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鈴木巌先生 初訪米公演 I

NYアルゼンチン共和国総領事館オーデトリアム・ジョイントリサイタル

8月4日、水曜日の午後6時30分より、私のギターの恩師鈴木巌先生とともに、在ニューヨークアルゼンチン総領事館主催により同公館オーデトリアムで行ったジョイント公演が、超満員の大成功をおさめました。

出番直前の鈴木巌先生と私。
先生はこの総領事館公演に際し、「今回私は、私のためではなく史朗君の名誉のために演奏します。」とおっしゃって、わざわざ日本からタキシードをご持参くださったのです。
一方私も、通常南米諸国を訪れる際にしか使用しない、未だ知られざるアルゼンチンの名工、グレゴリオ・カブラル氏が、一部のフラメンコギターを除いては現在ほとんど見ることのないフリクション(摩擦)による木製の糸巻と、南米産の木材を使って、ヨーロッパ旧時代の伝統を現代に蘇らせたカスタム楽器を演奏し、この記念すべきコンサートを彩りました。

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ラ・ベンゴ・ア・デハール – サンティアゲーニョの誇り

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 XVII

現在私が、決して大袈裟ではなく全身全霊をこめてその解釈とインタープレテーションに励んでいるもの、それが、目下の私にとってのユパンキ芸術の真髄ともいえる「ラ・ベンゴ・ア・デハール」です。
写真は、1992年2月16日、アルゼンチン、コルドバ州の集落シンサカーテにおいて、同国解放の英雄のひとりであるファクンド・キロガの記念碑に、その命日をリスペクトするために集まったガウチョ連合の青年たちとともに撮影されたスナップ。
中央のジャケット、ジーンズ姿が私です。
私は小学校時代から乗馬に親しんでいましたので、乗馬で彼らにひけはとりません。
私たちはこの後ともに馬を駆り、そしてギターを弾いて歌いました。
ファクンド・キロガは、このシンサカーテにほど近い、バランカ・ヤコ(スペイン語と先住民のケチュア語の混合語で”水の峡谷”の意)に没しました。
バランカ・ヤコは、北部コルドバと南部サンティアゴのほぼ国境に位置し、かつてここには南米最後の副王領リオ・デ・ラ・プラータへと続くロイヤルロードがあったそうです。
「ラ・ベンゴ・ア・デハール」は、かの地サンティアゴ地方の民族魂がうたわれた、私が、いまの私の年齢に到達するまで、ずっと長い間その研鑽をおあずけにしてきたナンバーです。

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デューク・エリントン小学校スペシャルイヴェント成功裡終了

ミドリ&フレンズとのプロジェクト

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今年の二月、カーネギーホールでの招聘演奏を終えた直後、ニューヨークにおける私の代理人、ドロシーさんから、「ミドリ&フレンズから、ニューヨークの小学校で子どもたちにギターのコンサートをしてもらいたいと打診を受けているけれど、興味はある?」との連絡を受けました。

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El Gran Escultor

高岡典男さんの芸術

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私はこれまで、ほとんどモダンアートという分野に興味をもつことなく過ごしてきましたが、最近、ある日本の素晴らしいヴィジュアル・アーティストとの出会いから、その’暖かさ’と’シャープさ’をともに兼ね備えた、独特の感覚にあふれた現代美術の数々にすっかり魅了されるようになりました。
彫刻家、高岡典男さんです。
(写真は、去る四月、ドイツのエッセンで行われたアート・シンポジウムに招待を受けた高岡さんが、三週間にわたる現地滞在中に制作を行った平面作品3点。高岡さんは、日本帰国早々この写真を送ってくださいました。)

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水嶋淳さんの贈りもの

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フラメンコやフォルクローレなど、エスニックギター音楽の演奏に必要不可欠なセヒージャ(カポ)。
私にとっての最大の愛器である、アルゼンチンのグレゴリオ・カブラルさん製作による二台のギターに、このうえなくフィットするデザインの美しいセヒージャを作ってプレゼントしてくださるのが、ユパンキの音楽をなによりも愛する東京在住のフォルクロリスタ、水嶋淳さんです。

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