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ニューヨーク日記

12月8日東京公演「愛の死 ~レクイエム~」本日前売開始

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本日11月11日(午前10時)、来る12月8日の東京銀座ヤマハホール公演の前売を開始になりました。

チケットは、こちらのリンクページよりご購入いただけます。

12月8日、お目にかかれることを楽しみにしています。

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“Requiem ~Dead from Love~”

La nuit des gitanes au verger
(the night of the gypsies at the orchard)

Wednessday, 12/8/2021 at Yamaha Hall Tokyo
Door: 6:30pm
Show: 7:00pm

Here to click to purchase the tickets.

~CAST~

Maria “la Gitane” (Dance & poem reading)
Reiko Shiba (Soprano)
LAVA (Guitar & vocal)
Shiro “le Gitan” Otake (Musical direction, guitar & vocal)

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「愛の死 ~レクイエム~」

ジプシーたちの果樹園の夜

於:東京銀座ヤマハホール 2021年12月8日(水)
午後6時30分開場
午後7時開演

~出演~

マリア・ラ・ジターヌ(舞と朗読)
司馬玲子(ソプラノ)
LAVA(ギター&ヴォーカル)
大竹史朗 ”ル・ジタン”(音楽構成、演出、ギター&ヴォーカル)

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お待ちしています!

Autumn Greetings from NY 様々な表情のニューヨークより秋のご挨拶

Park Avenue (Midtown,) New York City

マンハッタン・ミッドタウン(パーク街)にて

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Dutchman’s Landing, Upper New York State

ニューヨーク州北部、ダッチマンズ・ランディングにて

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Port Jefferson, Long Island NY

ニューヨーク州ロングアイランド、サッフォーク郡、ポート・ジェファーソンにて

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Christpher Morley Park, Long Island NY

ニューヨーク州ロングアイランド、ナッソー郡、クリストファー・モーリー・パークにて

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Esopus Creek, Upper New York State

ニューヨーク州北部、エソパス渓谷にて

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New Hide Park, Long Island, NY

ニューヨーク州ロングアイランド、ナッソー郡、ニューハイドパークにて

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Forest Hills (Queens,) New York City

クイーンズ区、フォレスト・ヒルズにて

‘Requiem ~Dead from Love~’ 12/8/21 at Yamaha Hall Tokyo 「愛の死 ~レクイエム~」12月8日東京銀座ヤマハホール初演

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Estoy finalmente preparando para viajar a Japón después de 2 años para estrenar ‘Requiem ~ Muerto de Amor~‘ en diciembre.

Este video es una presentación en vivo de ‘Soledad Montoya (Romance de la pena negra),’ mi obra para solo de guitarra dedicada a Federico García Lorca, grabada en vivo durante mi exitoso recital en La Paz, Bolivia en 13/10/17.

Igual como ‘Muerto de Amor (solo de guitarra),’ es la que representa a ‘Cante Jondo Iberoamericano,’ mi totalmente nuevo estilo de aquí a adelante.

Muerto de Amor ~Requiem~‘ en que estrenaré en diciembre en Tokio sera mi sintética obra que quería verdaderamente representar por años.

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I’m finally preparing for my tour in Japan in December for premiering ‘Requiem ~Dead from Love~.’

This video is a live performance of ‘Soledad Montoya (Ballad of the black grief),’ my original work for solo guitar (recorded live during my successful recital in La Paz, Bolivia on 10/13/17) dedicated to Federico Garcia Lorca, which represents ‘Cante Jondo Iberoamericano (South American Deep Song),’ my totally new style just like ‘Dead from Love (guitar solo)‘ from now on.

Dead form Love ~Requiem~‘ which I’m going to premier in Tokyo in December will be my total synthetic work I truly wanted to perform for the years.

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二年ぶりの日本への旅行に向け、現在準備を始めている。

パンデミックの期間、ニューヨークの自宅の押入れのなかで眠っていた未発表音源やライヴのビデオをたくさん公開してきたが、今回はその最終回

ガルシア・ロルカの傑作詩集「ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」のなかにおさめられた、ひとりのジプシー娘の姿を通し、民族の悲哀と運命を歌い上げた名編「黒い哀しみのバラード(ソレダー・モントーヤ)」に霊感を受けたギターソロで、2017年10月13日に行い、大成功をおさめたボリビアの首都ラ・パスにおけるライヴ映像を中心に制作したもの。

前記の「愛の死」同様、これからの自分の、本当にやりたかった新しいスタイルである、”カンテ・ホンド・イベロアメリカーノ(南米の深い歌)”を象徴するギター曲だ。

12月8日、東京銀座ヤマハホールで初演する新作「愛の死 ~レクイエム~」は、このふたつを拡大し、ギター二台、ソプラノ、そして朗読を加えた編成で行う。

これは自分にとって、ユパンキの作品を一切プレイせずに、アルゼンチンが生んだ巨匠への最大のオマージュとして上演する最初の作品になるだろう。
自分はこの作品がやりたくて、ここ数年「ロルカ・クリエイション」の活動を続けてきたと言っても決して過言ではない。

今後は、しばらくこの公演の情報が中心になりますが、どうぞ引き続きごひいきにお願いいたします❤️

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黒い哀しみのバラード 

ニワトリたちが大地をつつき始める オーロラの夜明け
暗い山から ジプシー娘 ソレダー・モントーヤがおりてくる

銅色のからだ 馬と影のにおい
豊かな胸 円形のうめきの歌がひろがる

ーソレダー、あんた なんだって こんな夜明けにひとりで歩いてるの?

ーあんたには関係ないでしょ
あたしは あたしの喜び そして あたし自身を
あたしの探すものを さがしにきたんだから

かわいそうなソレダー
暴れ馬のように 海にたどりつくと
波が 彼女を呑みこんでしまう

ーあたしに 海を思いださせないでおくれ
木の葉のさざめきの下にひろがる 黒い哀しみ

ソレダー、なんて深いあんたの哀しみ!
あんたの涙は まるでレモン汁のよう
そして あんたの希望は まるで口のなかのサワーのよう

ーなんて深い哀しみ!
あたしは狂った女のように 家に走りもどる
台所からベッドまでとどいてしまいそうな 
あんたの 長いおさげ髪

ーなんて深い あんたの哀しみ!
糸で編んだ あんたのブラウス
アマポーラのような あんたの腿

ーソレダー、あんたのからだを アロンドラの水でお洗い
あんたの心が いつも安らかでいられるようにね
ソレダー・モントーヤ

空の下 木の葉が舞い
オリーブの大地がひろがる
カラバーサの花とともに 新たな希望が燃えあがる

ああ!ジプシーの哀しみは
いつもきれいで ひとりぼっち
川底で泣いている 遠い夜明けのように!

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この詩は、実際は、ロルカ自身とソレダー・モントーヤという名のジプシー娘との会話のようなかたちで展開するが、ぼくはそれを、ソレダーと、少し年のいった(ジプシーではない)アンダルシア女との会話に変えて訳してある。

前にも記したが、僕の翻訳は、公的出版を考えるようなものではなく、自分が音楽としてプレイする上での、役者でいえば”演技メモ”のようなもの。

もちろん内容を曲げているようなことはないが、細かいところに、僕自身が感じるような訳をしている部分もあるので、そのあたりはどうぞご了承ください。

Song of the birds ~the voices of the animals~ 「鳥たちの歌」失われゆく森に暮らす獣たちの声 

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Es mi obra para solo de guitarra homenajeado a Jefe Seattle, que representa a las voces de los animales que ha estado perdiendo sus hogares para vivir por la estúpida destrucción de los hombres.
Grabado en vivo durante mi recital en la sala principal de Yamaha Hall Tokio (13/11/15.)

This is my original guitar solo dedicated to Chief Seattle, represents the voices of the animals have been loosing their home by the stupid nature destraction by the human being.
Recorded live at Yamaha Hall Tokyo during my recital on the 13th of November, 2015.

2015年11月13日、東京銀座のヤマハのステージにおけるライヴ録音

ニューヨークではよく、クマをはじめとする獣たちが人里に現れ、ときには民家に入り込み、冷蔵庫を開けたりする光景がニュースとして報道される。

また、昨年の12月には、はるか離れた森林で伐採されて運ばれてくる、恒例のロックフェラーセンターのクリスマスツリーのなかに、フクロウが紛れ込んでいたことが話題となった。

こうした出来事を、ゲタゲタと笑いながら、愉快なこととして報道するアメリカのキャスターたちを見ると、自分は途方もない怒りの感情に全身を覆われる。

クマは頭の良い動物だ。
人間の暮らすエリアに来ることが、どんなに危険なことか十分承知している。

ではなぜ、リスクを冒すのか?
それは、人間が己(おのれ)の生活のために身勝手な森林破壊を行うことで、食べ物や住む場所を失うからにほかならない。
それだけ彼らの暮らしは、いま逼迫した状況にあるのだ。

この曲は、愚か極まりない自然破壊の犠牲になる森や野山のいきものたちの声を、ギターのソロとして表現したナンバー。
1866年に死して今なお、アメリカで最も尊敬されている、アメリカン・インディアンの族長のひとりである、チーフ・シアトルへのオマージュとして作曲した。

もちろん、西海岸の都市シアトルは、この偉大なるチーフの名に由来するものだ。

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自分は、現在のパンデミックや気象変動による災害は、すべて思い上がった人間たちへの天からの警告であり、制裁であると考えている。

ロックフェラーセンターのクリスマスツリーは確かに美しい。
しかし、いきなり足を切られ、空気の悪い街中に連れてこられ、からだじゅうを電気のワイヤーでがんじがらめにされ、挙句の果てに焼却処分にされる木にしてみればどうだろう?

木々は生命を持ち、呼吸している
そして(愚かな我々人間に聞こえないだけで)言葉も話し、他の獣や植物たちとコミュニケーションをとっているのだ。

本来、フクロウが木のなかに紛れ込んでいたと知ったその瞬間、もうこのような愚かなことはやめようとするのが、天の恵みと恩恵に預かることで暮らせる人の道のはずだ。

人間たちが(木を一本伐採するだけで、同じ地球上に暮らす自分たちの仲間がどれだけ住む場所を失うかということを思い知り)すぐさま不必要な自然破壊をやめ、かつくだらない利権がらみの殺し合いをやめない限り、天からの制裁は永遠に続くだろう

今回のビデオには、200年後の現在をすでに見透かしていたような、チーフ・シアトルの言葉(英語、スペイン語、日本語で表示)を冒頭に引用してある。

Muerto de Amor (García Lorca) ‘Dual Live 南米のカンテホンド(深い歌)「愛の死」2都市デュアルライヴ

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Una doble interpretación en vivo (Seúl y Tokio)de mi obra con tres movimientos, en que simboliza más de mi nuevo estilo, ‘Cante Jondo Iberoamericano‘ en este momento, inspirada por ‘Muerto de Amor (Romancero Gitano)‘del legendario poeta español.
Muchas gracias a las cuatro extraordinarias bailarinas de ‘Changmu Modern Dance Company,’ a quienes hicieron una gran colaboración para hacer mi obra verdaderamente fantástica.

A dual live performance (Seoul & Tokyo) of my three parted guitar suite which symbolizes my new style, ‘Cante Jondo Iberoamericano (South American Deep Song)’ mostly so far, inspired by ‘Dead from Love (Gypsy Ballads)‘ by the legendary Spanish poet.
I’m truly grateful with the collaboration of the four stunning female dancers of ‘Changmu Modern Dance Company‘ made my work truly fantastic.

僕は、7年ほど前、パコ・デ・ルシアの遺作となったアルバム「アンダルシアの歌」を聴いて、自分が深く携わるアルゼンチンの伝統音楽の故郷は、紛れもなくアンダルシア文化の根幹を支える「カンテホンド(深い歌)」にあると確信した。

そして僕は、それを自分自身のギターでサウンド表現し、さらにそこから新たな音楽をクリエイトするために、その作業の最も核となるマテリアルとして、誰よりもカンテホンドを深く理解し、そして愛したガルシア・ロルカの詩作を大幅にモティーフとして導入し始めた。

今回のライヴ・ビデオは、これこそが今の僕のシグナチュア・カラーであると言える新しいスタイル「カンテホンド・イベロアメリカーノ(南米の深い歌)」を、目下のところ最も象徴しているナンバーで、ロルカの傑作詩集「ロマンセーロ・ヒターノ(ジプシー歌集)」のなかの名編、’愛の死’に霊感を受けた、全三楽章による、モダンダンスをフィーチュアしたギターソロ。

高度なテクニックと、深い精神性による素晴らしい舞踊を披露してくれたのは、韓国を代表する現代舞踊団「チャンム(創舞)」の四名の女性ダンサー。
現時点で、これは僕にとって最高の’ロルカ・オマージュ’だと思っているが、彼女たちの、心と身体でロルカを理解したパフォーマンスは、まさに圧巻だった。

ビデオは、第一楽章(東京 4/14/17)、第二楽章(ソウル 9/4/17)、そして第三楽章(東京&ソウル)の二元ライヴとして楽しんでいただけるよう構成してある。

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_あの天空の回廊で 光り輝いているものはなに?
娘よ、扉を閉めておくれ もう11時になるよ
_あたしの瞳には 四つのランタンが輝いているように見えるけど…
きっと 天空の回廊では 人々が銀を磨いているんだろう

*

苦悩の銀のガーリック
沈みゆく月が 金色の髪を 金色の塔にからませている
夜が震えながら バルコニーの窓ガラスを叩くと
夜を知らない 千匹の失われた犬たちが
ワインと琥珀の香りとともにあらわれる

濡れた葦のそよ風と 老いた声のさざめきが 
真夜中の枯渇したアーチのうえで ひびいている

眠りにつく牛たちと バラの花
聖ホルヘさまが そのまばゆい輝きとともに 
ただ 天空の回廊で光を放っている

谷に暮らす 哀しみの女たちが血を流す
切り取られた花の静けさと 若い肢体の苦み

川に暮らす 老いた女たちが
山の麓で 泣いている刹那

ライムのファザードが 白い正方形の夜を身にまとう
堕天使とジプシーたちが ギターを奏でている

母さん、もしあたしが死んだら
素敵な男の人たちに あたしを探してもらってね
北と南へ送られる 蒼い文字の電報を打って
みんなに知らせてちょうだい

*

七つの叫び、七滴の血、
そして七本のアドルミデーラの花が
暗いサロンで おぼろ月を引き裂く

あたりは 切り取られた手首と 花冠でいっぱいにあふれ
誓いの海が どこかあたしの知らない場所で こだましている

そして 突然の森の静けさに 扉を閉める空
あの天空の回廊で 光が叫び声をあげているあいだに

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この詩は、ロルカ自身と彼の母との会話のような雰囲気で始まるが、僕は、若いジプシー娘と、彼女の母親とのそれに変えて訳している。

その他、たとえば、原文では堕天使とジプシーたちが奏でているのはアコーディオンだが、それをギターに変えるなど、僕自身の判断による(詩人を最大限リスペクトしたうえでの)多少のスイッチもある。

僕の翻訳は決して公的に出版を考えるようなものではなく、あくまでも自分自身の音楽をプレイするうえでの、俳優でいえば「演技メモ」のようなもの。

そこを理解して、音楽とともに楽しんでいただければ嬉しい。

このロルカの前衛世界にピッタリの絵画は、やはりアンダルシア(コルドバ)に生まれた大画家、フリオ・ロメロ・デ・トーレスによるもの。