アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 VII
今回のマチュピチュ・コンサートツアーでは、ペルー旅行において、おそらくかの地とその人気度で双璧をなすであろう最大の観光スポット、クスコでも演奏を行います。
クスコは、インディオの言葉’ケチュア’で’ヘソ’を意味する、かつて南米大陸を南北4000キロにわたって支配したインカ帝国の首都として栄えた、標高3400メートルに位置する美しい魅力的な町です。
マチュピチュではパフォーマンス前夜と当日、私たちの宿泊先にもなる最高級ホテル、’サンクチュアリ・ロッジ’の、壮大な遺跡を一望のもとに見渡せるガーデンテラス(息を呑むようなホームページはこちら ) においての、文字通り圧巻ともいえる会場でのコンサートとなりますが、クスコも同様、こちらもやはり宿泊先となる、かつて修道院であった歴史的建造物を改装した、’Best in South America’と謳われる素晴らしいホテル、’モナステリオ・デル・クスコ(ため息がでるようなホームページはこちら ) ‘が会場となります。
このクスコでの演奏において中心となるレパートリーが、アタウアルパ・ユパンキ作になる、アンデス・ムードいっぱいの郷愁ただよう素晴らしいふたつのナンバー、’リャマ追い馬子の歌’と、’ヌンカ・ハマス’です。
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アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 VI
神秘の空中都市マチュピチュでのコンサートにむけ、南米ペルーへ出発する日が近づいてきました。
最近、女性歌手との共演でラテン・ポピュラーを演奏するいっぽう、混声合唱や、日本の伝統楽器である尺八との共演、さらにケルト世界やさまざまな伝説にインスパイアーされ、ダブルネックギターやポルトガルギターなどを演奏。
さまざまな要素をコンサートに導入している私ですが、この二年ぶりの南米でのパフォーマンスに際しては、私にとってまさに原点回帰ともいえるオーセンティックなフォルクローレギターの調べの数々を、マチュピチュの聖なる霊気を吸い込みながら、精魂こめて演奏するつもりでいます。
そのプログラムのなかで、中核をなすレパートリーといっていいのが、南米先住民の血をひくアタウアルパ・ユパンキが、壮大なる大地と自然、はるかなる彼の祖先への想いをバイレシートのリズムにのせて謳いあげた傑作ナンバー、’インディオの道’。
毛布にくるまってすやすやと眠る先住民の赤子に対して、心からの言葉を贈ったウァイノ形式の子守歌、’眠れるインディオの子’。
そして、アンデスのフォルクローレに欠かすことのできないケーナ、チャランゴ、ボンボといった楽器の調べをギター一本で模倣した、アンデスムードいっぱいのカルナバリートによる名ギターソロ、’熟れたトウモロコシの踊り’の3曲です。
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10月22日の夜、東京南青山のクラブMANDALAにおいて行った公演が、約100名のお客様を集め無事成功裡に終了しました。
パワーアップしたはらだじゅんさんは、すべて私のオリジナル・アレンジによるギター伴奏にのって、アマリア・ロドリゲスの名曲、`暗いはしけ`、`孤独`、`ラ・ラ・ラ`、`ポルトガルの洗濯女`、`ポルトガルの四月`、`アドロ`、`難船`、`神が私に声をくれた`、そしてさらにユパンキの`トウクマンの月`、`栗毛の馬`を熱唱。
私はソロで、ユパンキの`栗毛の馬`、ヴィラ=ロボスのカデンツァ、ロブレスの`コンドルは飛んでゆく`、自作の`ラ・サンティアゲーニャ`、`南部幻想曲`、そして実弟のDJ LAVAをくわえてポルトガルギター導入のニューアレンジによる`ダヒュ`を演奏。
満場のすべてのお客様に楽しんでいただける仕上がりとなったと確信しています。
お集りいただいたすべての皆様、そしてスタッフの皆様にこの場をかりて御礼を申し上げます。
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今回、日本に到着した私を迎えてくれた素晴らしいプレゼントがありました。
ポルトガルの民俗歌謡`ファド`に欠かすことのできない、`ハート`のかたちをした美しいボディーシェープと、潮風の香り漂う調べにふさわしい貝殻を模したヘッドシェープ、そしてさらにその貝殻におちるひとつぶの涙をかたどったトップをもつ小型ギター、`ギターラ・ポルトゲーザ -Guitarra Portuguesa-(ポルトガル・ギター)`です。
貝殻におちた涙ひとしずくが心にひびき、音色となってむせび泣くといった感じでしょうか。
素晴らしいデザインです。
(なお、スペイン語圏諸国では、通常私たちが`ギター`とよぶ楽器のことを`ギターラ`といいますが、ポルトガル語圏の本国ポルトガルやブラジルでは、`ギター`を`ヴィオロン`とよび、`ギターラ`という言葉はこのポルトガルギターをさすのだそうです。起源は古く、もともとこのシェイプをもった楽器はインド生まれで、それが東へ渡ったものが日本で琵琶となり、西へ渡ったたものがポルトガルでギターラとなったといいます。)
実はこの`ギターラ`、現在日本ポルトガル協会長でいらっしゃる高野悦子さん からのプレゼントなのです。
名手カルロス・パレーデスさんの使用楽器を作っていたことで知られる、ジョアン・ペドロ・グラシオ・ジュニオール氏が1962年に高野さんのために製作した、コインブラ・スタイルによる、たいへん歴史的にも価値のある銘器です。
製作者の心がこめられた楽器は、音を出した瞬間にわかるものです。
このギターラ、半世紀近くも前に生まれたものであるにもかかわらず、ボリュームのある素晴らしい音色にはなんともいえぬ哀感がただよい、おそらくこれからの私の音楽にとって、きっと大切な役割を担ってくれることまちがいありません。
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アンダルシアのレモンと、イタリアの濃厚なハチミツに、アタウアルパ・ユパンキの魂が溶け合う、静寂のグロリエータ(四阿)「カンテホンド・イベロアメリカーノ」の音楽世界