「Knight’s NY diaries」カテゴリーアーカイブ

ニューヨーク日記

Una obra para flauta y guitarra 「ハンアの舞」ライヴによるアンサンブル作品

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Una interpretación en vivo de ‘Danza de Hanga,’ mi obra con tres partes para flauta y guitarra, junto a Heesuk Kim, fue grabado en el hermoso templo budista en Tokio.
‘Hanga’en el nombre de una doncella de una historia leyenda de corea, que vive sola en la luna.

Danza de Hanga

1. Virgen de la Luna
2. Sanjyo ~ Blues
3. Danza

A special performance of ‘Hanga’s Dance,’ my three parted composition for flute (Heesuk Kim) and guitar recorded live at the beautiful buddhist temple in Tokyo.
‘Hanga’ is the name of maiden from a Korean legend story, living in the moon alone.

Hanga’s Dance

1. Maiden of the moon
2. Sanjyo ~ Blues
3. Dance

ソロ曲のように多くはないが、自分には他楽器とのアンサンブル作品がいくつかある。

これは、いまからちょうど7年前に、東京の公益財団法人・日韓文化交流基金のご招待を受け、四谷のハンマダン大ホールにおいて、韓国の優れたフルート・プレイヤー、キム・ヒスクさんとの共演で初演した三楽章組曲「ハンアの舞」を、本番公演三日前に、東京芝にある瑠璃光寺という美しいお寺の本堂で、後援会の皆さんに来ていただいてプレミア初演した際の動画。

第一楽章「月の乙女」
第二楽章「サンジョ〜ブルース」
第三楽章「ダンス」

ハンア(媗娥)とは、韓国の伝説に登場する、天上とも地上とも縁を断ち、ひとり孤独に月に暮らす乙女の名前。

第二楽章では、韓国の伝統楽器の音を模倣するため、ブルース・ロックに使用されるボトルネック・スライドバーを用い、サンジョ(散調)と呼ばれる韓国伝統音楽の形式によって、月に住む乙女の嘆きを表現し、これが後半アメリカのブルースに移行する展開は、自分でもとても気に入っている。

自分は、韓国の伝統音楽にとても惹かれる。

キム・ヒスクさんは、ドイツに長く学んだ、純然たるクラシックのプレイヤーだが、とても気が合う「ソウルの妹」のような女性。
自分の作る音楽をよく理解し(前日に一時間ほどリハーサルしただけでも)、こうしてすぐにパフォーマンスとして仕上げることができる。

ただし、そこはクラシックのプレイヤー。なんといっても楽譜を第一に必要とするので、自分のように楽譜をほとんど用いないプレイヤーにとっては、そこが唯一の頭痛のタネとなる。

通常なら、”ここはアドリブで”と共演プレイヤーに任せるところを、スローなところから、速いインプロヴィゼーション風パッセージに至るまで、曲中にあるすべての音を音符として彼女に伝えなければならなかったので、この曲の楽譜を書くのは大変だった…

ヒスクさんとは、この前の年に、ソウルのホールで’バッハ・イン・ラテンスタイルというジョイント公演を行い、フルートとギター用にアレンジしたユパンキの曲や、ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハのアリア、そしてピアソラのタンゴ物語などをプレイした。
この動画も手元にあるので、いつかご紹介したい。

¡Hiroshima! La Ciudad Que No Olvido (Atahualpa Yupanqui) ユパンキの「ヒロシマ 忘れえぬ町」

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Aunque recién he sido recibiendo los mensajes muy emocionantes de la gente argentina a mi canal de YouTube, no he nunca recibido tan hermosas palabras como lo que fue dejado a un nuevo vídeo que publiqué hace unos días. Así que me gustaría compartirlo contigo.

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No nos alcanza una vida para conocer las cosas interesantes que tiene el mundo. Agradezco haberte encontrado, gran Shiro. Me avergüenzo y pido perdón por no saber de tu existencia. Por suerte, el destino quiso que me cruzara con tu obra al buscar por el alazán que cayó al barranco. El caballo no murió en vano, hizo que yo me maravillase con tu obra y me convierta en tu admirador. ¡Gracias!

このところ、アルゼンチンで何か大きな報道でもあったのかなと思わせるように、同国の、しかもたいへん感覚的に優れた人々からユーチューブのビデオにコメントが寄せられるが、これは、最近アップした「ヒロシマ 忘れえぬ町」(2017年東京公演)に寄せられた、本当に嬉しいメッセージ。

スペイン語独特の劇的な表現が多く、あまり良い訳ではないが、日本語にしたものをご紹介したい。

文中にある’栗毛の馬’は、少年時代の自分の運命を変えた、崖から落ちて死んでしまった愛馬に捧げたユパンキの傑作曲。

2017年は、とても忙しい年で、この東京公演の直前に、スペイン政府の後援を受け、ニューヨークでロルカへのオマージュリサイタルを行い、そしてこのすぐあとには、やはりニューヨークの国連本部公演を控えていた。

これは、二時間プレイし続けたあとの、二回目のアンコールの、文字通り公演フィナーレの演奏。
若干疲れが出てしまったのか、歌の音程を結構外す箇所が見られたため、これまで本動画の公開をしていなかった。

翻訳文にリンクしてある「栗毛の馬」には、アルゼンチンのファンから日々多くのポジティヴなコメントが寄せられるが、実はこのときのパフォーマンスも、自分は100パーセント満足していない。
たった二時間の公演で、ユパンキの歌を歌うことと、自分自身の音楽との完璧な両立は、本当に容易なことではない。

ただ、楽器のミストーンや、歌の音程の外れは、プレイに勢いがあれば、それはライヴならではの醍醐味ともいえる。
自分でよくないと思っても、リスナーがよく感じてくれることもある。

いま自分についてくれている良質のアルゼンチンのファンの人々なら、もしかしたら理解してくれるだろうと信じ、このライヴ動画を公開した。

撮影と演出は、日本を代表するドキュメンタリー映像作家・羽田澄子さん。

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この世の全ての素晴らしいことを知るために、私たちの人生は余りにも短いものですが、私はあなたに出会えたことをとても感謝しています。グラン・シロー。これまであなたのことを知らなかったことを恥ずかしく思い、お詫びする限りですけれど、どうやら運命は(ユパンキの)「栗毛の馬」の動画を探していた私を、あなたの作曲へと導くことを望んでくれたようです。栗毛の馬は崖から落ちて無駄には死なず、私をあなたの素晴らしい作品に会わせ、そして私をあなたの大ファンにしてくれました。ありがとう!

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自分は今後も、こうしたファンの人々を決して裏切らない音楽の創作に全力を挙げる。

‘Villa-Lobos’ para una gran amiga かけがえのないアミーガに贈る’ヴィラ=ロボス’

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En la memoria de Kyoko Iida (1962-2020,) una gran amiga, y una preciosa miembra de Los Amigos de Shiro Otake.

In the memory of Kyoko Iida (1962-2020,) a beautiful friend of mine, and a precious member of Los Amigos de Shiro otake.

中学校時代の同窓生で、また、2013年からは後援会の一員としてずっと応援し続けてくれていた飯田享子さんが、数日前東京から天国へと旅立った。
まだ50代。早すぎる死だった…

何年か前に、僕がライヴでプレイしたヴィラ=ロボスを聴き、”ヴィラ=ロボスってすごい!私は史朗くんの演奏するヴィラ=ロボスが大好き!”と言ってくれたかけがえのない応援団の女性に、ヴィラ=ロボスの傑作曲「プレリュード第4番」とともに、心からの追悼の意を表したい。

いままでありがとう、享子ちゃん

El Camino Autentico de Atahualpa 1 アタウアルパ・ユパンキの至芸を追う道①

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Dos interpretaciones auténticas en vivo de ‘El Alazán ‘ y ‘Luna Tucumana,’ de Atahualpa Yupanqui, fueron grabado durante una función especial en Hiroshima, junto a Jun Takemura, uno de los mejores expertos de la música latina en Japón.
Si hay alguien diciendo que esto no es bueno, yo diría que mejor no me escuche. Porque como un músico esto es todo lo que puedo hacer.

Two authentic styled interpretations of Atahualpa Yupanqui‘s masterpieces, recorded live during the special ‘joint chat’ concert in Hiroshima, with Jun Takemura, one of the finest experts for Latin American music in Japan.
If there’s someone saying that this is not good, I would say better not listen to my music. Because as a musician, this is simply all I can do.

少し前だが、日本を代表するラテンアメリカ音楽のエキスパート・竹村淳さんと一緒にご招待を受けた、広島市における’ユパンキ生誕100年記念スペシャル・トークコンサート’で、自分はアタウアルパ・ユパンキの名曲六曲のパフォーマンスを、巨匠がプレイしたものをほぼ忠実に採譜したバージョンで行った。

竹村さんは、ユパンキをこよなく愛するグラン・ユパンキアーノ

自分は少年時代、本当にたくさんのレコードをむさぼるように聴いていたが、ジャンルを問わず、大抵のものは竹村さんがライナーノーツを書いておられた。
いまこうしてご縁ができ、コンサートをご一緒できるというのはとても嬉しいことだ。

広島以外にも、竹村さんとはこれまで、東京で4回、愛媛県の松山市で1回、そして宮城県の気仙沼市でも1回、こうしたトークコンサートを行っている。

この動画は、第一部オープニングの「栗毛の馬」、そして第二部終盤の「トゥクマンの月」の演奏。
自分はこのとき、珍しく南米の民俗装束を身につけている。

ごまかしの一切きかない生音、そしてそれをただ正面から撮っただけの、なんのエフェクトもないカメラによる音源は、決して最高といえる状態ではないが、もしこのパフォーマンスを良くないという人がいるなら、僕の音楽は聞かないほうがいいよと言うだろう。
おそらく一人のミュージシャンとして、僕にはこれ以上のことはできないから。

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* El Camino Autentico de Atahualpa Yupanqui 2 アタウアルパ・ユパンキの至芸を追う道 ②

Mis propias obras para guitarra en vivo 1 ライヴによるギターソロ作品集①

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Una interpretación en vivo del tercero y del ultimo movimiento de ‘Suite Nambu,’ mi obra inspirada por la belleza de ‘Iwate,’ la provincia ubicada en el norte de Japón, y también por las maravillosas poesías de Takuboku Ishikawa (20 de febrero, 1886 – 13 de abril, 1912), poeta nacional que nació en Iwate.

A live interpretation of the 3rd and the final movement of ‘Suite Nambu,’ my original composition inspired by the beauty of ‘Iwate,’ a prefecture located in northern Japan, and also by the emotional poetries of Takuboku Ishikawa (February 20, 1886 – April 13, 1912,) one of the finest Japanese poets born in Iwate.

職業として音楽をプレイするようになってから、日本のいろいろな美しい土地を訪れることができるようになったのは本当に嬉しいことだ。

これは、岩手県に二度目に招待を受けた際、はじめて見た岩手山の壮大な美しさに受けた霊感から土台を作り、そののち同県の石川啄木記念館のご招待によって、啄木自身が教鞭をとったという、今も残る学校の教室でスペシャルコンサートを行ったことから決定的なアイディアを拡げ、彼の短歌を鏤めることによって完成させた四楽章組曲「ナンブ」の第三、そして最終楽章の、東京におけるライヴ演奏。

自分でも、最も気に入っている作曲のひとつを創る素晴らしい機会を与えてくれた岩手県の皆さまに、そして石川啄木記念館の山本令子さんに、この場を借りて改めて深く感謝したい。

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La otra interpretación en vivo de ‘El Viento y Puccie,’ una chacarera inspirada por mi querido ‘cachorrito’ que jugaba en el campo como en viento. Fue filmado a la parte ultima de mi entusiasta recital en el Hotel Camino Real da ciudad de Guatemala.

The another live interpretation on ‘The wind and Puccie,’ an original composition inspired by the image of my beloved doggie was running like wind in the countryside. This video was recorded at the final part of my enthusiastic recital at the Hotel Camino Real in Guatemala City.

もうひとつ、ガラリと雰囲気を変えてアルゼンチン・フォルクローレの早いリズム”チャカレラ”を使って、愛犬が野原を風のように駆け回るさまをギターソロにした「風とプッチー」。
熱狂的大成功をおさめたグアテマラシティのカミノレアルホテル公演における二回目のアンコールとしてプレイした。
本場ラテンアメリカの観客のリアクションをお楽しみください。

このギターは、ヘッドに木製のペグを使ったカスタムモデルで、アルゼンチン、コルドバ州北部のリオ・セコとう小さな町に暮らすグレゴリオ・カブラルという名工が作ってくれたもの。
世界的に知られている人ではないが、自分はこの人物に3台の楽器を特注しており、いずれも特に南米公演において最大の威力を発揮してくれている。
この動画から、彼の楽器がいかに優れた音色と高い機能性を持つかおわかりいただけるだろう。

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ちなみにトップの「ナンブ」で使用しているギターは、実はこれ、アメリカのどの町の楽器店でも手軽に入手できる、’ライムンド’という(スペインで大量生産される)言って見れば廉価の楽器だが、言わなければこのギターがハードケース付きで700ドルとは誰も思わないだろう。
前記のバッハの二曲もこの楽器でプレイしており、最初のカーネギーホール招演時にも、このギターを使って出演した。

2015年にクロサワ楽器日本総本店クラシックギターフロアの皆さまとのご縁でスペインのホアン・エルナンデスと出会ってからは、このところしばらく使用していないが、これまで本当に数多くのライヴで自分を助けてくれた楽器だ。

ギターは値段ではない。
いかに自分にフィットするかが大切だ。

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* Mis propias obras para guitarra en vivo 1 ライヴによるギターソロ作品集②