「エドワルド・マルティネス」タグアーカイブ

Piedra Sola – ひとりぼっちの石-

アタウアルパ・ユパンキの素晴らしき詩の世界 III

aapiedra

海、山、風、川、森、平原、木々、花々、そして動物たち。
自然界のなかでともに生きるものたちとの心のふれあいを美しい詩にたくして謳いあげたアタウアルパ・ユパンキ。
以前、さすらいの旅人と、それを見守る木々との素晴らしい心の交わりをテーマにした’郷愁の老木’についてふれました。
今回は、前述の’ギターラ’と同じく私の愛読書であり、ユパンキ名作詩集である’ひとりぼっちの石 (ピエドラ・ソラ)’のなかから、路傍にひっそりと佇む、まるで忘れ去られてしまったような石との心のふれあいを謳った、同タイトルによる作品をご紹介したいと思います。
‘ひとりぼっちの石’は、詩集のトップにある、’デディカトーラ’とよばれるユパンキ自身による献呈文のあと、この名作詩集の冒頭を飾る作品としておさめられています。

詩集 ‘ひとりぼっちの石 ‘より
デディカトーラ (献呈文)

俺の大地よ!
お前の抱く山々の 
その道の上で
俺の心は これらの言葉に出会った
その 大いなる
その 決して言語におきかえることのできないものが
俺のなかに宿った
まるで お前がもつ
静けさにみちた 宇宙のような力に 
奥深く守られた 音楽の調べのように

- アタウアルパ・ユパンキ

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Tournée au Pologne 2007

世界遺産ヴェリチカ岩塩抗ライヴ

ヴェリチカ岩塩抗コンサート会場

ポーランドにおけるコンサートのパート1は、世界文化遺産の宝庫ともいえる同国にあっても、おそらく最大の人気スポットといえる、ヴィエリチカ岩塩採掘場(岩塩抗)におけるライヴでした。
写真は、コンサート会場となった、地下130メートルに位置する、自然の迫力が生み出す豪華な雰囲気につつまれたシアター。観客の皆様はここで、おいしいポーランド料理つきの素晴らしいライヴ・パフォーマンスを楽しむことができるのです。
これまで実に世界のいろいろな場所でコンサートを行ってきた私ですが、天然の岩塩に四方八方を囲まれたこの場所は、いままで演奏したどの会場をもってしてもまったく及ばない、最高にすぐれた生の音響をを楽しめる、驚異的なまでに力強い大自然が作りあげた、それは美しいコンサートホールでした。

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“Radioshow” ON AIR !

1月27日、米国東部時間の午後2時30分、ブエノスアイレスのラジオ局Radio del Plata/の人気番組”Radioshow”のスタッフから、ニューヨークでリハーサル中の私に予定通り電話がかかりました。

まず段取りの説明を受け、しばらくの間、受話器から流れる小気味よいポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)・アクセントによる彼らの放送を楽しんだ後スタンバイのキュー。私の”Zamba del Grillo-こおろぎのサンバ”(目下のところ、私のベスト・ユパンキ・インタープレテーションだと自負)がかけられたあと、司会のレオナルド・グレコとの10分間におよぶ電話インタビューがブエノスアイレスにライヴで流れました。

私とユパンキとの出会い、そしてアルゼンチンとの縁、さらにこれからの活動などのストーリーが、遥かなる距離で南北に隔てられたふたつの魅力あふれる都市をひとつにつなげ、とても充実した、価値のあるいいインタビューになったと思っています。音声も、ブエノスアイレスと話しているとは思えないほどクリアーで、きちんとオーガナイズされた良質の番組でした。
ラスト、私が演奏した「月の踊り」が流される前に、「私たちの音楽を、日本生まれで現在米国にいるあなたが演奏してくれていることをとても感謝しています。」と言われ感激。
私も、「私の人生はアルゼンチンぬきでは考えられません。アルゼンチンのみなさんに感謝します。」と言ってインタビューを終えました。
きっとブエノスアイレスやモンテビデオで聞いてくださった日本人の方々もいらっしゃることでしょう。
いつかまた、声だけではなく皆様とお目にかかれますことを楽しみにしています。

“Radioshow”のプロデューサー、マルティン・フェルナンデスさん、そしてこちらのリハーサルの最中に時間をさいてくださったニューヨーク・サイドの皆さんに感謝をし、文末ながら、Radio del Plataの今後のさらなる発展を祈ります。

(私はこのインタビューでとても大切な二人の人物の名をあげました。私が日本でもっとも尊敬するギタリストの鈴木巌先生と、わたしの人生を語る上で絶対に忘れることの出来ないアルゼンチンのフォルクロリスタ、故エドワルド・マルティネス・グワジャーネスです。今日私は、ブエノスアイレスの皆さんにそのおふたりの名前を知っていただいけたことをとても喜んでいます。)

9.24 NY公演にむけて Part 6

牛追いのようにギターを弾く
フォルクローレ・ギタリスト 大竹 史朗さん

050918

週間NY生活(2005年 9月15日) ‘顔’ 欄
アルゼンチンの山村で暮らす南米先住民の郷愁誘う音楽、フォルクローレ。ラテン音楽の世界で、大竹さんの芸名・シロ・エル・アリエーロの知名度は抜群だ。今年から本名で演奏活動に乗り出し、日本人としての自分とフォルクローレとの融合音楽の世界にも挑戦する。

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ニッポン放送 ’スーパーステーション’

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ニッポン放送が制作した、一時間にわたる私のドキュメンタリー番組。
このなかでふたつ、関係者による私に対しての忘れられないコメントがありますが、そのひとつは、やはりニッポン放送の、おなじみ竹村健一さんの番組に生出演したときの彼のコメントの抜粋です。

竹村さんにはとても気難しい印象を受けていたので、正直あまり気乗りがしませんでしたが、マイクをはさんで私を見つめる彼の眼鏡の奥にあったのは、ほんとうに澄んだ、興味深さでいっぱいの優しいまなざしでした。
“自分はフルブライト第一期生としてアメリカに留学をしたが、もう日本に帰りたくて帰りたくてしかたがなかった。しかしいま、ここにいる青年は、ギター一本ひっさげて南米コミュニティーに入り込み、ーあっちも移民ならこっちも移民だとーと言っている。これは本当にすごいことで、まさに新しい日本人と言えるのではないかとぼくは思う” と、おっしゃってくださいました。
私はそのとき、本当にアメリカに行ってよかったんだと思ったものです。
結局 ‘スーパーステーション’には、このとき竹村さんがおっしゃった、‘新国際人’という言葉がそのままタイトルとして使われました。

もうひとつは、私のストーリーにかかすことのできない、いまは亡きエドワルドの声です。
‘スーパーステーション’のディレクターの香高英明(こうたか ひであき)さんは、ニューヨークまで音源取材にみえ、エドワルドの演奏やインタビューを録ってくださいました。
“シロはすばらしいともだち、そして私たちの文化を深く理解する、ピュアーな心をもった強い男だ”と、語ってくれたエドワルド。
自分よりも前にアメリカをめざしたこの先輩ふたりによるメッセージは、いまなお私の心の支えとなっているのです。