしながら、ギターという楽器に新たな生命を与えることができ、そしてその機能性を最大に表現できるバッハ曲が、無伴奏ヴァオリンソナタ第1番「アダージョ」だ。

これは、いまもスペイン語圏をはじめ世界中の人々に愛され続けている、ロルカの静かな炎のように燃えあがる恋の詩に霊感を得、もはやバロック音楽などという言葉をはるかに超越した、壮大な宇宙的エモーションとエネルギーに満ちたこの傑作曲を前半に置いた、オリジナル・インプロヴィゼーション・ナンバーのイメージビデオ。

前半のスペイン語字幕による言葉は、ロルカのバッハ感が最大に表されたもので;

ジプシーの調べ(シギリージャ)は、風景を理想的に真っ二つに等分するすさまじい叫びではじまる。
その叫びはやがて、驚くべき正確に測定された静寂に向かうため停止する。
静寂は、天に向かって放たれた熱を帯びたユリの花の輝き。
するとそののち、無限の感覚を伴うバッハの旋律が現れる。
バッハの旋律は円形で、永劫のサークルのなかで繰り返し奏でられるが、
ジプシーの調べは地平線の彼方へと姿を消してゆき、決して下船をこころみないディオニュソスの魂が息づき、
そして完全な情熱を燃やすある点に向かって、私たちの手のなかから逃げてゆく。

日本語訳がとても難しいが、自分にとってこの言葉はすべてだ。

今後も、ロルカ-バッハ・インプロヴィゼーションを追求してゆきたい。

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そして、続く第2部のインプロヴァイズ・パートに、上記の「ルシーア・マルティーネス」の詩を字幕に入れてある。

最初のバッハの「アダージョ」は、今年12月8日にも公演が決定している、2014年の東京銀座ヤマハホールにおけるリサイタルのオープニングとしてプレイしたもの。
僕がとても好きなベルギーの大ヴァイオリニスト、故アルテュール・グリュミオーがプレイしたレコードと、ほぼ同じ間合いでプレイしている。

このバッハをもし良くないという人がいたら、僕のレスポンスはごく簡単。
僕の音楽は聴かないほうがいいですよ”と、ひとこと言うしかない。

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「ルシーア・マルティーネス」は、現在でも世界中の多くの女性たちが、この詩をテキストとして掲載し、赤いドレスを身にまとった写真をSNSに公開している。

El día bello de la primavera y la vuelta de Tower Records 初夏のご挨拶とタワーレコードNY復活

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Saludandote desde un “McDonald’s” más bello en EE.UU.

Greetings from a most beautiful “McDonald’s” in US.

全米で最も美しい(そうです)「マクドナルド」より、初夏のご挨拶❤️

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Tower Records back in NYC!

Los CDs son más grandes invenciones musicales de humano.
Durante pandemia, la gente finalmente comienza notarlo y tener hambre del buen sonido.
Estoy muy contento de la vuelta de esa legendaria tienda de la música

CDs are the most fantastic musical inventions by the human.
During the pandemic, people finally starts noticing of it, and being hungry with the nice sound.
I’m truly glad about the return of this legendary music store.

タワーレコード、ニューヨークに復活!

CDは、人類による最大の音楽文明だ。これにまさるサウンドクオリティーはない。
圧縮mpファイルの音質は、CDのそれの100分の1。過去の遺物レコードの音質に至っては1000分の1を下回る。
パンデミックの間、人々はようやくそれに気づき出し、良質のサウンドに飢えてきている。

僕は、この伝説的老舗ミュージックストアの復活が、このところ少々文化的に低くなりつつあるニューヨークに、少なからず一役買うものと考えている。

CD “L’Anémone” in good shape 「アネモーヌの乙女」販路拡大

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Es incredible en esta situación, pero tiene buena circulación la venta de mi ultimo CD album “L’Anémone.”
El titulo francés, sin Yupanqui…
Aunque era tremendamente una aventurera, estoy finalmente contento con mi “fe.”

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It’s unbelievable though, my current CD album “L’Anémone” CD is in good shape on its circulation.
French title, No Yupanqui etc. etc….
Although it was truly an adventure work, I’m happy with my “faith” finally.

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この状況下にあって信じがたいことだが、最も新しいCDアルバムが、米アマゾンを中心に販路を拡げている。

フランス語のタイトル、ユパンキなしのラインナップという冒険作は、もちろん信念に基づいて制作したアルバムだったが、発売後すぐにドイツで5スター評価を受け、アマゾンが全世界に販路を拡大した前作に比べて勢いがなく、もしかしたらこれは自分の奢りだったかと反省していた。

北南米を中心に確実に注文が増えていると思われるこの流れは、とてもありがたいことだ。

このCDは、フランス語タイトルのギター組曲で幕を開け、ブルースのスライドバーを使った、ジョニー・ウインターへのオマージュ曲で終わる、確かにカテゴラライズしにくいアルバムではあるが、自分のギターの音は、他の作品のどれよりもよいと信じている。

自分の良いと信じることが人に理解されず、やむなく妥協せざるを得ないことも人生にはあるが、やはり僕のようなミュージシャンは、信念を取ってしまったらもうそれで終わりだ。

少なくとも自分は、ミニマムの妥協で生きていられることを、天に感謝しなければならないだろう。

Atahualpa Yupanqui Guitar Solo for Jiro Hamada (1935-2021) 濱田滋郎さんに捧げるユパンキ・ギターの名曲

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La versión homenajeada de ‘Huajra,’ dedicada a Jiro Hamada, uno de los más grandes yupanquianos en el mundo.
Jiro tradujo ‘Cerro Bayo‘ al idioma japonés en 1964. Sin duda, era un más verdadero amigo de Atahualpa Yupanqui en Japón.

An homage version of ‘Huajra,’ dedicated to Jiro Hamada, one of the biggest ‘Yupanquiano’ in the world.
Jiro translated ‘Cerro Bayo‘ onto Japanese language in 1964. Surely he was Atahualpa Yupanqui’s best friend in Japan.

先日、惜しくも他界された濱田滋郎さんに対し、感謝を込めて制作した、ユパンキの名ギターソロ曲「ウアラ(熟れたトウモロコシの踊り)」をフィーチュアしたオマージュビデオ。

冒頭のスペイン語の部分には、濱田さんが生前、誰よりももユパンキの芸術を愛し、1964年には、ユパンキの名著「インディオの道(原題:セロ・バージョ)」の日本語翻訳を行うなど、疑うことなく、日本におけるユパンキの最大の友人であったことを記している。

濱田滋郎さんとは、もう随分前だが、一度、濱田さんから依頼を受け、ご自身で担当されていたフォルクローレのリズムについてのレクチャーにおける実演を行ったことがある。
場所は、確か東京郊外の市民センターのようなところだったと思うが、濱田さんはそのあと、わざわざ僕を連れて、新宿の老舗とんかつ屋さんでご馳走してくださった。
本当に純粋な、そして優しい方だった。

僕はこの時、濱田さんがアンデスの先住民たちのリズムについて解説された際、この「ウアラ」をプレイした記憶がある。

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世の中には、バッハについて話せる人がいる。
そしてもちろん、ユパンキについて話せる人も、そしてヴィラ=ロボスについて話せる人もいる。

しかし、これらの人々について、深いレベルで同時に語り合える人というと、そうはいない。

濱田滋郎さんと鈴木巌先生は、僕にとって数少ないその人だったが、すでにおふたりとも、この世を去ってしまわれた。

En Manhattan, después de un año 1年ぶりのマンハッタンと”ワクチン投与”

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Vengo a Manhattan para una reunión de mi trabajo, después de un año.
¡Fue verdaderamente un día bellísimo!

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Visiting Manhattan after one year (!) to participate a meeting for my work.
It was truly a beautiful day!

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ある会合のため、実に1年ぶりに(!)マンハッタンへ。

最高の春日和だったので、ミーティングのあとは、以前から来てみたかった、チェルシー地区のハイライン(空中遊歩道)で一服。

もちろんまだ平常時には程遠いが、それでもだいぶ街に活気が戻ってきた気がする。

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¡Completamente vacunado!

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Fully vaccinated!

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COVID-19 ワクチン第二回目投与、無事終了!

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